新オズの腹ペコタイガー
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第三幕その五
「それでもね」
「インドのことはですか」
「あまりこれといって知らないのよ」
「オズの国にインド系の人がいても」
「それでもね」
「そうですか」
「そう、あまりね」
どうにもというのです。
「インド系の人は少ないから」
「そうなんですか」
「確かにオズの国はアメリカが反映される国よ」
「世界中から移民が来るんですよね、アメリカは」
「だからいろいろな人がいるけれど」
それでもとです、彼はお話します。
「アフリカ系、ヒスパニック系の人に」
「アジア系の人もいますね」
「ええ、インド系もアジア系に入るけれど」
「アジア系の中でもですか」
「インド系の人はあまり多くないのよ」
「アメリカ自体に」
「そうなの」
アメリカのこともです、トロットは恵梨香にお話しました。
「その辺りジョージにもお話してみればわかるわ」
「インド系の人は少ないんですね」
「そうなの」
「それでカリーもですね」
「知っていても実はね」
「召し上がられたことはないですか」
「あまりね」
食べたことはあるにしても、というのです。
「むしろカレーライスの方が多いわ」
「日本のですね」
「そうなの、どうにもね」
「そうですか」
「ええ、じゃあ今晩は私もね」
トロットもというのでした。
「カリーを食べてみるわ」
「そうされますか」
「実はビーフカレーが好きだけれど、私」
「インドにはないですね」
「そう、本当にインド系の人は牛肉は食べないから」
このことは絶対というのです、大抵ではあっても。
「カリーだとまずないわね」
「そうですね、インドですと」
「鶏肉が主っていうし」
「じゃあチキンカレーみたいな感じですか」
「そうじゃないかしら」
「そうなんですね。あと」
ここで、です。恵梨香はこうしたことも言いました。
「カレーっていったら御飯ですけれど」
「パンに付けるよりもね」
「その御飯、お米が違いますね」
「日本とは?」
「はい、オズの国のお米は」
「カルフォルニア米ね」
ドロシーがここで言ってきました。
「それは」
「そこのお米ですか」
「ええ、日本のお米と他の国のお米は大抵違うことは知ってるわね」
「はい、皆から言われます」
外国から来た人達にです。
「日本のお米とは違うって」
「そうよね、それはアメリカも同じで」
「何かインディカ米っていうんですよね」
「そう、日本以外の国のお米ではね」
「日本のお米だけが違う感じでしたね」
「日本のお米はジャポニカ米ね」
この種類のお米だというのです。
「その種類で」
「そうですね、日本人のお米で」
「また違っているから」
「それでカレーにしても」
「御飯が違うのよ」
「テーブル掛けで出した時は」
恵梨香本人がです。
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