ソードアート・オンライン~隻腕の大剣使い~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第18話隻竜VS氷竜
前書き
どうも~!おひさしぶりです!
大変長らくお待たせいたしました!
今回で18話目のお話しとなります。
それでは、スタート☆
第55層・西の山
「は・・・はっくしゅ!」
「大丈夫か・・・?」
ここ第55層・西の山は雪山のフィールド。この山に住む水晶を食べるドラゴンが持っている水晶を採取しに来たオレとリズさん。今の盛大なくしゃみは今のオレの相方、《マスタースミス》兼《マスターメイサー》のリズさんのくしゃみ。一応黒いコートを着こんではいるがーーー
「そんな格好してるからだよ」
「あんたも結構薄着でしょうが!」
確かに今のオレの服装はいつもの忍者装束に黒いマントだけどそんなに寒くないんだよな~これが。強いて言えばーーー
「あ~~もう!バサバサ鬱陶しい!」
「何でマント脱いだの!?」
だってバサバサバサバサうるさいんだもん。それにマントは左腕隠す為とある特殊効果が便利だから着てるだけだし、割とそこまで重要でもないんだよ。忍者装束の中のシャツも黒い長袖だし問題ない。
******
そんなこんなでーーー
「ここが・・・」
「そうよ!ここにドラゴンが現れるの」
たどり着いたドラゴンの出現ポイント、そこは何とも美しいたくさんの水晶が精製されている丘の上。未来も来てたらおおはしゃぎだなこれは。
「リズさん、《転移結晶》の準備しといてくれ」
「出来てるけど・・・あたしが言った簡単な入手方法だと、そこは《結晶無効エリア》だから使えないのよ」
「はぁ!?」
《結晶無効エリア》ーーーその名の通り《転移結晶》や《治癒結晶》などの結晶の類いのアイテムの使用が不可能になるエリアのことだ。そんな所からよく帰ってこれたなーーーなんて考えていたらもうおでましかーーー
「リズさん!なるべく離れてろ!ここまでデカイと守りながらはキツイ!」
「う、うん!」
現れたのはーーー白い巨大なドラゴン。オレが《破滅の竜角》をドロップしたドラゴンとは比べ物にならない程デカイ。そのドラゴンが羽ばたき、口に光を灯す。シリカの使い魔《ピナ》みたいなドラゴン系モンスターの専売特許。そうーーー
「ブレスよ!避けて!」
ブレスーーードラゴンの口から放たれた凍てつく氷の咆哮がオレに襲い掛かるがオレは愛剣《サイレントワイバーン》に光を灯しーーー
「《サイクロン》!!」
《両手剣》ソードスキル、《サイクロン》を放つ。硬直時間は切り払ったブレスの残った冷気が消えた瞬間に既に終わった。
さて、次はーーー
「こっちの番だ!お前の胃袋えぐり出してやる!」
リズベットside
すごいーーー左腕がないのにあんな《両手剣》を振り回して、あんなに早く動けてる。システム的には筋力値が高ければ片手で《両手剣》を操ることは可能だけどーーーあそこまで強い剣士は、あたしが好きになった《黒の剣士》、キリトしかいないーーーいや、もしかしたらキリトよりも強いのかもしれない。
「こっちの番だ!お前の胃袋えぐり出してやる!」
今日初めて会ったけど分かることがある。昼間の彼とは確実に違う。あんな子供が泣くようなセリフをしれっと口に出すほど好戦的になってる。ドラゴンの攻撃を軽々弾き返してる。まるであの《サイレントワイバーン》という《両手剣》が《片手剣》のように思えてくる。
赤い忍者装束、鱗模様の籠手、そして左腕のない隻腕の剣士。噂を聞いただけじゃとても信じられないことだけど、確かにあいつはーーー
「・・・《隻腕のドラゴン》」
ライリュウside
「うおぉぉぉぉおおお!!」
空を飛びオレに接近してくるドラゴン。オレはそいつの腕に《両手剣》ソードスキル、《アバランシュ》を叩き込みドラゴンの左前足を切り落とす。これでこいつもオレと同じ隻腕のーーー前足って少なくとも腕じゃないよな?だったら隻腕じゃないのか?
「まぁいい、後はこいつの切腹の介錯を・・・」
まだだーーーこいつはまだ力が有り余ってる。その証拠にーーー大きな翼を動かし強風を起こした。今オレがいるのは空中、つまりーーー
「ライリュウ!」
「マズイ!」
落ちる。それも強風の威力も合わさり落下ダメージはとてつもないものとなるーーー
「きゃあぁぁぁぁぁあああ!」
「リズさん!?」
ヤバイのは強風の巻き添えをくらったリズさんもだった。そのリズさんが落ちる所はーーー巨大な穴。
「頼む・・・間に合ってくれ!」
オレは空中で体勢を変えてリズさんの落ちる穴に向かった。そしてそのままーーー
「リズさん捕まれ!」
「ライリュウ!」
追い付いた。オレは残された右腕を伸ばし、リズさんの手を掴む。
「ひィィィィイイ!!二回目だけどやっぱり無理~~~~!」
「二回目!?」
二回目って何だよ!?おい!!この高さから落ちたらオレでも確実に死ぬぞ!?原因はオレの防御力の低さだけども!何とか落下ダメージを少しでも減らさないとオレがーーーそうだ!
「いっけぇぇぇぇええ!」
オレはアイテムストレージからかなり重めの盾を出して落とした。それに立つように足をつけてーーー勢いよく蹴る!
三人称side
雪山のドラゴンとの戦闘中に、ドラゴンの翼撃による突風に落とされた、《隻腕のドラゴン》・ライリュウと数少ない《マスターメイサー》の少女、リズベット。
その二人は今ーーー
「痛~・・・上手くいって良かった~~。流石に死ぬかと思ったぜ」
「あんたすごいわね・・・。咄嗟に盾を出して作用反作用の容量で落下ダメージを減らすなんて」
作用反作用ーーー分かりやすく言えば、平らな床の上でタイヤ付きの椅子に座り重たいものを前に放り込み、椅子は後ろに下がる。ロケットシャトルのエンジンの原理もそれと同じである。それを彼ーーーライリュウは盾を空中で踏み込み、蹴ることで落下ダメージを抑えたのである。
「《ポーション》飲んどくか。それにしても・・・ほほらんら?ほろら」
「《ポーション》くわえたまんま喋んないでよ。・・・ここはあのドラゴンの巣よ」
「!?ゲフンゲフゴホッカホッ!・・・マジで?」
彼らが落ちたのは先程まで戦ったドラゴンの住みかである。それを聞いたライリュウは口に含んでいた回復アイテム《ポーション》をむせてしまう。彼の再確認の声に対し首を縦に振る。
「ついでに言うと、あたしが言ってた鉱石を手に入れたのもここよ」
「は!?だったらここが《結晶無効エリア》!?・・・だったら《転移結晶》は使えないな」
そうーーーここは結晶アイテムが使用不可能になる空間。つまり《転移結晶》で自分の家に帰ることも出来ない。
そこでライリュウが考えたのはーーー
「・・・壁走って登るか」
「他にもいたわね・・・そんなこと考える奴」
一言で表すならばーーー無謀。その無謀な策を思い付いた少年は、「いや、やっぱ無理か」と考えを改める。ーーーその時、隣にいる少女、リズベットの発言に疑問を覚える。
「そういやリズさん。さっき言ってた「二回目」ってどーゆー意味?それに壁登るかって言ったときの「他にもいた」って・・・」
「あ~・・・あれね」
ライリュウの質問にバツの悪そうな顔を浮かべるリズベット。その答えはーーー
「ここ・・・キリトとも来たのよ」
「あ~、なるほど~。それで・・・何だこの変なシンパシー・・・気色悪ッ」
《黒の剣士》キリトーーー彼は依然リズベットと共に鉱石を求めここへ落ちた。そこでキリトが行った脱出法が「壁を登り走る」。結果はーーー大失敗。彼と同じことをしようとした少年、ライリュウはおかしなシンパシーを感じ全身に鳥肌を作る。
「まっ、帰りは朝ここに帰って来るあのドラゴンに乗って帰りましょ。じゃあさっそく鉱石探しましょ」
「随分余裕だな・・・」
思いの外余裕なリズベットに呆れるライリュウ。そして、いずれ帰って来る夜行性のこの巣穴の主に乗り帰還する、自分のその考えを先にキリトが先に実行していたということを知った瞬間、彼の全身の毛穴はさらに逆立ったのは言うまでもなかったーーー
後書き
ラ「・・・何かガチで鳥肌立ってきた」
キ「俺もだ・・・シンクロって怖いな」
リ「キリト!?あんた今回出てないでしょ!?」
醤油「いや~~思いきってキリトくんにもゲストとして出ていただこうかと思いましたよHA~HA☆HA☆HA☆」
キ「ありかとな作者。それにしても・・・ライリュウって実際俺より強いんだな」
ラ「そうか?まぁ、筋力値だけなら多分オレの方が強い・・・かな?」
リ「そういえばライリュウって分かりやすく言うとどれくらい強いの?」
醤油「そうですね~、パワーはアスナさん・エギルさん以上キリトくんとほぼ同格ですね」
ラ「まぁそんなとこかな。スピードはキリトやアスナさんの方がずっと速いな。アスナさんとは前にデュエル挑んだことがあったんだけど・・・」
リ「どうしたの?」
キ「そういえばお前・・・」
ラ「ああ、スピードに押されて負けた」
醤油「そうですね。やっぱり武器が重い分速い相手にはどうしても対応が難しいですね」
ラ「その分防具は軽くて動きやすい忍者装束にしたんだよな。ガチャガチャした鎧とかオレ嫌いだし」
リ「それよりこんな話しても良かったの?」
キ「何がだ?リズ」
リ「これ、ある意味スキルの詮索っぽくない?」
醤油「問題ありませんよ、言ってしまえばライリュウの強さがよく分かるように読者の皆さまに説明させていただいてるもんですし」
ラ「みんなオレが強い強いって言ってるけど・・・強くなんかねぇよオレは。傷痕を必死に隠してるただの臆病者だよ・・・」
キ&リ『ライリュウ・・・』
醤油「・・・そんなライリュウに近い女性を君のヒロインに決めたよ。登場はかなり遅くなるけど頑張ってね」
ラ「マジで!?頑張る頑張る!オレ絶対その女性に会う!」
キ&リ『おいおいおい変わり身速すぎ・・・』
醤油「それじゃ、そろそろ締めようか。みんな~?せーの」
醤油&ラ&キ&リ『ご観覧ありがとうございました!次回もお楽しみに!』
ページ上へ戻る