歌集「春雪花」
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たれそ想う
君のなかりき
わが時の
淋しさつのる
師走なりけり
誰を想っているのだろう…そう彼のことを考え続けてしまう私の時間は、ただ淋しさが募るだけで…。
そうしている間に…早いもので、もう十二月も終わりに近づいた…。
彼を想う…そんな淋しい日々はずっと続き、私は振り向いてもらえない自分に…悲歎し続けるのだろう…。
想い続け
春待月も
去りにける
涙も雪と
なりにけるかな
三月にこの町を去った彼を、ずっと想い続けて…気付けばもう今年も終わりになる…。
初雪は雨に溶け、景色は未だ秋の余韻を残しているが…それも少しすれば、きっと雪が降って白く染め上げるだろう…。
彼を想い流した私の涙も、降り積もる清い白雪のようになれば…そんな風に思い、ふと笑みを零した…。
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