ガンダムビルドファイターズ ~orbit~
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大会前特訓編
青龍の咆哮
前書き
徐々に更新速度が早まってきました。外伝→orbit→外伝→orbitという順で更新されていきますね~。このまま流れにそって次回は外伝の更新の後に更新しますね。
「俺は二度とお前達を孤児院に入れねぇ」
「冒頭から何言ってんのよアンタ」
「昨日は散々な目にはあったが、楽しかったじゃねーか。なあセシリアちゃん? 」
「タノしかったけど、アレがニホンのナベなんだ……………ビックリした」
「違ぇからな?あれは鍋は鍋でも闇鍋だ。一種の罰ゲームやふざけた奴等がやるものだ。日本の鍋はもっと旨ぇからな」
昨日、夕食会をするという事があったので孤児院に連れて鍋をやった。レイナと子供達とは場所も飯も別々にし、俺の部屋でやることになった。
ーーー--
「そんじゃ俺は食材を切ってくるから、出汁とかは任せたぞ」
食材を持って台所に行って豆腐や野菜やキノコを切り、皿に盛り付けて部屋へと戻る。
部屋に戻ってきた時には既に出汁もとってあったので、切ってきた食材を入れた。その後肉を入れ終わると、ヒメラギとサクラが俺の両腕を掴んで拘束し、覆い被さるようにセシリアが体に抱きついてきた。
「ちょっ!?お前ら何する気だ!? 」
「アマネ!今の内に終わらせろ! 」
「分かってるわよ!部長! 」
「既に準備はバッチシだ! 」
アマネは部屋のカーテンを閉め、電気を消して部屋を暗くした。アキザワはその間に鍋の蓋を開けて何かを鍋に入れていった。
「アキザワ!一体何を入れやがった!? 」
「ヒメラギ。交代だ」
「了解ッス」
アキザワがヒメラギの代わりに腕を掴み、その間にアマネと一緒に何かを鍋に入れていった。
「さて、じゃあカグラ君を解放していいわよ」
サクラとアキザワ、セシリアが俺から離れていき、俺は急いで鍋の中を確認しようとすると、既に煮込みが開始されていたため見ることが出来なかった。
「お前ら…………これってもしかして……………」
「闇鍋だぜカグラ」
「闇鍋よ」
「闇鍋だな」
「闇鍋だね」
「やっぱりか!発案者は誰だ!? 」
「ワタシ……」
「何で闇鍋なんかチョイスしたんだセシリア!? 」
「セシリアさんが日本の食べ物を食べたいって言っていたから、それで鍋にしたのよ。鍋にも種類があるから一通り説明したら、闇鍋がやりたいって言ったのよ」
「ヤミというヒビきにまけチャッテ」
「負けちゃってじゃねぇぞ!?下手したら作り直しをしなきゃいけねぇんだぞ!? 」
「まあまあ落ち着けよカグラ。別に食えねーものは入れてねーんだから、楽しんでこうぜ? 」
ヒメラギが俺の肩に手を置いて落ち着かせようとしてきたが、これを落ち着かずにいられるのだろうか?いや、俺は無理だ。
「ほらカグラ。そうこうしている内に煮込み終わったよ? 」
「では早速蓋を開けてみよう」
サクラが土鍋の蓋を開けると、暗くてよく見えないが鍋の中が凄いことになっていたのだけは分かった。
「………………誰だ、イチゴなんか入れた奴は?赤い筈のイチゴが脱色して白色になってるじゃねぇか」
「あっ、それ俺だわ」
ヒメラギがすぐに自白したので、取り敢えず殴るのだけは抑えよう。だが、まだまだ鍋の中には問題点が山程ある。
「ちなみにメロンパンやこの謎の棒状の物。それにせんべいとカロリーメイトを入れたのは誰だ? 」
「メロンパンとせんべいは俺だね」
「ポテロングの事ね。ちなみにそれとカロリーメイトは私よ」
「そうか。じゃあ最後に、ブルーベリーを大量にぶちこんだのは誰だ? 」
「あっ、それも俺だわ」
殴った。お前はなんでフルーツ系で攻めてくんだよ。おかげで豆腐がブルーベリー色してんだろうが。
あと、何か汁の色も心なしか真っ黒だぞ?誰かイカスミでも入れたんじゃねぇのか?
「お前ら。これは責任持って食えよな?残したら殺すぞ? 」
「大丈夫だっつーの。食えねーものは入れてねーんだからよ」
「じゃあお前が真っ先に毒味しろ。俺が全員に取り分けてやるから」
ヒメラギの楽観視が腹立つので、この中で一番危険性が高い半分に分かれているメロンパンを取り出し、他にも肉少々キノコ少々野菜多めに、ブルーベリーも多めに皿に盛り付け、ヒメラギに渡す。
「オメー明らかに盛り付ける量が多いだろーが!?これ食いきれんのか!?せめてもう少し肉をくれ! 」
「うるせぇよ。いいから食え」
アマネに肉、野菜、キノコを多すぎず少なすぎずというぐらいに盛り付け、イチゴとカロリーメイト、それにブルーベリーを皿に盛り付けて渡した。
「カグラ君。私にも結構量があるように見えるんだけど? 」
「気のせいだろ。次はアキザワだ」
肉少々野菜多めにキノコも多め。それにせんべいと残り半分のメロンパンを盛り付け、ブルーベリーを多めに盛り付けた。てかどんだけブルーベリー多いんだよ。
「カグラ。俺にももう少し肉を入れて欲しいな~」
「食いきったら」
サクラに盛り付ける時にはゲテモノはほとんど無くなり、残りのブルーベリーを全て入れた後肉を多めに入れ、野菜とキノコも多すぎず少なすぎずというぐらいに盛り付けた。
「カグラ レイ。貴様さりげなくブルーベリーを全て盛り付けなかったか? 」
「気のせいだろ。いいから食えよ共犯者」
セシリアにも肉多めに野菜とキノコを多すぎず少なすぎずというぐらいに盛り付け、せんべいとイチゴ、それとブルーベリーを一つずつ盛り付けた。
「アリガトウね」
「罪悪感が湧くから礼を言わずに食え」
俺は残りの具材を全て盛り付け、これで全員分行き渡った。具材?もちろん肉と野菜とキノコだけだけど?
「おいカグラオメー!肉無くなってんじゃねーか!? 」
「食いきっても肉が食べれないじゃないか! 」
「うるせぇよ。ほらヒメラギ。毒味しろ」
「せめて味見って言ってくんねーか!? 」
ヒメラギは箸でデロンデロンになっているメロンパンを取り出し、一口かぶりついた。するとヒメラギの動きが一瞬固まり、すぐにメロンパンを皿に戻した。
「……………………」
「んで、どうなのかしらヒメラギ君? 」
「………………アキザワ部長。確かアキザワ部長もメロンパンがありますよね?食ってみてください」
「お、おう。それじゃあいただきます…………」
アキザワもメロンパンを一口かぶりつくと、ヒメラギと同じ動作をしてからすぐにメロンパンを皿に戻した。
「どうなんだ?アキザワ セイヤ」
「………………これはこの世のものだろうか……」
「どんな味だよ!? 」
ーーー--
「本当に不味かったわね」
「メロンパンを食ったら一瞬意識が飛んだんだぜ?あれはこの世の物とは思えねー味だ」
「フルーツもイガイとオイシクナかった」
「カロリーメイトは案外中まで闇汁が染み込まなくてよかったわ」
「お前ら呑気に昨日の事を言っているけど、あの後大変だったんだぞ?
部屋には闇鍋の匂いは残るは、土鍋にはこびりついてるはで後処理がめんどくさかったんだぞ? 」
「お疲れカグラ君」
「お疲れさんカグラ」
「オツカレ」
労いの言葉が欲しいんじゃねぇんだよ。少しは反省しろお前ら。
「まあ落ち着けよカグラ。昨日の夕食会で今後の方針についても纏まったんだしさ」
「それとこれとは話が別だろうが」
「トコロで、コンシュウのドニチにトックンってイっていたけど、ナニするのかな? 」
『さて、と。じゃあ今日のところはこれで解散。皆、今週の土日から本格的に特訓するから、それまでにセシリアさんのガンプラを仕上げといてね』
ハルカゼはそう言っていた。今日は水曜日だし、後、三日でセシリアのガンプラを完成させなければならない。
「本格的って言ってたからな。練習試合でも組んでくれたんじゃねぇのか? 」
「おっ?きっとそうかもな。じゃあ一刻も早くセシリアちゃんのガンプラを完成させねーとな」
「ベースガンプラは決まってんのか? 」
「ええ。セシリアちゃんに一通り見てもらって、その中から選んでもらったわ」
「マヒルがテツダってくれるカラ、タブン、ヤスみにはマニあう」
「おっ?じゃあ大丈夫そーだな」
「だな。期待してるぞアマネ、セシリア」
「任せなさい」
「ウン………」
ーーー--
「喰らえっ!! 」
バスターライフル改からビームサーベルを発生させ、ティグリスガンダムに向けて降り下ろす。ティグリスガンダムはドッズライフルを右肩に固定し、ビームサーベルを抜いて攻撃を受け止めてきた。
『甘いっ! 』
つばぜり合いをしながらシールドの先端のシグルブレイドを突き出してきたが、右腕を上げてシールドを弾いて大きく後退する。
「狙い撃つ! 」
バスターライフル改でティグリスガンダムに砲撃するも、MA形態に変形してかわし、ビームブレイドを展開してこちらに接近してきた。
『モードビャッコっ!! 』
ティグリスガンダムが青白い光に包まれ、光は虎と化した。ハルカゼとの対戦で見せたあの白き獣、白虎となってこちらに向かってきていた。
「その攻撃は既に対策されたろ! 」
ハルカゼと同じくシールドで下から掬い上げようとすると、読んでいたのかアルケオニスガンダムのシールドを踏み台にして上空へと飛んだ。
すれ違い際に白虎の尻尾が頭部へと巻き付かれ、そのまま着地と同時に地面に叩きつけられた。
『その行動に対しては既に対策済みだ』
尻尾から解放されすぐに起き上がろうとすると、既に白虎の右腕の爪がアルケオニスガンダムの胴体目掛けて放たれていた。
「くそっ! 」
バスターライフル改を手放し、右手を使って左側に回避しようとするも、右肩を貫かれてしまい身動きが取れなくなってしまった。
シールドも手放し、左逆手で刀を抜刀してティグリスガンダムに向けて水平に斬り払うも、白虎の牙により食い止められてしまった。
『終わりだ! 』
「ちっ! 」
刀も手放し、左手にエネルギーを集中し、迫り来る白虎の爪目掛けてゴッドフィンガーを放つ。
白虎の爪とゴッドフィンガーが激突し、もう片方のゴッドフィンガーを放とうとした瞬間、バトルシステムが停止した。
『BATTLE TIME LIMITS』
ーーー--
「ちっ!また引き分けか…………腕を上げたようだなカグラ レイ」
「またかよ…………これで何回目だよ」
「俺も途中から数えてねーぜ」
椅子に座り込み、ヒメラギから渡された飲み物を口に運びながらぼやく。俺達はセシリアのガンプラが完成するまで、個人の特訓をすることになった。
最初はサクラと俺、俺とヒメラギ、ヒメラギとサクラという順序で対戦していき、もう何周したのか分からなくなった。
「おーし!そんじゃあ次は俺だぜカグラ!相手しろよな」
「少しは休憩させてくれよ。こっちは疲れてんだ」
「だらしないなカグラ レイ。もうへばったか? 」
「そういうお前こそ息が切れてんじゃねぇか。お前の方がへばってんじゃねぇのか? 」
「ふん。なんのことだ?気のせいだろう」
「あー、もうそこで終わらせてくれ。ほれ。そんじゃあやるぞ」
「そこで僕とムウさんが登場!はい皆、唐突だけど連絡事項があるから作業を一旦止めて、ムウさんに注目して」
突如部室の扉が開かれ、ハルカゼと珍しく来た顧問のムウが現れた。
「そんじゃあ俺も仕事が詰まってるから、パパっと済ませるぞ。今週と来週の土日にかけて、トウイと話し合って対戦相手を組んできた。
と言っても相手は他校の人間じゃない。まあ対戦相手は全員トウイに任せてるから、詳しくはトウイに聞いてくれ。そんじゃあ俺は仕事に戻らさせてもらうぞ」
伝えることだけ伝え、ムウはすぐにその場を後にした。
「ムウさんってあんなに仕事熱心だったっけかな~?まあ多分、今まで上手にサボっていたツケが回ってきたんだろうね」
「そんなことよりもハルカゼ。相手は他校の人間じゃねぇってどういうことだよ? 」
「ん?まあ僕の知り合いだよ。皆予定が上手い具合に空いてたから頼んできたんだよね」
「ハルカゼさんの知り合いってどんな人なんですか? 」
「土曜日の相手は馬鹿と良い子と元気な子って感じ」
説明てきとうじゃねぇかよ。
「まあ当日のお楽しみだよ。それよりも、セシリアさんのガンプラの方はどう? 」
「それが…………まあ間に合うとは思うんですけど……」
「ダイジョウブです……」
「なんかマヒルさんが物凄く微妙な返事をしたのが気になるけど、セシリアさんが大丈夫って言ってるし大丈夫…………だよね? 」
「聞かれても分かるわけがなかろう」
「う~ん…………ま、いっか。それじゃあ引き続きセシリアさんのガンプラを完成させ、レイ君達はガンプラバトルの特訓をしよっか」
「相手はハルカゼコーチがしてくれるんスか? 」
「もちろん。三人纏めてかかってきていいよ。僕はこれでやるから」
ハルカゼは手に持っているショーケースを開けると、中からは大会で見せたあのストライクフリーダムが収まっていた。
「ウイングガンダムリベロじゃ三対一はキツいし、これがちょうど多対一に対応してるんだよねー」
「チートだろそれ!? 」
「さあ!かかってきてなさい! 」
こうして、俺達は永遠とハルカゼと対戦することになり、翌日俺達三人は筋肉痛に悩まされたとさ。
ーーー--
「午後一時に来るらしいから、それまでに作戦とか色々考えておくようにね~。あ、後戦艦は僕が用意したから。アークエンジェルだけどね」
試合当日。俺達は十一時半に部室へと集まり、ハルカゼはアークエンジェルを部室にズシンと置いた後、すぐにその場を後にした。
「んで、セシリアのガンプラはどうなったんだ? 」
「一応完成はしたわよ」
「ウン……コレがワタシだけのガンプラ…………ブラウドライツガンダム」
セシリアの手の平、には青と白で塗装されたガンプラが立っていた。リボーンズガンダムをベースに改造されており、頭部のアンテナを延長して曲げて龍の髭を象っており、バックパックの大型GNフィンファング四基は形を大きく変更され、龍の頭身と化し開閉式に変更されている。バックパックの中心のGNバーニア部分も龍の頭身を形作っている。
リボーンズガンダムの肩にも龍の頭身が追加され、口内にはGNバーニアが仕込まれていた。両腕の側面にはビームサーベルを発生装置が装備され、GNバスターライフルの砲頭にも龍の頭身が形作られており、GNシールドはダブルオークアンタの物に変更されている。
リアアーマーには十枚、サイドアーマーには十二枚の計二十二枚龍の鱗を用いた物が装備されていた。
「いくらアマネが手伝ったとしても、これはすげぇな。てか完全に龍だよな? 」
「セシリアさんのスケッチを見たら、一目で作るのが大変だって分かったわ…………。殆ど私が作ったのよ? 」
「俺も出来る限りやったけど、アマネと比べたら全然だよ」
「テツダってくれてアリガトウね。マヒル、セーヤ」
「グハァッ!! 」
「部長はほっとくとして、どういたしましてセシリアさん。それじゃあ、今日は早速デビュー戦よ」
「ウン…………ガンバる」
「そーいえば、これで晴れて完全にチームとして成立したというわけだが、チーム名はどーすんだ? 」
………………考えてなかったな。
「チーム名なら私が考えているわ」
「おっ?なんだなんだ?言ってみろよアマネ」
「チーム名は、【アスタリスクホープ】よ。アスタリスクは六角形というモチーフもあり、ちょうど私達も六人。これ以上適したものがないと思って考えたわ」
「ホープはなんだよ? 」
「それは前のチーム名の一部を流用したのよ」
「アスタリスクホープ…………イイ………」
「まっ、他に案とかねぇし、考えるのもめんどくせぇしな。それでいいか」
「気に入ってくれて良かったわ。それじゃあ作戦やフォーメーションについて話し合いましょう」
ーーー--
「一時になったし、そろそろ対戦相手が来る頃だな」
「ハルカゼコーチが迎えに行ったらしーし、俺達も対戦の準備とかしてよーぜ」
「っと、そうこうしている内に来たわね」
部室の扉が開かれると、ハルカゼと男三人組の大人が入ってきた。
「さて、じゃあまず自己紹介から。右から馬鹿と良い子と元気な子。馬鹿は弟のクオンで、良い子はトオサカ リンヤ君で、元気な子はサトウ ジュンイチ君」
「馬鹿ってなんだゴラ!? 」
「お前以外誰がいるってんだよクオン! 」
「まあ確かに馬鹿ではあるね」
クオンと言われる男がハルカゼに向けて怒鳴ると、他の二人は馬鹿であるということを肯定した。
「じゃあ次はこっち。カグラ レイ君にアマネ マヒルさん。ヒメラギ トウヤ君にセシリア リートさん。アキザワ セイヤくんにクズリュウ サクラさん」
「今日はよろしく。天之川学園ガンプラバトルの皆」
「まあ胸を貸してやるからドーンとこい! 」
「ところでクソ兄貴。来たら何かくれるって言ってたが、一体なんなんだよ? 」
「ほれ飴ちゃん」
「死ね! 」
「アハハハハ。そんじゃ、早速試合を始めよっか」
ハルカゼはクオンをなだめた後、全員を連れてバトルシステムへと案内する。
「対戦方式は三対三で勝負してもらうよ。艦隊戦は人数がある分、より仲間との連携が重要になっていく。だから、まずは基本の三対三方式で連携に慣れてもらうよ」
「じゃあアークエンジェルを持ってきた理由はなんなんですか? 」
「え?来週に使う予定なんだけど、運ぶのが大変だから早めに運ぼっかな~って」
「結局楽してぇだけかよ」
「それよりも三対三方式でやるなら誰が戦うのよ? 」
「じゃあワタシがタタカう。ハヤくウゴかしてミタい」
「それでは私も戦おう」
「じゃあ残り一人は俺かカグラって訳か」
「どうする?なんならお前が戦ってもいいんだぞ? 」
「いーや!俺は最初は見学させてもらうわ。お前はお前でちゃんと戦ってこいよ? 」
ヒメラギは頭の後ろに手を持っていき、近くの椅子に座り込んだ。
「じゃあ俺か…………」
「そっちも決まったみたいだね。じゃあ早速始めるよ」
『GUNPLA BATTLE combat mode』
『Startup』
『Model Damage level Set to C』
『Please Set Your GPベース』
『Beginning plavsky particle 』
『Dispersal』
『Field 1 space』
フィールドは、宇宙だ。
『Please Set Your GUNPLA』
『BATTLE START』
「カグラ レイ!アルケオニスガンダム!やるぞ!! 」
「クズry………………サクラ!ティグリスガンダム!出る!! 」
「セシリア リート…………ブラウドライツガンダム…………イキます! 」
宇宙空間に計六機の機体が飛び出した。相手の機体は遠くてまだ把握できないが、二機が物凄い速度で接近していることだけが分かった。
「フォーメーションはどうするんだ? 」
「まずはセシリアちゃんの機体の性能を把握しときたい。先行は頼めるか? 」
「ウン…………マカせて」
セシリアが返事をすると、ブラウドライツガンダムも二機に対して突っ込んでいった。その後続に、スザクモードに変形したアルケオニスガンダムとティグリスガンダムが続く。
接近していくと、あっという間に相手の機体が把握出来るまでの距離まで縮められた。相手はダブルオークアンタ フルセイバーに、左腕にはガンダムエクシアRⅢのGNロングライフルを装備し、ふくらはぎにはGNカタールが二本装備されていた。
もう一機は、ガンダムAGE-2ダークハウンドにABCマントを装備した機体だった。
ストライダー形態のガンダムAGE-2ダークハウンドの上にダブルオークアンタフルセイバーが乗っており、ドッズガンにビームバルカン、それとダブルオークアンタフルセイバーのGNソードVとGNロングライフルとGNビームガンを俺達三機に向けて攻撃してきた。
アルケオニスガンダムは相手の攻撃をくぐり抜け、ティグリスガンダムはシールドで受けながら回避行動を取っている。
「プロテクトフィールド…………」
セシリアがそう呟くとブラウドライツガンダムは青い粒子膜に包まれ、相手の攻撃を防いでいた。
『ならコイツで突き破るぜ! 』
ガンダムAGE-2ダークハウンドがMS形態に変形し、ダブルオークアンタフルセイバーの足裏に足を乗せ、ダブルオークアンタフルセイバーが蹴り飛ばした反動を利用して、高速でブラウドライツガンダムにドッズランサーを突き出した。
「ライトセイバー…………」
ブラウドライツガンダムがGNバスターキャノンを逆側に折り畳み、右腕からビームサーベルを発生させてドッズランサーを弾こうとする。
しかし相手は勢いに乗っている為弾き切れず、そのまま右肩の龍の頭身を貫いていった。
「くそっ! 」
バスターライフル改でガンダムAGE-2ダークハウンドに照準を合わせようとすると、ダブルオークアンタフルセイバーのGNソードVによりバスターライフル改を切断されてしまった。
『やらせるわけないだろ! 』
「このっ! 」
シールドからビームサーベルを抜刀し、ダブルオークアンタフルセイバーに向けて降り下ろす。ダブルオークアンタフルセイバーはGNソードVで受け止め、そのままつばぜり合いをする。
別のところでは、ティグリスガンダムがブラウドライツガンダムの援護に回り、ガンダムAGE-2ダークハウンドと戦闘していた。
「ちぃっ! 」
「バスターキャノン…………! 」
『ほっと!! 』
ドッズライフル二丁とGNバスターキャノンでガンダムAGE-2ダークハウンドに攻撃するが、ストライダー形態に変形して回避され、大きく旋回してティグリスガンダムに突貫する。シールドでガンダムAGE-2ダークハウンドを受け止めるも、ハイパーブースト機能を作動させられ、そのままシールドごと押し出されていく。
「ぐっ………!今のうちに攻撃をするんだ! 」
「ワカッタ…………」
ブラウドライツガンダムがGNバスターキャノンをガンダムAGE-2ダークハウンドに攻撃しようとした途端、どこからかビームが放たれており、GNバスターキャノンが破壊された。
『いけっ!ファンネル!! 』
Hi-νガンダムの各部にユニコーンガンダム(覚醒)のサイコフレームを移植しつつも、原型を保っているHi-νガンダムが、フィンファンネルを六基射出して攻撃をし出してきた。
『遅せーぞリンヤ! 』
『二人が早すぎるんだってば!流石にハイパーブーストには追いつかないよ! 』
ティグリスガンダムはガンダムAGE-2ダークハウンドから逃れる為に貫通しかけたシールドを蹴り飛ばし、ガンダムAGE-2ダークハウンドから距離を取る。しかしすぐにHi-νガンダムのフィンファンネルの攻撃を直撃してしまい、右腕と左足を破壊されてしまった。
「ライトセイバー…………! 」
ブラウドライツガンダムは右腕からビームサーベルを発生させてHi-νガンダムに接近していくも、ビームライフルとフィンファンネル三基で迎撃してくる。
「ディレイ…………」
サイドアーマーから鱗が一枚抜けてブラウドライツガンダムの前にパージされると、鱗から粒子が放出された。機体を回転させて鱗を足場にし、起動を変える。それを数回繰り返し、Hi-νガンダムの攻撃をくぐり抜けて右腕のビームサーベルを降り下ろす。
『後ろががら空きだぜ! 』
ブラウドライツガンダムの背後から、GNソードⅣ フルセイバーを構えたダブルオークアンタフルセイバーが飛び出してきた。
「!? 」
「やらせるかっ!! 」
ダブルオークアンタフルセイバーの背後から、左腕と頭部、それに左翼を失ったアルケオニスガンダムが刀を構えて勢いよく降り下ろした。
しかし刀はダブルオークアンタフルセイバーに当たることはなく、逆にアルケオニスガンダムが吹き飛ばされていた。
『甘いぜ! 』
アルケオニスガンダムがいたであろうその場所には、代わりにガンダムAGE-2ダークハウンドがドッズランサーを構えて立っていた。
ティグリスガンダムはガンダムAGE-2ダークハウンドにより撃破され、ブラウドライツガンダムはダブルオークアンタフルセイバーにより真っ二つにされた。
アルケオニスガンダムは今の攻撃により機体が動かなくなり、バトル終了のアナウンスがなった。
ーーー--
「イエーイ! 」
「エーイ! 」
「あーはいはい」
三人はバトルが終了すると、三人でハイタッチをしていた。
「アハハハハ。ボロ負けだね」
「うるせぇよ! 」
「マタまけチャッタ…………」
「これが連携か………」
「そうだよ、これが連携…………チーム戦術だよ。三人共、マンツーマンで相手を倒そうとするからいけないんだよ。
いちば模型店の時はセイヤ君の指示もあり、なおかつ僕もうまく立ち回れたからどうにかなったものの、これじゃあ大会では勝てないよ? 」
「じゃあどうしろってんだよ? 」
「簡単だよ。時間はまだある。チーム戦術を徹底的に叩き込むんだよ。自分達に合う、なおかつ一番の戦術を慣れるまで何度でもね。というわけでクオン、リンヤ君、ジュンイチ君。頼んだよ」
「ちゃんと飴以外のを用意しろよ? 」
「分かりました」
「了解です! 」
「後、三人の強さが大人げないので、次からは交代制じゃなくヒメラギ君もそのまま参戦の四対三ね。アマネさんもセイヤ君も助言とかしていいから」
「「「そこまでやる!? 」」」
「アハハハハ。さあレッツゴー」
その後、俺達は遅くまで試合を繰り返すも片手で数えられる位しか勝利が出来なかった。
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