ガンダムビルドファイターズ ~orbit~
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希望と希望 後編
「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!! 」
バスターライフル改のビームサーベルを何度もアウローラガンダムに振るうも、レイザーブレイドでことごとく防がれてしまう。
『今度はこっちからいくぞ! 』
アウローラガンダムが大きく後退し、レイザーブレイドを逆手から持ち替え、青白い光を二刀に纏わせ右手のレイザーブレイドを肩にかける。
『アサルト……………』
肩にかけたレイザーブレイドを突き出し、こちらに向かって突進してきた。
「突進技か! 」
アウローラガンダムのレイザーブレイドが届く前に、バスターライフル改のビームサーベルを突き出す。しかし突き出した途端アウローラガンダムは回転し、バスターライフル改の攻撃を回避し懐に潜り込んできた。
『ツヴァイ!! 』
アウローラガンダムは左手のレイザーブレイドを構え、一瞬にして四角形を描くようにレイザーブレイドを振るってきた。
「ぐっ! 」
シールドで防ごうとするも威力も高い上に速く、二撃は防げたものの右肩とバスターライフル改が切断されてしまった。
切断されたバスターライフル改を爆発する直前にアウローラガンダムに向けて投げ放ち、距離を取るため後退する。
「ここまで力の差があんのかよ」
遠くの方を見ると、ヴァサルティスガンダムとティグリスガンダム、それとブラウドライツガンダムがストライクフリーダムとG-アフロディアと交戦していた。
基本的に三機を相手にストライクフリーダムが交戦し、その間にG-アフロディアが狙撃により援護をしていた。
『よそ見している場合じゃないぞ』
アウローラガンダムが爆風から飛び出し、レイザーブレイドを逆手に持ち替え水平に斬り払ってきた。
シールドで攻撃を受け止め、刀を抜刀して反撃するももう一刀のレイザーブレイドで防がれてしまった。しかもそのまま刀を受け流し、機体を反転させて右足のレイザーブレイドで攻撃を繰り出してきた。
攻撃を回避しようとするも間に合わず、左肩の付け根から斬り落とされてしまった。
「このっ! 」
刀を水平に斬り払うも、斬り落とした勢いを利用して機体を回転し、そのままレイザーブレイドで防がれた。
「ならっ! 」
コンソールでSPコマンドを選択すると、アルケオニスガンダムの背部に日輪が出現し、機体が金色へと染まっていった。
『ハイパーモードか! 』
「く、ら、えぇぇぇぇぇっ!! 」
刀を思い切り振り抜き、アウローラガンダムを後退させる。その間に距離を縮め、刀を何度も振るっていく。
『ちっ! 』
アウローラガンダムは右手のレイザーブレイドに青白い光を纏わせる。光は巨大になっていき、バスターソード並の大きさへとなっていった。
『グライシス!! 』
巨大な光に包まれたレイザーブレイドを水平に斬り払ってきた。刀で防ごうとするも受けた瞬間大きく吹き飛ばされてしまった。
そのまま体勢を立て直せず、近くにあった巨大デブリに激突した。
「クッソが! 」
『GNソードピット! 』
起き上がってアウローラガンダムの方を見ると、GNソードピット六基がこちらに向かってきていた。直撃する前に急いでその場から離れて回避し、GNソードピットはデブリへと直撃し砂煙を巻き上げる。
しかし、砂煙からすぐにGNソードピット四基が飛び出し、左翼と頭部を切断していった。
ーーー--
「ディレイ……! 」
「モードビャッコ!! 」
「全弾!乱れ撃つぜーーー!! 」
ブラウドライツガンダムのサイドアーマーとリアアーマーから十数枚の鱗がパージされ、そこから粒子が放出し足場となった。
ティグリスガンダムはMA形態へと変形し、青白い光に包まれて虎へと形を変えていった。
ブラウドライツガンダムとティグリスガンダムは鱗を足場にし、四方八方に移動してストライクフリーダムを撹乱していき、更にヴァサルティスガンダムからの攻撃によりストライクフリーダムを追い詰めていく。
『シノさん!援護をお願い! 』
『任せなさい』
ストライクフリーダムはスーパードラグーンを射出し、ハイマットフルバーストによりヴァサルティスガンダムの攻撃を撃ち落としていく。その隙、ブラウドライツガンダムとティグリスガンダムは背後からストライクフリーダムへと接近していった。
「────っ!離れろ二人共! 」
「「!? 」」
ブラウドライツガンダムが二枚の鱗を前方にパージし、鱗を足場にして後退する。そして、先ほど二機が居たところに二本のビームが放たれていた。
「助かったぞヒメラギ トウヤ」
「いえいえ。にしてもあの距離から狙い撃ってくんのかよ…………」
「オマケに、私達も少しずつ後退させられているな」
「ドウしよう……? 」
二機の出方を伺うが、何かを仕掛けてくる様子はない。なら、このままカグラの方へと援護しに行った方がいいのか?
『外しちゃったわね。勘は鋭いんじゃない? 』
『アハハハハ。流石にムウさんや僕からドラグーンを受けてるだけあるからね』
『大人げないわね二人共……』
『それで、どうするの?鱗も撃ち落としたし、このまま追撃する? 』
『んー。まあ向かってくるなら相手をするし、来ないなら追撃はしないかな』
『それで全員ヒロヤの所に行ったらどうするのよ? 』
『その場合は流石に援護しに行くかな』
二機はいまだに動かず、その間に俺は二人にカグラの援護に行くことを提案する。
「……ふむ。この実力がダブルオークアンタのファイターにもあるとすれば、確実に押されているな。しかし、私達でも二人相手に押されている…………こうなったら」
「オモいキってタスけにイク? 」
「よし!そうと決まれば俺が足止めをするぜ!その間に頼んだぜ二人共!! 」
ヴァサルティスガンダムが全弾を二機に向けて攻撃し、弾切れになるまで攻撃し続けた。
ーーー--
「がっ! 」
刀で迫り来るGNソードピットを弾くも、その隙にアウローラガンダムからの蹴りを入れられ再度吹き飛ばされる。
『カグラ君!一度後退して! 』
『そうだぞ。お前は少しは引くことを知った方がいいぞ? 』
「ちぃっ! 」
それでも刀を構え、アウローラガンダムへと接近する。
『馬鹿一直線だな本当に…………なら! 』
GNソードピットはアウローラガンダムへと戻っていき、GNシールドへと収まっていった。レイザーブレイド二刀を連結させ、右手に持って構えると、レイザーブレイドはバスターソード並の光に包まれた。
『コイツをくら───っ! 』
アウローラガンダムの後方からビームが放たれており、それを防ぐためにアウローラガンダムは振り返ってレイザーブレイドで攻撃を弾いていく。
「サクラ!それにセシリアも! 」
「やはり押されていたか」
「ドラゴンファング……! 」
ブラウドライツガンダムの龍の頭身となっている大型GNフィンファングが四基射出し、その龍の口が開くとアウローラガンダムに向けて攻撃を開始した。
『ちっ!トウイは何をやってるんだよ! 』
レイザーブレイドを分離させ、青白い光をレイザーブレイド二刀に纏わせ攻撃を弾いていく。その隙にティグリスガンダムはアウローラガンダムの側面へと回り込みながらドッズライフル二丁を撃ち続ける。
「ゴッドフリード!行けぇぇぇぇぇ!! 」
「くらえぇぇぇぇ!! 」
アークエンジェルもアウローラガンダムへと攻撃し、アルケオニスガンダムも刀を構えてアウローラガンダムへと接近する。四方からの攻撃だ。
「これならっ! 」
『─────虎と龍は任せたぞ! 』
アウローラガンダムはティグリスガンダムとブラウドライツガンダムに背を向け、ゴッドフリードとアルケオニスガンダムの方へと振り向いた。
『シールドガン・ファンネルⅡ!! 』
アウローラガンダムの背中に迫っていたドラゴンファングとドッズライフルの攻撃は、間に割り込んできたファンネルのビームシールドにより防がれ、ゴッドフリードの攻撃はレイザーブレイドにより弾かれ、刀による攻撃はそのままレイザーブレイドで防がれてしまった。
「これでも傷一つ付かんのか…………」
「ツヨい……! 」
『後ろががら空きだよ! 』
ブラウドライツガンダムとティグリスガンダムは、背後からストライクフリーダムがすれ違い際にビームサーベルで機体を切断していった。
「しまっ! 」
「アッ…………」
「クッソがぁぁぁぁぁっ!! 」
『はああぁぁぁぁぁぁっ!!! 』
アウローラガンダムに刀を降り下ろすも、レイザーブレイドにより下から大きく刀を弾かれ、刀を手放してしまった。
『大振り過ぎだバーロー』
アウローラガンダムはアルケオニスガンダムをレイザーブレイド二刀により切断されてしまい、そのままアークエンジェルの方へと向かっていった。
『BATTLE ENDED』
ーーー--
「うっわぁ…………ヒロヤ君大人げないね」
「私は二人共大人げないと思うけどね」
「うるせい。これでも結構手加減してるんだよ」
「どうだか…………」
「てかトウイ。お前ちゃんと指導してるのかよ? 」
「きちんとするのはムウさんの役目だからな~」
「いやムウさんはきちんとやらないだろ。俺の記憶上、まともに指導受けた覚えないぞ? 」
「おいヒロヤ。それはどういうことだ?きちんと相手をしてやったろうが」
「相手と情報収集は良かったですけど、指導は受けてない。お前達もそうだろ? 」
ヒロヤと言われる男が俺達に聞いてきて、すぐに全員が頷いた。今週は珍しく来たが、バトルの相手しかしてこなかった。
「失礼な奴等だな。俺は生徒の自主性を信頼し、自分で考えるのが大切だと思ってるんだ」
「それはいわゆる放置ですよムウさん」
「う゛………………」
「トウイ。お前もだ」
「アハハハハ」
「取り敢えず、今からお前達の問題点を全部挙げる。しっかり聞けよ? 」
「わ、分かりました」
「ワカッタ」
「……………………」
「えー?全部言っちゃうの? 」
「お前達が勿体ぶって教えないからだろ。これじゃあ逆に進歩出来ないだろうが」
男はため息を小さく吐き、口を開く。
「まずは龍のガンプラ使い…………セシリアだっけ?反応は良いし、勘も冴えてる。けど動きも攻撃も単調だ。相手を攻撃する時こそ一番危険だぞ? 」
「ワカッタ……」
「次に虎のガンプラ使い、サクラ。お前も似たようなもんだ。ただ、その獣のような攻撃はよかったぞ」
「ふん…………」
「次は亀か蛇か分からないガンプラ使い、ヒメラギ。お前は守りも固いし、常に仲間をサポート出来るようにしている。だけどお前自身もきちんと戦え。じゃなきゃ誰にも勝てないぞ」
「りょーかいッス」
「次は戦艦担当のヒメラギか。お前はもっと自信を持って指示しろ。そして戦闘に参加しろ。お前は頭が切れるんだから、このチームの司令塔なんだぞ」
「はい…………」
「次は、問題点だらけのカグラ。一人で突っ込むな。これはチーム戦だぞ?連携を取ろうにも、お前がそんなんじゃ負けにいくようなものだ。攻撃も動きも素早いが、動作が大きいんだよ。それに、仲間がやられたらより単調になる。冷静になれ」
「……………………」
「最後に、全体的に後手に回りすぎなんだよ。まあ初心者が三人いるとはいえ、フォーメーションもざる。自分達に合ってないって分かってんだよな? 」
「それはもうもちろんです。しっくり来ないんですよ」
「当たり前だな。なんせ全員猪突猛進タイプなんだからな」
「と、言うと? 」
「まあこれは一つの賭けだが、艦隊戦は出来たばかりのルールだ。定石なんてものはまだ定まってない。だったら、お前達に合った戦い方をすればいい」
何を言いたいのか分からず、俺達は首をかしげる。
「全員前に出て戦えばいい。後手に回ってやられるくらいなら先手に回れ。戦艦も含めてな」
「それって下手したらやられるんじゃねぇのか? 」
「かもな。けど、試さないと分からないだろ? 」
確かにそうだ。だがリスクも高い。戦艦に関してはやられたら一瞬で敗けが決まってしまう。
「悩んでも仕方ないわ。試してみましょう」
「いいのかアマネ? 」
「ええ。もしかしたら、上手い具合にはまるかもしれないし」
「やってみよう。いいよね皆? 」
「おうよ! 」
「ワカッタ……」
「猪突猛進タイプと言われるのは釈然としないが、いいだろう」
他の奴等も同意し、提案されたフォーメーションを試すことにした。
「さーて、どうなるかな~?てかフォーメーションまで言っちゃったよ」
「悪いかよ? 」
「悪くはないんだけど、なんかな~」
「まあヒロヤはコーチでも何でもないし、別にいいんじゃないかしら? 」
「アハハハハ。さて、それじゃあもう一戦やろっか」
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