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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。

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とある事情にて

 驚いているレイア達に、僕は何でだろうと思う。
 そこでレイアが、

「あの、魔力を注ぎさえすればあの中心となる遺跡はどうにかなるのですか?」

 問いかけにその人物は黙っていたのでとりあえず僕が話すと、

「うむ、もっとも巨大な力を持つ一定以上の人間でないといけないからな。それこそその魔道書に認められる程度の人物でなければ、力を加えても生き残れないのもあって、反応しないように設定をしたからな」
「まさか、そのためにこの本を?」
「それもあるが、この知識を使えるだけの力がまずは大前提であったからな。それにその移籍関連の事象ではなくこの世界には様々な災厄が生まれている。……まるでこの世界を元の不毛の大地にするかのように」
「そうなのですか? というか不毛な大地って……」

 そう僕が話してしまっているとレイアに服を引っ張られてしまった。
 そういえば今の会話は訳していなかった。
 なので訳して伝えると、

「そ、そんなことが……」
「良かったわねレイア。まさかここで当たりが引けるなんて」
「なるほど……く、私が選ばれなかったのにも理由があるのね」

 口々にそういった話をしている。
 僕には何故そんな話をしちるのかがわからない。
 なので困惑している僕にレイアが、

「お願いします、力を貸してください」
「え、あ、はい。そもそも一緒に旅にでて欲しいというので僕は呼ばれたのでは?」
「……それもありますし異世界の人物の力を借りればなにか違うことが出来るのではということもありました。呼んだ理由はそれらもありますし……その……呼び出した後は……」

 そこでレイアは言葉を切る。
 うつむいて何かを言うのを考え込んでいるようだ。
 どこか顔が赤くてもじもじしている。

 なんだろうと思っているとそこでリリアが、

「まあ、ソッチの方はこれからでいいじゃない、レイア。今はこれで生き残れるのを喜びましょうよ」
「え? 生き残れる?」

 その意味がわからずに聞き返すとリリアが目を瞬かせてから微笑む。

「なんだ、レイアから何も聞いていないの?」
「え? 何をですか?」
「ここに連れてこられた理由は聞いていないの?」
「力が強いし、レイアは一人旅は怖いのだそうです。後は力を使い切ったり怪我をしても、元の世界に返されるから安全ですとか?」

 それくらいの話しか聞いていなかった。 
 リリアはなるほどと頷いてから、

「たしかに全部本当の事だは。異世界人はそうだもの。じゃあレイアの事情についても“花の姫”に関する話もまるで聞いていないので」
「何かあるのですか?」

 リリアは笑みを更に深めて、そして、

「レイアは海に沈んだ古い遺跡を起動するために、その王家の血であるが故にその生命すべてを魔力へと変えて起動させることになっているの。この、世界が不毛の大地へと変化するのを止めるために」
「……それって生け贄ってことですか?」
「そう、だから手向けとして捧げられる花からとって、“花の姫”と呼ばれているの」
「! 聞いていませんよ!」
「あまりそういつたことを話したくなかったんじゃない? それで、今の話からすると貴方でも大丈夫みたいだけれど手伝ってくれる?」

 それに僕は即座に頷いたのだった。


 
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