転生とらぶる
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マブラヴ
1219話
シャドウを引き連れ門級に開いた穴からその先へと向かう。
門級の向こうにあったのは、ドリフト。
ただし分かれ道のようなものはなく、一直線に先へと続いている。
つまり、この先に俺達が求めた何かがあるのだろう。
それはマーズゼロの反応炉か、それともアトリエか……はたまたそれ以外の何かか。
ともあれ、俺はシャドウを引き連れて真っ直ぐドリフト内部を進んでいく。
背後からは戦闘音が聞こえてくるが、ムウや修羅神達が揃っていてどうにかなるとは思えない。
いや、それどころか時間が経てば経つ程にこっちの味方が増えていくんだから、有利になる事はあっても不利になる事はないだろう。
それに、本当に不利になったりしたら通信を送ってくるだろうし。
そう、シャドウミラーの機体が標準装備しているフォールド通信システム。これは今回の作戦に参加している全ての機体に対して貸し出している。
元から持っているマクロス世界は除くが。
だからこそハイヴ内部であっても普通に通信が出来る訳だ。
更に、各機体が通った道筋をニヴルヘイムの方へと常に発信しており、現在進行形でマーズゼロの地図は作られている。
まぁ、俺の場合は地図がある程度出来るよりも前にここに到着してしまったので、意味はなかったが。
……もっとも、フォールド通信システムを使用出来るのは、あくまでも何らかの機体に乗っているのが前提だ。
ネギま世界の住人のように、生身で戦っている者達の場合はどうしようもないんだが。
あ、小太郎や月詠、エヴァやフェイト辺りがハイヴの内部に突っ込んで、連絡が取れないのをいい事に好き勝手に戦ってるような様子が脳裏を過ぎる。
あいつら大丈夫だろうな? いや、BETAに殺されるなんて心配は全くしていないんだが、ドリフト内部は外と違って回避スペースが限られている以上、味方の攻撃に巻き込まれたりは……巻き込まれても普通に生き残りそうなのが怖い。
と言うか、狗族のハーフ、真祖の吸血鬼、意思を持った人形。そんな人外3人と曲がりなりにも一緒に扱われる人間の月詠って、ある意味凄いのか?
火星の息吹作戦に参加しているネギま組の中でも暴走しがちな奴等の心配をしながらドリフト内部を進んでいると、やがてそれも終わりに近づき、広い場所へと出る。
ただのホールか、それともメインホールか、アトリエか、それとも……と好奇心を抱きつつ、量産型Wが乗っているシャドウへと通信を送る。
「いいか、攻撃は俺の命令があってからだ。くれぐれも妙な真似をするなよ」
量産型Wだから、自我とでも言うべきものは存在していない。
だがそれでも一応言っておくに越した事はない。
……レモンやマリュー辺りが心配をして命令している可能性もあるし。
量産型Wの妙な行動のおかげで、何か貴重なBETAの情報が壊されたりしたらちょっと堪ったものじゃないしな。
『了解しました。アクセル代表の命令がない限り、防御に徹します』
量産型Wもしっかりと俺の言葉に頷き……そうしてニーズヘッグとシャドウはその広い場所へと出る。
「これは……」
その光景は、俺にとっても意外性が強かった。
映像モニタに映し出されているのは、何らかの台座のように見えるものと、その台座に置かれている丸い何か。
勿論その大きさはかなりでかく、少なくてもニーズヘッグやシャドウよりも巨大なのは確実だ。
まるで何らかの装置……という風に見えたのは、決して俺の気のせいってだけじゃないだろう。
だが……逆に言えば、ここにあるのはこれだけであり、他に何かがある訳では……
「いや、違うな」
視線が向けられたのは、上の方向。
そこに遙か上まで天井がない。
つまり……ここはモニュメントの真下であり、ホールではなくメインホール。
という事は、あの台座が反応炉?
俺も地球のハイヴを何度か攻略して、実際に反応炉を見た回数も多い。
それこそマブラヴ世界の中では俺以上に動いている反応炉を見た者はいないと思える程に反応炉を見てきた。
だが俺が見てきた反応炉と、今俺の視線の先にある台座のようなものは明らかに違う。
これは、どういう違いだ?
勿論ここは火星で地球とは違う。
その差だと言われればそれまでだし、もしくは一定以上にフェイズが進めばこういう風になるのか。
目の前にある、恐らく反応炉……と思われる代物を見ながら迷う。
ニーズヘッグの映像モニタに映し出されている映像は、当然のようにコンピュータの中に記録されている。
つまり、この映像に関しては後日レモンやマリュー、マブラヴ世界の夕呼とかに見て貰う事が出来る訳で……科学者としての疑問とかそういうのは、そっちに任せてしまってもいいだろう。
出来ればこの反応炉と思われる存在を起動したまま手に入れる事が出来ればいいんだが……
それはそれで難しいんだよな。
反応炉を稼働したまま確保するというのは、今までにも幾度となく挑戦してみはしたのだが、結局無理だった。
その経験に沿うのであれば、この反応炉も確保するのは……
そう考えた瞬間、まるでそれが合図であったかのようなタイミングで台座の上にある丸い何かが……正確にはいつの間にかその丸い何かの上に現れていた存在が動き出す。
「退け」
量産型Wへと命令を下し、俺も又後方へとニーズヘッグを下げる。
シャドウがニーズヘッグの横へと到着するのと、玉座の上にある丸い何かの上に現れた存在が弾ける――正確には違うのだろうが、まさしくあれは弾けると表現した方がいいと思う――のは同時だった。
「明らかに反応炉とは違うな」
丸い何か――恐らくこれが反応炉だろう――から生えているその存在を見ながら呟く。
肉の棍棒とでも表現すべき姿に、目に見えなくもないような黒い球体が複数存在している。
それでいて、バラバラではなく規則的にその球体が肉の棍棒に並んでいる辺り、何らかの知性のようなものを感じる事も出来なくはない。
更に、肉の棍棒の周囲には無数の触手が存在している。
触手の先端は鋭利に尖っており、その触手が武器であるという事を示している……つまり、この肉の棍棒はこちらに対して敵意がある可能性が非常に高い。
反応炉そのものがBETAと化している? ……待て、するとつまり地球にあるハイヴでも反応炉って実はBETAだったりするのか?
それともここが火星であったり、フェイズ9のハイヴであったりする影響で、地球にあるハイヴの反応炉は違う?
これ、実は結構大きい情報なような気がするな。
この映像データは夕呼辺りが狂喜乱舞するだろう。
肉の棍棒とその周囲を揺れ動く触手を眺めながら考えていると、不意に事態が変化した。
揺れ動いていた触手のうちの何本かが、真っ直ぐこっちへと向かってきたのだ。
触手の先端が鋭利に尖っている以上、こっちと握手しようと思って触手を伸ばした……何て事はまずないだろう。
Eフィールドがある以上、このまま触手の攻撃を受けてもいいんだが。いや、わざわざそんな真似をする必要もないか。
咄嗟にそう判断し、こちらに向かってくる触手に対して頭部のビームバルカンを発射する。
こちらにとっては最低限の威力しかない武器だったが、それでも無数に発射されるビーム弾は容易く俺の方へと向かってくる触手を砕く。
ふと気になってシャドウの方へと視線を向けると、そこではいつでも俺の指示があればあの反応炉っぽい奴の正体? でもある肉の棍棒に対して攻撃可能な状態となっている。
シャドウの方に触手の攻撃がいかないのは……多分、BETAが攻撃する優先順位は俺の方が上って事なんだろう。
この辺は特に驚くに値しない。
そもそも、BETAと戦っている時には決まってニーズヘッグかニヴルヘイムが集中攻撃を受けるのだから。
BETAの攻撃性を誘発する、高度な技術をこれでもかと使っている以上、その辺は最初から織り込み済みでもある。
触手の攻撃を回避しながら、どうしたものかを考える。
幸いここに続く通路は先程俺が入って来た門級の物しかない。
そこでムウを始めとした奴等が攻撃を防いでくれている以上、こっちの援軍が来る事はあっても、BETA側の援軍が来る事はない。
まぁ、ここがメインホールである以上、もしかしたら何らかの手段でBETAを作り出す事が可能だったりはするかもしれないけど。
にしても、本当にどうしたものか。こうまで明確に敵対してくる反応炉ってのはちょっと想像出来なかった。
しょうがないので、ニヴルヘイムのマリューへと通信を繋ぐ。
『どうしたの? 門級は突破した?』
「ああ、突破した。で、その先に進んでみたら、恐らくメインホールと思しき場所に到着したんだけど……」
『言葉を濁しているって事は、何かあったのね?』
最後まで言わずともこっちの言いたい事を理解してくれる辺り、俺と長く濃い付き合いがあるだけはある。
ちなみにマリューとの通信では映像は見ていない。
さすがに無数の触手がニーズヘッグへと向かってきているのに、それを全部回避しながらマリューとの会話に専念するという真似は難しい。
まぁ、最悪バリアがあるので回避する必要は必ずしもないんだが。
それでもわざわざ触手の攻撃に当たりたくはない。
「これを見てくれ」
ニーズヘッグの映像モニタを、ニヴルヘイムの方へと流す。
すると、当然そこで見られるのはニーズヘッグへとその触手を叩きつけよう、あるいは先端の鋭利に尖っている部分で斬り裂こうとしている無数の触手の姿。
『ちょっと、何これ?』
「反応炉と思しき存在だ。見えるか? あの目玉っぽいのが何個も付いてる奴が。あれが多分この触手を操っていると思うんだが……どうしたらいいと思う?」
『そう言われてもね、さすがにこれを私の方で判断は出来ないわ。ちょっと待って。コーネリアに連絡を取るから』
その言葉の数秒後、ニーズヘッグの映像モニタにはコーネリアの姿が映し出される。
『アクセル、メインホールに到着したらしいな』
「ああ。おかげで触手の攻撃を受けまくっているけどな。それで、この触手……というか、反応炉はどうする? 攻撃してもいいのか?」
『ふむ、出来れば反応炉が動いたまま何とか入手したいところだが……それは難しいか?』
「触手を全部切断してもいいのなら、試して見る価値はあると思う。けど、ここまで敵意を剥き出しにしている反応炉だし、迂闊に入手しても自爆とかしそうじゃないか?」
BETAに自爆とかする知識があるかどうかは分からないが、それでも似たような真似をしてくるような気はする。
『ふむ、なるほど。……分かった。ならアクセルの安全が第一だ。反応炉は破壊しても構わない。ただし、出来れば原型が残っている状況にしておいてくれ。これまでと違う反応炉だけに、技術班も調べたいだろう』
「了解した」
相変わらずコーネリアは判断するのが早い。
重要な事でも、あっさりと判断する辺りはさすがと言えるだろう。
普通の指揮官だったりしたら、今までと違う反応炉と聞けば、何とかそれを確保しようとしてグダグダしていてもおかしくはない。
別にそれが駄目だという訳ではなく、寧ろそれが普通なのだ。
そういう意味で、コーネリアは決断力に優れた指揮官と言える。
ちなみに俺も決断力には自信があるが、基本的に決断する時は念動力に従って……というか、勘に従ってってのが多いから、理屈を重視する相手とは相性が悪いんだよな。
『私もそのうちそっちに行けると思うが、援軍は必要か?』
「この反応炉を倒してもいいって言うのなら、別にいらないな」
『そうか、ではゆっくりとそちらに向かうとしよう。マーズゼロ……地球圏最大のハイヴのメインホールで会うのを楽しみにしている』
そう告げ、通信が切れる。
ここまで期待されては、俺としても張り切らない訳にはいかない。
出来るだけ原型を残して反応炉を破壊して欲しいって事だったから、この触手に関しても可能な限り残しておいた方がいいだろう。
こちらに向かってあらゆる方向から攻撃を仕掛けてくる触手の攻撃をニーズヘッグ特有の素早い動きで回避しながら口を開く。
「アダマンハルパー、展開」
ニーズヘッグの右手に現れた大鎌。
それを握りながら、触手を回避する横と上下の動きから一気に前進する。
反応炉にしても、いきなりのこちらの動きに混乱したのか一瞬戸惑い……だがそれはニーズヘッグと敵対する身としては致命的なものだった。
ツインドライブとエナジーウィングによる急速な加速。
瞬時に近づいてきた反応炉に向かい……アダマンハルパーを振るう。
斬っ、という感触が機体を通して伝わってくる。
そうして台座と丸い反応炉と思しき存在は綺麗に切断され……地面へと落ちる。
こうして、マーズゼロの反応炉は破壊されて動きを止めた。
火星の息吹作戦……フェイズを幾つか飛ばしはしたが、それでも最終的にマーズゼロの攻略が完了したのだ。
「地球圏最大のフェイズ9のハイヴの反応炉なんだから、何らかの意思疎通くらい出来てもいいと思うんだけどな」
地面に崩れ落ちたそれを見ながら、シャドウミラー用の通信ではなくオープンチャンネルでの通信を開く。
「こちら、アクセル・アルマー。火星の息吹作戦の中でも最大の目的だったマーズゼロの反応炉を破壊した。繰り返す、マーズゼロの反応炉を破壊した」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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