新オズの腹ペコタイガー
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第三幕その十一
「これからお昼寝するよ」
「そうなの、ライオンさんも」
「君達もどうかな。遊ぶこともいいけれど」
「お昼寝も」
「またいいものだよ」
そうだというのです。
「だからどうかな」
「お昼寝っていうけれど」
ここで恵梨香が言うことはといいますと。
「もう夜だから」
「あっ、お昼寝というか」
「早いお休みになるんじゃ」
「それもそうだね」
「だから腹ペコタイガーさんも」
「お昼寝じゃなくて」
「お風呂に入って」
寝る前にです。
「そしてお口の中も奇麗にしてね」
「寝るべきだね」
「それがいいと思うけれど」
「そうだね、確かにね」
臆病ライオンは恵梨香のその言葉に頷きました。
「じゃあちょっと彼のところに行ってね」
「寝る前にね」
「お風呂に入る様に言うよ」
「それで奇麗にしてからね」
「寝たらいいね」
「私達もこれからね」
その恵梨香達もというのです。
「寝るけれど」
「その前にお風呂に入るんだね」
「ええ、そうするわ」
「そうなんだね、けれどね」
「けれど?」
「皆昔に比べてかなりお風呂が好きになったね」
臆病ライオンはこのことに気付きました。
「ドロシーにしてもね」
「そういえばドロシーさんは昔からお風呂が好きだったけれど」
「冒険の間は水浴びをする位でね」
「そんなに入ってなかったわね」
「うん、オズの国はいつも暖かいから何時でも水浴びは出来るけれど」
「それでもよね」
「ドロシーは昔よりも奇麗好きになったよ」
はじめてオズの国に来て臆病ライオンと会った時よりもです。
「一日二回入ることもあったりする様になったし」
「それも時代の変化かしら」
「そうかもね、皆昔は今よりお風呂入ることもなかったし」
「どの国でもね」
「そこも変わったね」
「そうよね」
「けれどいいことだと思うよ」
皆が毎日お風呂に入ることはとです、臆病ライオンは微笑んで言いました。
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