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6部分:第六章


第六章

 皆彼のその格好を見て目を剥いた。そうして言うのだった。
「な、何だ!?」
「何だよその格好」
「またえらく長い学ランだな」
「しかも髪だってな」
「どうしたんだよ」
 クラスでだ。クラスメイト達がだ。
 その大輔を見て言う。彼のその超長ランにボンタン、それとリーゼントを見てだった。
 そのうえでだ。彼に対して言ったのである。
「そんな服何処にあったんだよ」
「髪はリーゼントだよな」
「けれどその学ラン何だ?」
「どんな学ランなんだよ」
「超長ランっていうんだよ」
 それだとだ。大輔は自分の席に座ってからだ。驚きを隠せない彼等に答えた。答えるその顔は妙に誇らしげでだ。その顔で答えたのである。
「これな」
「超長ランって。はじめて聞いたぞ」
「また凄い学ランだな」
「そんな学ランあったんだな」
「俺はじめて見たぜ」
「何でも昔はこれが不良の服だったらしいんだよ」
 店員に言われたこともだ。大輔は彼等に話した。
「こういうのがな」
「昔の不良ってそんなの着てたのかよ」
「で、髪はリーゼントか」
「そういうのだったんだな」
「ああ、みたいだな」
 大輔はそのリーゼントに櫛を通す。その仕草も気取ってみせている。
 そういうところまで見てだ。クラスメイト達は話すのだった。
「けれどそれでもな」
「ああ、いいな」
「いい感じだよな」
「格好いいな、結構」
「いけてるな」
 彼等もだ。今の彼のファッションを見てだ。
 そこにいいものを感じた。それでだった。
 暫くして彼等もだ。大輔と同じファッションにしてきた。丈の長い変形学生服にだ。
 髪はリーゼントやパーマだ。そのファッションにしてきたのだ。
 そしてそのうえでだ。お互いに話すのだった。
 
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