ブーナッド

「私は選んだわよ」
「いい色選んだわね」
「こういうの選ぶセンスには自信があるのよ」
「そうなのね」
「そう、それじゃあソニアもね」
「選べっていうのね」
「好きなの選びなさい」
　こう妹に言った。
「お金はあるから」
「それじゃあ」
　ソニアは姉の言葉を受けてだ、そして。
　姉とおなじブラウスにだった、スカートと。
　エプロンは雪の結晶のハーデンガー、それにだった。
　ボティスは黒地に白で星の刺繍、その柄のものを選んだ。全て選ぶとだった。
　ブルジットはあらためてだ、妹に言った。
「一緒に試着室に入って」
「それでなのね」
「ブーナッドの暖かい着方教えてあげるわ」
「姉妹で一緒に入るのね」
　そのことにだ、ソニアは覚えたての怪しい知識を感じたが。
　姉はその妹にだ、すぐに返した。
「そういうことはないわよ」
「ないの」
「変な漫画じゃないから」
「姉妹でっていうのは」
「というか妹にそうした感情持つ姉ってね」
「実際はなのね」
「いないわよ、じゃあ今から教えてあげるわね」
　話をノーマルに戻してだ、そしてだった。　
　姉妹で試着室に入った、そのうえで。
　カーテンを閉めてからだ、まずは二人で下着姿になった。ソニアはまだ大人しいデザインの白のブラとショーツだったが。
　ブルジットはショッキングピンクのきわどいデザインのブラとショーツだった、しかも脚は下着と同じ色のガーターストッキングだ。
　その姉の格好を見てだ、妹は呆然として言った。
「姉さん凄い格好ね」
「下着が？」
「ええ、ピンクの色も派手で」
「ガーターもっていうのね」
「それが大人の格好？」
「まあそうね」
「大学生になったらそんな格好するの」
　しみじみとして言った妹だった。
「そうなるの」
「私はそうだけれど」
「ううん、下着のデザインも凄いし」
「ガーターが特によね」
「私びっくりしたわよ」
「けれどこのガーターはね」
　脚をつま先から太腿の付け根近くまで覆っているそれはというのだ。
「結構暖かいのよ」
「そうなの」
「それにこれが一番下で」
「その上からなのね」
「こうしていくのよ」
　ブルジットはまずだった。
　上に長袖の薄いシャツを着た、それから。
　半ズボン型のインナーも穿いた、ここで妹に言うことは。
「ショーツはガーターの上から穿くのよ」
「その止める部分の」
「そう、下には穿かないの」
「脱げないからなのね」
「だからよ」
　まさにそれが理由だった。
「そうして穿くのよ、いいわね」
「ええ、わかったわ」
「それでね」
　そのシャツとインナーをだ、身に着けてだった。
　さらにだ、その上からだった。
　ブルジットはさらにシャツを着てだった、タイツをはいた。そして。
　靴下も履いてだ、そこからだった。
　肝心のブーナッドを着た、そのうえで。髪を右手でかき分けてから妹に言った。