戦え！！正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

「それで悪田部さんはですね」
「お風呂の後は、ですよね」
「酒池肉林ですね」
「女の子も入れた」
「そのつもりだ」
　悪田部流の酒池肉林、それを楽しむというのだ。
「そうしてくる」
「ううん、今日もなんですね」
「悪田部さんは休み知らずなんですね」
「そっちの方も」
「励まれるんですね」
「そうだ、温泉といえばだ」　
　ただ湯やその後の馳走に美酒を楽しむだけでないというのだ。
「こうしたことも楽しむ場だ」
「実はそうなんですよね」
「そっちの楽しみもありますからね」
「お風呂っていえばですから」
「必然的に」
　川端康成の温泉宿でもそうした場面が書かれている、商売ではないにしても。
「じゃあ俺達もＤＴ卒業したら」
「そっちの遊びもします」
「目指すは千人斬りです」
「そっちに励みます」
「そうするといい」
　悪田部もそれをよしとした、そして二人も彼も温泉を楽しんだ。三人は下駄をカランコロンと某ゲゲゲの鬼太郎さんの如く鳴らしながら有馬の町を歩いていたが。
　その三人とだ、西郷は擦れ違った。今回のお供は海軍衆を統率する山本と東郷だ。勿論三人共浴衣姿である。これも読者サービスだ。
　着流しを思わせる颯爽とした浴衣姿でだ、西郷は二人に言った。
「温泉はいいものでごわすな」
「全くです」
「身体も心も癒してくれます」
「ここで英気を養い」
「そしてですね」
「また仕事でごわす」
　そちらを忘れないのだった、やはり。
「明日から」
「そうですね、我々もです」
「責務を果たしていきます」
「この有馬で英気を養い」
「そうして」
「有馬のお湯に浸かりでごわす」
　そうしてというのだ。
「お酒に馳走も楽しむ」
「最高の贅沢ですね」
「まさに」
「これ以上はないまでの」
「幸せの極みです」
「この楽しみも守るでごわす」
　西郷は二人に確かな声で言った。
「その為にでごわす」
「はい、日帝衆の責を全うして」
「日本と世界を守りますね」
「必ず」
「そうしますね」
「その通りでごわす」
　まさにと答えた西郷だった。
「世界の平和は我々が守るでごわす」
「例え異星人が出て来ようとも」
「全宇宙で最も邪悪なジャビット星人であろうとも」
　実は以前から考えていた設定だ、宇宙で悪逆非道の限りを尽くすヨミウリ星系のジャイアンツ星を拠点とする悪辣な宇宙人である。
「倒します」
「人類の平和を守る為に」
「そうするでごわす、人類の中を和し」
　そしてというのだ。
「外からの驚異にも向かうでごわす」
「それが我等の望み」
「そしてその望みの為に」
「世界を守りましょう」
「是非共」
「そうするでごわす、ではでごわす」
　西郷は鹿児島の人なのでごわす口調なのだ、決して作者が鹿児島なら適当にごわす言わせてればいいだろうと安直に考えているのではない。