レインボークラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百九十八話
第二百九十八話 梨花の決意
梨花は先生に言われた日の夜も法衣を着て魔法の練習をした、だがその魔法を使いながらだった。梨花はピエールとジュリエッタに言った。
「私決めたわ」
「はい、先生とお話されていましたね」
「内容は聞いていませんが」
二匹は主の話を盗み聞きすることを避けて身を隠していたのだ。
「お話の内容の察しはつきます」
「おおよそですが」
「地割れの魔法はまだ早いってね」
梨花は使い魔達にも正直に話した。
「言われたわ」
「やはりそうですか」
「先生に言われましたか」
「大学生になった頃に使うレベルの魔法らしいわ」
その地割れの魔法はというのだ。
「そう言われたから」
「だからですね」
「その魔法はですね」
「そう、言われたから」
だからというのだ。
「もう使わないわ」
「そうされますか」
「使わにことにされましたか」
「ええ、それでね」
そのうえでともだ、梨花は二匹に話した。
「その魔法よりもね」
「他の魔法をですね」
「使っていかれますね」
「地道に私が今使える魔法をレベルアップさせていくわ」
こう言うのだった。
「ここはね」
「そうですね、ここは高位の魔法に挑戦するよりも」
「やはり今使える魔法ですね」
「その魔法を備えていきましょう」
「まずは」
「そうしていくわね」36
実際にだ、梨花はこれまで使ってきた魔法ばかり使っていた、この日は。そのうえでピエールとジュリエッタにさらに言った。
「こんな感じでやっていくわ」
「はい、これまでの魔法はです」
「どんどんよくなっています」
「使えば使うだけ」
「その分だけさらにです」
「使える魔法は使えば使う程なのね」
梨花は使いつつ確かな声で言った。
「よくなるものなのね」
「ご主人様はそうしたタイプの様ですね」
「魔女としては」
「そうみたいね、出来る魔法を堅実にレベルアップしていくわね」
微笑み言うのだった、そうして。
梨花はこの日も次の日も魔法を勉強していった。自分のあり方を見出した彼女の魔法にはもう迷いはなかった。
第二百九十八話 完
2015・12・12
ページ上へ戻る