黄金バット 第八話 黄金バット対黒バット 大阪の対決
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第二章
「大阪はわし等大阪府警が守るわ」
「黄金バットでもヤクザ屋さんでもですな」
「大阪はわし等が守りますさかい」
「矢でも鉄砲でも持って来いですわ」
他のお巡りさん達も言います、こうしてでした。
すぐに果たし状が書かれて発表されました、そして。
その五月八日です、室井さんは警察官の制服で身を包んで太陽の塔の前にいました。そのうえで、です。
周りのお巡りさん達にです、こう言いました。
「ええか、手出しは無用や」
「はい、警視正がですか」
「お一人で」
「そや、やっつけたる」
そして逮捕するというのです。
「一対一、男と男の勝負や」
「ええど、お巡りさん!」
「その意気や!」
果たし状は公表されました、それで皆も知っているので勝負を観に来ている人が大勢集まってきています。
その人達からです、室井さんへのエールが来ました。
「あんたええ男やの!」
「立派やで!」
「そやろ、わしも兄貴さんみたいにやるで!」
金本監督みたいにというのです。
「大阪府警の強さ見せたるわ!」
「やったれやったれ!」
「黒バット成敗や!」
「それこそ矢でも鉄砲でも持って来い!」
「超能力でもな!」
皆お巡りさん達にエールを送ります、そして。
十二時になるとです、時計の針がその時間を示した瞬間にです。
風が起こってです、室井さんの前にです。
突如として黒バットが出て来ました、出て来たその瞬間に笑いました。
「フフフフフフフフフフフフフフフフ!」
「出て来たな黒バット!」
室井さんはその黒バットを左手でびしっと指差して言いました。
「これ以上御前の好きにはさせんで!」
「そやそや!」
「もう車壊すな!」
「ビルの窓破壊するな!」
「子供驚かせるな!」
「悪いことばかりしやがって!」
「そんなことはもう許さへんで!」
大阪の人達もこぞって言います。
「御前も今日で終わりや!」
「年貢の納め時やで!」
「刑務所で臭い飯食っとけ!」
「はよ捕まれ!」
こう口々に言います、ですが黒バットは余裕を見せて腕を組んだまま室井さんの前に立っています。そしてです。
その黒バットの身体がです、何と。
右に残像が見えたかと思うとその残像が実体化してです。黒バットが二人になりました、その二人になった黒バットを見てです。
室井さんもお巡りさん達も市民の人達もです、思わず仰天してしまいました。
「な、何や!」
「黒バットが二人になったで!」
「相手は一人やけど身体は一つか!」
「これ詐欺やろ!」
「フフフフフフフフフフフフフフ!」
黒バットは答えません、ですが二つの身体で笑うだけです。
そのうえで二体共その右手にサーベルを出してきました、そして。
室井さんに向かいます、これにはお巡りさん達も言います。
「本部長、身体二つやさかい」
「本部長お一人やとやばいでっせ」
「ここは助太刀します」
「わし等も行きますわ」
「ええ、御前等は市民の人達守っとけ」
周りにいるその人達のことを頼むというのです。
「周りの人達のな」
「ほな黒バットはですか」
「本部長お一人で、ですか」
「相手されますか」
「そや、相手が二体でも三体でもや」
それでもというのです。
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