なんだかんだ言ってるけど結局の所、大天使様も〇〇なんだよね
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王都遊覧
「天籍って...?」
至極もっともな質問をした。
「はい!天籍とは天界に籍を置く事...すなわち、天界に住む事の出来る事です!天界には王や天使が居ますが、その人達の任命により天籍に加わる事が出来ます!しかし、稀にこの世界に必要な人間は天籍に自動加名してるんです!天界の長、我らの主上はこの世界をお造りになられた時、その様に作ったのです。天籍になると不老長寿となります。外見は25歳までは成長しますが...そして、直也様が天籍である事が分かるのは、私と話しているからです!」
ん?ミサと話している事が天籍である証拠なのか?不老長寿...か...
「話してることがか?」
「はい!天籍の者はどんな言語も理解、そして話す事が出来ます。本人は気づきませんが。」
って事は、自動通訳的な事をしているのか?よくわからん。不老長寿と言っても条件があるんだろうな。
「よくわからんが、天籍についてはある程度理解したと思う。しかし、不老長寿と言うのは首が切れたりしてもか?」
首が切れたり、心臓が止まったりすると生命学的には死んでいる事になる。
「致命傷を負うと死んでしまいます。でも、普通の傷などはとても治癒速度が早まります。因みに飲まず食わずで監禁されても10年は死にません!」
さらっと恐ろしい事を......飲まず食わずとか、ナチスの見せしめくらいだぞ。大概水はもらえるものだが...
「それよりミサ、ここは森の様だし...そろそろ移動しないか?腹も空いたし。」腹が鳴ったので少々恥ずかしい。
「はい!では、ペリアの首都へ参りましょう!天界まで行っても良いのですが、まずは下界も見ておくべきです!」
と言うといきなりガシッ、と俺の両腕をミサの両腕で後ろから掴んできた。全く...少しは自覚しろ...こんなことされたら逆らえないじゃないか...背中に胸が当たっているのだから...
「...ってわぁ!?」
いきなり身体が上昇したかと思うとすごいスピードで飛び始めたではないか。体感だが200kmはあるぞ。
「ふふん!私は天使だから羽があるのだ〜!なんちゃって。直也様、ほら、あれがペリアの王都、オーディンです。」
なかなか立派な都市じゃないか!中世の建物だが、城壁は街を全て囲んでいて、大きな川も2本流れている...おまけに治水技術はかなり高い様に見える。戦国の世にこんな城があれば正に難攻不落だろう。
「この都市は、クライヤ大陸の要所、通行の中心にあります。下界最大の港と山脈、そしてその中に平野があり、山脈を超えるにはこの平野を通るのが一番安全なのです。だから、オーディンは大陸一、栄えた都市になることができたのです!」
なんか先生みたいにおしえられてしまった。
「あの空に浮かんでるのはもしかして飛行船なのか?」
長細い風船の様な物が浮かんでいるので聞いてみると
「ふふふ。飛行船ですか〜。面白い名前ですね。でも、あの子実は生き物なんですよね。軟体生物が体内に浮袋を作って、体内ガスを使って浮いてるんですよ!人も乗れますよっ!」
軟体生物!?あれが?そう言われてみると見えない事もないが何だろう?ちょっと信じられない。
「...気になりますか?御飯食べたら乗りましょうよ!夫婦で!」
「お、おぅ...って夫婦じゃない!」
危ない危ない、作戦に乗せられるとこだった。
「mho!いーじゃないですか!今日はここにします!」
そこには木像建築だが日本のではなく朱色で統一した中華な感じの建物が建っていた。
「ペ...ペリア...郷土料理...ん!?」
これも天籍の御利益なのか?知らん字が読める...
「読めるんですよ〜!ペリアの郷土料理はニンニクなどの香辛料を多く使った、ちょい辛な料理なんですよね!」
と言うと何やら注文して、すぐ料理が運ばれて来た。
「.........」
「どうしました?美味しいですよ。ほら、ア〜ン。」
そこには中華料理の様なものが並んでいた。いや、中華が。どんどん運ばれてくる。まるでパーティの様に。
「...自分で食えるよっ!......!?」
うまい!確かにうまい!辛さもしつこくないし、舌に自然と絡んでくる。
「美味しいですよね!私ここ、好きなんですよね!」
そして、二人で話しながら山盛りの料理全てを平らげてしまった。恐るべしミサの胃袋。
「...ふぅ、美味かった。ごちそうさま。」
一応感謝は示しておく
「美味しいのは当然です!私の行きつけですから!さて、そろそろ大聖堂に向かいますか!」
大聖堂?なぜそんなとこに?
「大聖堂から天籍者は天界にワープすることができるんですよ!」
......ワープか...この世界は科学が進歩してるのかしてないのか...よく分からない...
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