首輪
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6部分:第六章
第六章
舌も奪われた。そのうえで絡められる。淫猥な性欲が感じられる絡みだった。それを終えてから唾液の糸で口と口をつなげたものを右手の人差し指で取ってから。そのうえで彼女に対して言ってきたのである。
「今からね」
見れば菖蒲は一糸まとわぬ姿になっていた。その豊かな胸と美しい白い肌が露わになっている。その姿で声をかけてきたのだ。
「楽しみましょう」
「楽しむの」
「この宴を」
それをだというのである。
「さあ、今から」
薫の目は虚ろなものになっていた。光すらない。そうしてその目のままふらふらと前に出る。
その服は左右から全裸の少女達に脱がされていく。そうして彼女も全裸になってだ。そのうえで菖蒲の腕の中に堕ち。快楽の中に沈むのだった。
その翌日。彼女の首にも首輪がかけられていた。そのうえで恍惚とした顔で教室の中にいた。
彼女に声をかけてきたのは菖蒲だった。今は普段の彼女の顔に戻っている。
「薫ちゃん」
「菖蒲ちゃん・・・・・・」
「今日もね」
微笑みと共に彼女に声をかけてきたのである。
「一緒に楽しもうね」
「ええ」
彼女のその言葉にこくりと頷く。
「今日も」
「どうだったかしら、昨日は」
「あんなにいいものだったの」
これが今の薫の返事だった。
「女の子同士で愛し合うことが」
「私も一昨日わかったばかりだけれど」
「それでもなのね」
「こんなにいいものだとは知らなかったわ」
「そうよね」
言葉は虚ろではあった。しかしそれでも言うのであった。
「こんなにいいものだったなんて」
「だから今日もね」
また薫を誘ってきた。
「一緒にね」
「ええ、一緒に」
「それに」
さらにであった。菖蒲はさらに言ってきたのだった。
「まだ一年生の間でこのことを知らない娘もいるから」
「そうした娘も」
「誘いましょう」
そうするというのである。
「いいわね、他のまだ知らない娘をね」
「ええ」
今度は恍惚とした顔ではなかった。微笑んで頷いた薫だった。
「それじゃあ」
「皆でお互いに愛し合うものだから」
「それが夜の儀式」
「そう、それが夜の儀式よ」
言いながらだった。薫のその手にそっと手をやってきてだ。首輪に手を添えて言ってきたのである。
「夜のね」
「ええ、じゃあ菖蒲ちゃん」
「うん、薫ちゃん」
「今夜もね」
薫の方からの言葉だった。今度は。
「今夜も楽しく」
「愛し合いましょう」
「二人でね」
薫も菖蒲のその首輪に己の手を添えた。それから彼女の頬を優しく撫でてだ。二人で言い合う。その二人の首の首輪は今となってはこのうえなくいとおしいものになっていた。
首輪 完
2010・2・7
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