忘れ去られし古伝
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一説目・・・
EXQUISITE CORPSE
10話
来るもの拒まず、魔神は殺し続けた。
もう何も考える事はなかった。
そしてその殺戮者の汚名は、神々を本気にさせ…
神徒を行かせる事になる。
神々に直に仕える神徒は、かなりの強さじゃ。
並大抵の魔神なら、すぐに処理されるじゃろうなあ。
だが、件の魔神は強くなり過ぎた。
いつもの蠅見たいに、殺し続けた。
うっとうしい。
何回も、何回も。
時を重ねるごとに、憎悪に拍車をかけた。
誰かが命令している。
じゃあ、そいつを殺そう。
魔神は、神そのものに会いに行く事にした。
場所や行き先などは、聞き出すのに苦労はなかった。
色々な神々の話の中、一番強い神だけを標的にする。
お前は友達はいるのか?
大神皇と呼ばれるその神は、座したまま無言だった。
魔神は持てる全てを使ったが、足元にも及ばず…
知らぬ間に、自分が半死の状態だと気付く。
はは…ブグゥアァ…
やっと…やりなウブゥグゥゥやり直せルゲブァ…
10分も経たぬうちにこの有り様。
魔神は、死と言う経験と敗北と言う経験を、同時に背負った。
次の瞬間、絶望も味わう事になる。
その強さ、惜しい。
我は殺さぬ。
ガギギィィ…うがああああ…
神の頂点に立つその存在は、魔神を1つの名も無い武具に封印し…
さらに天高く、地上へと放り投げた。
死を許さず。
話す事も許さず。
魔神が嫌いだった孤独を、悠久に繋げる為に。
魔神は、ピカピカと反射する…
綺麗な屍になった。
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