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魔法少女リリカルなのはINNOCENT ブレイブバトル

作者:blueocean
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DUEL2 ラグナル

 
前書き
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

去年は色々と近年に無い事が起き、衝撃的な年だった分、今年は落ち着いた年になってほしいと個人的には思ってますが、どうなる事やら……… 

 
「は、博士これは………」
「驚いたな………あのホルダー自体が持ち主を登録する物だったとは………」

機械を操作しながら話すユーリの言葉を聞き、グランツ博士が呟く。

「雅也達はホルダーにゲーム登録しようと考えていたんだね。だがこれで白紙のカードの謎も解けた」
「スタイルは何に該当するんでしょうか?」

その隣で操作しているアミタも質問した。

「分からない。武器も持っていないようだし。キリエ、悪いけど零治君に指導しながら探ってみてくれ」
「了解〜」

そう答えてキリエは機械の方へと向かう。

「さあ、どんなカード何だろうか………」

そう呟くグランツ博士の顔は子供のような無邪気な笑顔だった………











「えっと………どうなってんだこれ?」

そう呟きながらふよふよと浮いている。
ゲームの中へと入った俺だがこれからどうすればいいのか全く分からない。ラグナルの起動を確認した後、服装は白のロングコートを着た姿に変わっていて、防御の為か両腕に付いている手甲が少し重く感じる。

「とりあえずと落下する心配は無さそうだけど、どうやって飛べばいいんだろうか………?」

試しにクロールや平泳ぎをしてみるが大して進まない。

「う〜ん………」

何か指示があるのかと思いきや特に何か指示されることもなければ教えてくれる訳でも無い。こちらから通信する手段も分からないので連絡も取れない。


まさに八方塞がりであった。


「………っとごめん零治君お待たせ。………って随分くつろいでるわね………」

そして更に5分程過ぎた辺りでキリエがやって来た。ピンクの丈の短い革ジャンの様なデザインの服を着て、両手に銃を持っていた。

「いや、何か空の上で寝たら気持ち良いかなと………」

腕組みして寝ていた身体を起こし、真っ直ぐ立つ。

「平衡感覚は大丈夫そうね」
「最初は違和感あったけど暫く居たら慣れた。だけど自由自在には動けないんだよなぁ………」

如何しても空を自在に飛ぶのは出来なかった。

「それじゃあ先ずは色々試してもらいましょうか。そう言えば零治君デバイスは?」
「デバイス?」
「こう言った武器の事よ」

そう言われ手に持つ銃を見せてきた。

「私のヴァリアントザッパーもそうだけど、デバイスはただ武器としてでなく使い手であるマスターの様々なサポートをしてくれるの。貴方にもあるはずなんだけど………」

そう言われ、何か無いか探してみる。………が武器となりえそうなものは何もなかった。

強いて言えば両腕に付いている手甲くらいだ。

「………ラグナル何か無いのか?」

駄目元で先ほど『ラグナル』と名乗ったホルダーに聞いてみる。するとホルダーの中が小さく光った。

「ん?何だ?」

不思議に思い、確認してみると中の1枚のカードに絵が描かれていた。

「これは………」

そのカードを取り出し読んでみる。

「焔……?」

思わず名前を呟いてみるとカードから1本の刀が出現した。鞘は白を基調とした綺麗な鞘であり、柄は赤を基調として美しい模様が描かれている。

「でたわね、それが貴方のデバイスよ」
「俺の………デバイス………」
『初めましてマスター』
「うおっ!?喋った!!」

不意に聞こえてきた女性の声に思わず叫んでしまった。

「当然よ。出ないとサポート出来ないでしょう?」
「そ、そうか………」

確かにキリエの言う通りである。しかし物が喋るのは直ぐには慣れそうにない。

『何バカ面見せてんのよ、私のマスターになったんだからみっともない真似しないでよね!!』
「………なあキリエ、デバイスってマスターの事ディスるのか?」
「い、いえ、そんな事ないはずなんだけど………」

と苦笑いしながら話すキリエ。

『相手が女だからって手加減しようとか思わないでよ、あんたは初心者でポンコツなんだから!!』
「お前マスターの気持ちを下げてどうすんだよ………」

初めて会って早々にポンコツ扱いされたのは初めてだ。

『これくらいで折れるなら死んだほうがマシよ』
「なぁキリエ!!」
「ま、まあ使っていくうちに仲良くなっていくと思うわ。じゃあ早速始めましょ!!」

キリエに助けを求めたが、関わりたくないと言わんばかりに強引に説明を始めた。

「さてそれじゃあ今回はさきほど王様達がやっていたフリーバトルを体験していきましょう。実はブレイブデュエルには競争やドッチボールの様な競技もあるんだけど、ランキング戦はフリーバトルで戦っていくから」
「へぇ………単純に戦うだけじゃないんだ………」
「先ず貴方のスタイルを確認しておきましょうか」
「スタイル?」
「そう。人それぞれで私は広域遊撃を得意としたワイドウィング。まあ要するにある程度何でもこなせますよって感じ。レヴィは高機動を得意としたライトニング、シュテルが珍しいセイグリッド。そして王様が特殊なんだけどロード・オブ・グローリーって感じ」
「シュテルとディアだけ特別って事?」
「う~ん、だから強いって訳じゃ無いんだけど、それぞれ得意不得意はあるし………それにセイグリッドに関してはレアではあるけど徐々に使い手も増えてきてはいるわ。略すけどLOGに関してはまだ3人しかいないんだけどね」

そう説明され、焔を見る。
これが刀であるとなると十中八九近距離を中心とした戦い方になるだろう。

「まあ零治も思ったと思うけど、貴方の戦闘スタイルは近、中距離を主流としたフェンサータイプね。似てるとしたらアリサちゃん辺りかしら?それかもレヴィの様に高機動のライトニング?………まあそれは実際使ってみれば分かるわね」
「えっ?」

最後の言葉と共にキリエは俺に対して銃を向けた。

「ちょ!?」
「適当に攻撃するから何とかして防いでね〜」

と軽い言葉と共に発砲してきた。

「いや、俺まだ何も分かってないんだけど!?」

そんな俺の言葉など聞いてくれる訳もなく、無情にも発射された銃弾は真っ直ぐ俺へと向かって来る。

「ど、どうすれば………」
『何慌ててるのよ、斬り伏せなさい!!』

焔の叱咤に殆ど無意識に反応する。
柄を握り、腰を落として構える。そして銃弾が近づいた瞬間、刀を抜いた。

「おお………!!」

自分で本当にやった事が信じられないくらいスムーズに動けた。刀なんて使った事など無いのに。

「やるわね………じゃあどんどんいくわよ!!」

そう言ってキリエ今度は銃弾を連射してきた。

「いっ!?」
『落ち着きなさい!!冷静に対処すれば問題ないわ!!』

自分に向かって来る銃弾の弾幕に慌てふためいたが、焔の一喝で冷静さを取り戻せた。

(そうだ、この銃弾、弾速は遅い………)

数は多いものの、その一個一個の向かって来るスピードは思っていたよりも遅い。

『恐らく誘導弾。これくらいなら私で斬り落とせるわ!!』
「分かった」

見極めが出来るのなら幾らでもやりようはある。

鞘を腰に差し、両手で柄を握る。
未だに移動は出来ないので、大きく避けるのは難しいだろう。

「だが、喧嘩で鍛えた反射神経を舐めるなよ!!」

早速目の前に来た銃弾をさっきっと同じ様に袈裟斬りに斬り裂く。すかさず斬り上げ、直ぐに向かってきた銃弾を斬り裂いた。

「見える!!」

直ぐに再び斬れるように、小さく、鋭く刀を振るう。

「これで……ラスト!!」

そして向かって来ていた銃弾から耐え切ったのだった。

「お見事!!だけど実際の戦闘だと今みたいな誘導弾は素直に真っ直ぐ来る事なんて無いから気をつけたほうがいいわよ」
「シュテルがレヴィに放った奴か」

確かにあれが来ると全部斬るのは難しいかもしれない。

「だったらどうやって耐えればいいか。それは言わなくても分かるわよね?」
「動いて避けるって事か………」

しかしそれが1番の難関になりそうだ。まだ最初に出た場所から殆ど移動できてない。

「空を飛ぶのもイメージが大事なの。どれだけ空を飛ぶ感覚が自分に持てるか。その場で待ってるだけでじゃ勝てる戦いも勝てないしね」

確かにキリエの言う通り、このままではただの的だ。こちらからは攻撃も出来ないし絶対に勝てないだろう。

(イメージか………)

イメージが湧くとしたらやはりアニメやゲームか。しかし養子と言う特殊な立場だったため、あまりそう言ったサブカルチャーに触れた事がない。少なからず持っていたゲームはロボット物しかない。

(足や背中にバーニア………駄目だ、イメージ出来ない………)

「う〜ん、長引きそうねぇ………そんなに難しく考えなくて良いんだけど………」

そんなキリエの言葉を拾いつつ、何か良い考えはと考えて続ける。

(ここが一番地上ならなぁ………地に足が……!!!)

そんな時、俺の中に1つの案が生まれた。

「焔、聞きたいんだけど」
「何よ?」
「こんなのって出来るか………?」

俺は思いついた案が実現可能か焔に聞いてみた………









「どうだいユーリ?」
「総魔力量は他と比べて高めですが、特に突出した点はなさそうです。ランクもN+ですね」
「そうか………」

グランツ博士はそう小さく呟く。
その様子が少し残念そうにユーリには見えた。

「まあそれが普通なのかもしれない、元々試作段階の物だしね」
「残りのカードはスキルカードでしょうか?」
「恐らくね。……アミタ、零治君の情報、此方にも登録しておいてくれ」
「分かりました」

そうユーリの隣で操作するアミタに指示を出す。
しかしその時グランツ博士に1つ疑問が生まれた。

(しかしあの多いカードは本当に全て技カードなんだろうか?それにしては流石に多すぎる気が………)










「よし、それじゃあやってみるか!!」
「何か閃いたみたいね」
「ああ。実現可能みたいだから実際にやってみるよ」
「いいわ、それじゃあ実際にやって見せて」

と余裕そうに手招きするキリエ。初心者ではあるが流石に少し悔しい。

「絶対にど肝を抜かせてやる………」

そう心に決め、俺は身体を前に倒し、足を後ろに、プールのスタートで壁に張り付いているような状態になる。

「何を………」
「行くぞ!!」

そう宣言すると同時に、俺は空中にある筈のない壁を蹴り、キリエの方へ駆け出す。


「!!なるほど、空中に壁を作って進む方法か。発想はアリサちゃんをカバーしたすずかちゃんと同じね」

アリサちゃんやすずかちゃんは知らないが、俺の思いついた案は、この場を空の上だと考えない事だった。イメージが重要だと言っていたので、ここが地面だと思えばその様に移動できるのでは無いかと思ったのだ。

しかし、その考えは焔によって一蹴された。しかし………

『足場を作って、それを蹴って駆けて行くのはどうかしら?』

焔が言うのは水の中を速いスピードで移動する感覚だと説明してくれた。
それならば空を飛ぶ感覚よりも掴みやすい。

「だけどまだまだ距離は………!?」

キリエの言う通り、一回駆けるのではとても届かない。だが………

「また足場を!?」
「これなら!!」

足が着くと同時に再び蹴って加速。一気に駆けてキリエへ迫る。

「捉えた!!」

その勢いを更に増すために、回転してその勢いのままキリエへ斬りかかった。

「ぐっ………!!」

銃で受け止められてしまったものの、初めて俺の攻撃が届いた。

「おみごと………!!まさか足場を連続で展開するなんてね」
『私の手にかかれば造作も無い事よ』
「じゃあ次は実際に攻撃していくから守るなり、避けるなりして私に勝ってみなさい!!」
「ぐっ………!!」

そう言われると同時に蹴りを受け、距離を取られてしまった。

『来るわよ!!』
「遅い!!」

焔の声に反応し、前を見るとキリエが銃では無く、双剣を持ち、俺に斬り掛かってきていた。

「ぐうっ!?」

重い衝撃が俺を襲う。

「まだまだ!!」

横薙ぎに2連撃続けて攻撃してくる。

「舐めるな!!」

しかし俺はその攻撃を下がりながら冷静に避けた。

「!?やるわね!!」
「刃物相手の奴とは時々やりあってたからな!!」
「……どういう事?」
「それはまた後々に……!!」

避けた後、反撃と言わんばかりに刀を振るうが簡単に避けられてしまった。

「くそっ、やり辛い……!!」
『大振りすぎよ!!もっと鋭く振りなさい!!』
「初心者相手に無茶を……そうだ!!」

またも良い案を思いついた。

「やるわね……だけど次はこれでいくわよ!!」

そう言うと今度はキリエに負け無い位の大きさの大剣に武器が変わった。

「はあああっ!!」

先程よりも大きく勢いのある攻撃。だがモーションも大きく、先程よりも避けるのは簡単だった。

(振り抜いた後に懐に潜り込んで………)

刀を鞘に戻し、体勢を低く構える。

『!?駄目よ!!』
「えっ!?」

キリエの大剣を再び下がって避けた瞬間、斬撃が大剣から飛んできた。

「何!?」

既に懐に潜り込もうと動いてしまったが、咄嗟に鞘を前に出して受け止めたが、受け止めきれず、思いっきり吹っ飛ばされてしまった。

「よく防いだわね」

何とか攻撃を受け止められたからか、キリエが手加減してくれていたかは分からないがダメージはそれほど無い様だ。
体勢を整え、キリエを見ると大剣を自慢げに肩に担ぎ、余裕そうに構えている。

「あんなのありか………」
『相手のスキル攻撃ね』
「スキル攻撃?」
『技と言えば分かりやすいかしら?』
「あれが………」

要するにあの3人がドンパチしていた様な技の攻撃だと言う事だ。

「ちゃんと見れなかった………どういったものか分かればもっと対応出来たんだろうけど………」
『そうね………単純に飛ぶ斬撃って言う認識で良いと思うわ』
「俺にもスキルあるのか?」
『ないわ』
「そうか無いのか……………はぁ?」
『だから無いって言ったのよ』
「…………」





「はああああああああああああああああ!!!!?」






「うるさいわね………」

人生最大の大声だったかもしれない。それほど驚きが大きかった。

「どう言う事だよ!!このゲームって技とかバンバン繰り出して戦うゲームなんじゃないの!?」
『別に使えない訳じゃないわ。今使えるスキルが無いのよ』
「はぁ!?意味が分からないぞ!!」
『説明してる場合じゃないわよ。次来るわ!!』
「ちっ!!」

焔の声に咄嗟に空を蹴り、上昇する。すると直ぐ真下に巨大な横の斬撃が通り過ぎた。

『上!!』
「なっ!?」

まさか連続して攻撃してくるとは思ってもいなかった。

「ヘヴィインパクト!!」
「ぐうっ!?」

大剣による振り下ろし、刀を両手で支え、受け止めるが、それと同時に身体全体に衝撃が走った。

「がっ!?」

全身に響く衝撃が身体の隅々に襲い掛かる。痺れた様な感覚と共に、持っていた刀を落としそうになるが、何とかそこは耐えきれた。

「これで終わりよ」

そう言って大剣を下ろし、横なぎに斬ろうと構える。避けたくても全身がまだ上手く動けない。

(どうする俺………!!)

無防備の状態で素直に攻撃を受ければどうなるかは想像できるが考えたくはない。思考は巡るものの身体が言う事をきかない。

『鞘に刀を収めて前に!!』

言う事をきかない身体を一生懸命動かして何とか刀を収める。しかしそれと同時に斬撃が再び放たれた。

「間に……合え!!」

既に身体のバランス等は無視して何とか刀が収まった鞘を前に構えた。

「無駄よ、踏ん張りがきかないその状態でその斬撃に耐えられる筈はないわ!!」

キリエの言う通り、零治も同じことを考えていた。咄嗟に焔の言葉に反応して動いたものの全く信じていなかった。

(万事休すか………!!)

負けを確信して目を瞑った零治だが、思いっていた攻撃は待っていても零治には襲いかかってこなかった。

『上出来よマスター』
「何………それ………」

焔の声が聞こえ、目を開けると、前に出した鞘が赤く光り、それが鞘に吸収されるように消えていった。
それと同時に身体に力が湧いてくる。

「斬撃を………吸収した………?」
『本当なら自分の意志でやらせたかったけど、私に感謝しなさい。貴方の念願だったスキルカードよ!!』

そう言われ、ホルダーから光が発せられた。見ると中のカードの1枚が白紙では無く、絵が描かれている。

『それを決めて勝ちなさい!!』
「分かった!!」

痺れも大分取れ、動くのに支障はない。

「行くぞキリエ!!」
「!?くっ………!!」

先ほどの光景に呆気に取られていたキリエは向かってくる零治に慌て、大剣を双銃に変え、魔力弾を飛ばして止めようとした。

しかし………

「このまま突っ切る!!」

鞘で魔力弾を斬りながら突き進む。それと同時に力が増していく様に身体が軽くなる。

「この………止まって!!」
「これで………終わらせる!!」

魔力弾の雨をかいくぐり、キリエの懐に潜りこんだ。

「行くぞ!!」

鞘を腰に差し、柄を握り、体勢を低くし、抜刀出来る様に構える。

「させない!!」

戦いなれたキリエも簡単には零治に攻撃させなかった。懐に潜りこんだと同時に零治に向け、魔力弾を発射した。近距離と言うのもあり、零治は避ける事も出来ず、肩に、足に魔力弾を受けた。

「どう!?」

しかし零治は真っ向から受け、びくともしなかった。

『行け、マスター!!』
「スキルカード、葬刃!!」

それは一瞬だった。
刀を抜いたかと思えば、カチンと収まる音が響く。静寂と共に世界が止まったようにも思えたが、それもつかの間。

「きゃあああああああああああ!?」

雷光に光る一閃はキリエを斬り裂き、そのまま空へ落下させていった。

「キリエ!?」

全力で放った一撃は熟練者であったキリエでも耐えきれなかった。

「くそっ!?」

初めて使ったスキルカードでこれ程のダメージを与えられるとは思っておらず、落下していくキリエを慌ててキャッチした。

「ふぅ………間に合った」

キャッチしたキリエはくるくると目を回しており、全身ボロボロだった。

「俺の一撃がこれほど………?」
『いきなり使える様になったカードが葬刃とはね………運が良いのか悪いのか………』
「?焔どう言う事だ?」
『………それよりもいつまでそうしてるつもり?それともボロボロな女の子を見るのがマスターの趣味なのかしら?』

焔の言葉が何故か冷たく感じる。

「何を言ってるんだよ、こんな状態じゃ無闇にほおっておけるわけ………」

そこで俺は気が付いた。攻撃を受けた事でキリエの来ていた服はビリビリに破れており、所々に見える白い肌。そして着痩せしていたのか、気が付かなかったがよく見てみると結構大きい胸が………

「…………」
「あ、キリエおは……がふっ!?」

目を覚ましたキリエに挨拶をしようとしたら拳を顔に入れられ、抱き上げていたキリエを放してしまった。それと同時に画面も代わり、元の世界に戻って来た。

「終わりか………?」

機械から降り、皆を確認すると………

「「「……………」」」

何故か恐い顔をしたディア達が立ち塞がっていた。

「えっと………俺、何かした?」
「ああ、色々と聞きたい事がある。包み隠さず話してもらうよ」
「話すのは良いんだけど………何でそんなに恐いの?」
「何を言っているんです?私達は全然普通ですよ?………ただ、血沸き肉躍ると言いますか………」
「はい?」
「ボク達もレイと戦ってみたいんだ!!」

訂正、レヴィだけ凄く目をキラキラさせていた。
しかし何でそこまで熱くさせてしまったのだろうか………?

「えっ、いや、俺初心者だし、手加減は………」
「必要ないだろう。あんなスキルを使えれば我等とて危ういからな」
「いや、咄嗟に焔に使えると言われて使っただけで、正直ちゃんと使えるかどうかなんて………」

と弁明しているとそこに険しい顔のグランツ博士がやって来た。

「悪いけど、ちょっと僕も気になるんだ、戦闘する前に少し聞いてもいいかい?」

暴走気味の3人を止める為と思ったが、どうやら違った様だ。

「…………こりゃあまだまだ続きそうだな」

と呟きつつ、グランツ博士の質問に答えるのだった……… 
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