転生とらぶる
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Fate/stay night
1187話
「暇だな」
居間でTVを見ながら呟く。
午前10時過ぎだと、特に興味深いニュースの類もやっていない。
ドラマの類を見ても、そもそもこれまでのストーリーが分からないし、ニュースも芸能人の結婚とか別れたとかそういうのだけだし、他には旅番組とか、通販の紹介とか、そういうのしかやってない。
ああ、でも旅番組はちょっと面白いな。……まぁ、現状でどこかに旅に行く訳にもいかないけど。
けど今日の夜に大聖杯をどうにかして聖杯戦争が終わったら、凛と綾子の2人と一緒に旅に出掛けるというのはいいかもしれない。
この季節だと温泉とかか? それともウィンタースポーツ? まぁ、その両方を満たしている旅行先なんてかなりあるだろうけど。
そんな風に思いながら、居間を見回す。
現在ここにいるのは、俺だけだ。
凛と綾子は体力を回復するために眠っている。
ああ、勿論俺達が今朝起きた部屋じゃない。
あの部屋は、現在窓を開けて空気を入れ換えている状態だ。
衛宮とセイバーと桜とイリヤの4人は道場で訓練をしている。
そっちに合流しても良かったんだが、衛宮のハーレムに混ざるのもどうかと思って遠慮しておいた。
衛宮本人にハーレムという認識があるのかどうかは分からないが。
昨夜も俺達と同じ行為をしたのかどうかも分からないし。
で、ライダーとセラ、リズの3人は何がどうなったのか気があったらしく、ガールズトークをするとか言って部屋に引き籠もっている。
イリヤ第一主義のセラが? と思ったが、どうやらイリヤに今日は自由にしていてもいいと言われているらしい。
まぁ、イリヤを好きという面ではリズもそう負けていない筈なんだが。そちらもイリヤに言い負かされたとか。
で、結局こうして俺がここで1人な訳だが……つくづく暇だ。
TVのチャンネルを適当に変えながら、空間倉庫の中から取り出した雑誌へと目を通す。
この雑誌は何度か読んだ雑誌であり、既に目新しいものがある訳でもないんだけど、それでも暇潰しには丁度いい。
……いや、どうせ暇ならあっちの方を見るか。
雑誌を空間倉庫に戻し、取り出したのは1本の剣。
その名も、カラドボルグ。
金ぴかから奪った宝具の1つだ。
何十種類という宝具を金ぴかから奪ったが、結局真名解放をする事は出来なかった。
あの後で確認した時は、結局俺が真名解放出来るのは第5次聖杯戦争……即ち、この聖杯戦争で召喚されたサーヴァントでないと駄目だったのか、という結論になったのだが……それをどうにか出来ないかと思い、こうしてカラドボルグを取り出してみた訳だ。
別に他の武器でも良かったんだが、この武器を選んだ理由はやっぱり原作だろう。
エミヤがこのカラドボルグを矢として使っていたのは、酷く印象的だった。
その威力も、バーサーカーを1度ではあっても殺すだけのものは持っていたんだから、相当だろうし。
「けど……真名解放は無理か」
カラドボルグを握りながら、溜息と共に呟く。
勿論このカラドボルグに限らず、金ぴかから奪った宝具の数々は普通の武器としても破格の性能を持っている。
それは、ランサーがゲイ・ボルクを真名解放せずに使っていたのを見れば明らかだろう。
セイバーのエクスカリバーとか。
だからこそこの武器は確かに武器としては一級品なのだが……それでも、やっぱり宝具は真名解放してこそだろう。
その後、暫くカラドボルグを真名解放しようとして魔力を通してみたりしてみたが、結局何の意味もない……いや、俺の特殊な能力を使っても真名解放出来ないというのがはっきりしたという事しか分からなかった。
「うおっ! アーク、何だよそれ!」
居間に入って来た衛宮が、俺の持っている剣を見て驚愕の声を上げる。
まぁ、属性が剣という衛宮にしてみれば、自分の属性が分かってなくても剣には興味があるんだろう。
それも、宝具となれば尚更。
「金ぴかから奪った宝具だ。まぁ、真名解放出来ないけどな」
「……へぇ。こんな宝具を大量に持ってたのか。確かにセイバーからあのサーヴァントの戦闘方法は聞いてたけど、本当に凄かったんだな」
どこか羨ましそうにこっちを見てくる衛宮。
原作だと色々な意味で金ぴかを恨むというか、倒すべき敵としてみていたと思うが、この世界だと金ぴかと衛宮の接点は殆どなかったからな。思うところはあまりないんだろう。
まぁ、そうだな。以前桜の件を解決する時には解析させなかったし、これくらいならいいか。
どのみち、これは俺が持っていても良く斬れる剣でしかないし。
「良かったら見てみるか?」
「いいのか!?」
心底嬉しそうな笑みを浮かべる衛宮。
それに頷き、カラドボルグを衛宮に手渡す。
まぁ、俺が凛に召喚されたせいで、エミヤはこの世界に存在せず、衛宮は本格的な投影を覚える事が出来なかったからな。
勿論これを渡したからって投影を覚えることはないと思うが、それでも一種の罪滅ぼしに近いものではある。
「トレース・オン。……うわっ!」
渡されたカラドボルグを解析しようとした衛宮だったが、次の瞬間には顔中に汗を浮かべて驚きの声を上げる。
「これが……宝具か」
「ああ。分かっただろ? 迂闊に宝具を解析しようとすればどうなるのか」
「そうだな。これは、とても俺の手に負えるものじゃないのは確かだ」
「シロウ、何をやって……アークエネミー? その剣は一体?」
衛宮を呼びに来たのだろう。セイバーが居間に入ってくると、衛宮から返されたカラドボルグを持った俺に驚きの視線を向ける。
これでも、随分と待遇は良くなったんだけどな。
もしも以前のままであれば、俺が衛宮に襲い掛かってると判断し、有無を言わせずエクスカリバーを振るってきただろうから。
カラドボルグをセイバーへと渡しながら口を開く。
「あの金ぴか……いや、ギルガメッシュから奪った宝具だよ」
ギルガメッシュという名前を聞き、セイバーの表情が嫌悪に歪む。
衛宮と違い、セイバーの場合は前回の聖杯戦争から因縁があるからな。
それに、ああいう男に自分のものになれとか言われてたんだから、セイバーの性格としては受け入れがたいか。
条件だけで見れば優良物件ではあっても、あの性格で全てを台無しにしている形だ。
だが嫌悪に歪んでいた顔も、カラドボルグを手にすると感嘆の表情へと変わる。
「これは……素晴らしい剣です。これ程の品はこれまで数える程しか見た事がありません」
何だかんだと、セイバーは剣が好きなんだろう。柄を握り、刀身を眺め、ゆっくりと指で触れる。
「やっぱりセイバーだけあって、剣には興味深いのか?」
「そうですね。それは否定しません。私としてもこの剣は魅力的に映ります」
そう言いながらも、セイバーはあっさりとカラドボルグを俺の方へと返してきた。
「何だ、もういいのか?」
「ええ。素晴らしい剣を見せて貰いました。確かにこの剣は宝具として相応しいかと」
セイバーの口から出た言葉は、確かに真実だったのだろう。
だがそれと同時に、カラドボルグを欲しいと思わせるような様子は見せなかった。
何だかんだと言いながらも、やっぱりセイバーにとってエクスカリバーというのが最高にして、最強の相棒なのだろう。
ぶっちゃけ、その威力はかなり強力だ。もし俺がこの世界にいなければ、大聖杯を壊すのはセイバーの役目となっていただろうし。
……まぁ、俺がいないってことはエミヤの方がここにいた訳で、そうなると凛と衛宮の関係は……と考えると若干面白くないものがあるのは事実だが。
「ですが、アークエネミー。何故カラドボルグを出していたのです?」
「……俺が他のサーヴァントの宝具の真名解放を出来るというのは知ってるよな?」
「ええ。桜を助ける時にルールブレイカーでしたか? あれを使ってましたね」
あの時道場からイリヤの魔術を使って、こっちの様子を見ていたセイバーが納得したように頷く。
「そうだ。……けど、何故か金ぴかから奪った宝具は真名解放出来なくてな。それをどうにか出来ないかと思っていた訳だ。……まぁ、結局どうやっても真名解放は出来なかったが」
「そうですか。まぁ、何らかの制限があるのは当然かもしれませんね。無条件で全てのサーヴァントの宝具の真名解放を出来るというのは、ちょっと考えられませんし」
「そんな感じだな。……それで、お前達はどうしたんだ? もう道場の方はいいのか?」
俺の口から出た言葉に、セイバーが何かを思い出したかのように衛宮の方へと視線を向ける。
「そう言えばそうでした。私は戻ってくるのが遅いシロウを呼びに来たのでした」
「ああ、悪い。じゃあ、そろそろ戻ろうか。ああ、アーク。もう少ししたら桜が昼食の用意をしに来るからな」
「ああ」
短くそれだけ言葉を交わし、衛宮はセイバーに引きずられるようにして去って行く。
にしても、暇だな。外に出るか?
そう考えるも、何となくそんな気にならない。
確か考えてみれば、以前バーサーカーとの勝負を付ける時にもこんな時間があったよな。
あの時は外に出てランサーと会ったんだったか。
カラドボルグを空間倉庫に収納し、改めてTVを眺めながらそんな事を考える。
もしかして、今ここで外に出れば誰かに会ったりするのか?
誰かって言うか……既に聖杯戦争の関係者でこの衛宮家にいない生き残りは言峰だけか。
となると、もしかして言峰と会うのか?
いや、言峰がわざわざ俺に会いに来る事はないか。
金ぴかを倒したのが俺だというのは既に知っているんだから、そうなれば自分の命が危険だというのは容易に想像出来るだろう。
となると、ここで姿を現すとは到底思えない。
そう考えた俺だったが、すぐにもう1人この衛宮家にいない聖杯戦争の関係者がいるのを思い出す。
そう、ランサーの元マスターであるバゼットだ。
ランサーにも頼まれた事だし、今から回収に行ってもいいんだが……どこにいるのか、正確な場所は分からないんだよな。
そうなると見つけ出すのに時間も掛かるだろうし、見つけたら見つけたで仮死状態のバゼットをそのままに出来る筈もなく、今夜の大聖杯の破壊も延期する可能性が出てくる。
……うん、やっぱりバゼットは聖杯戦争が終わってからだな。
「アーク先輩、お昼の準備に来たのですが……」
バゼットについて考えていると、そんな声が聞こえてくる。
声の主は桜であり、時計を見ると既に昼近い。
どうやらTVを見ながら考えごとをしていてそれなりに時間を潰したらしい。
「ああ、聞いてる。いや、そもそもこの家に関してはそっちの方が慣れてるんだから、俺を気にしなくてもいいぞ」
そう言いつつも、桜が色々な意味で俺を気にするのはしょうがないというのも分かる。
ワカメに操られていたライダーが綾子を襲ったのを助けたし、自分の心臓に巣くっていた臓硯やアンリマユとの契約も断ち切った。更には自分の姉である凛とそういう関係にもなっている。
色々な意味で、桜は俺を気にするのはしょうがない。
ただ、同時に桜は内向的な性格をしており、俺という殆ど見知らぬ男に対してどう接していいのか迷っているというのもあるんだろう。
俺がここにいると、桜にもあまりよくないか。
そう判断すると立ち上がって、台所で早速昼食の準備をしている桜へと声を掛ける。
「凛と綾子を起こしてくる」
「え? あ、はい。お願いします」
その言葉に少しほっとした様子が見られるのは……うん、まぁ、深く考えないようにしておこう。
ワカメの事もあるし。
そう判断すると、そのまま居間から出て凛と綾子が寝ている部屋へと向かう。
昨日俺達が泊まった部屋の近くにある部屋。
中からは特に話し声の類も聞こえてこない。
襖を軽くノックするも、それでも返事はない。
「開けるぞ」
一応一言そう断ってから襖を開けると、そこでは凛と綾子が並んだ布団の中でぐっすりと眠っていた。
それこそ昨夜の疲れがどれだけだったのかというのを、現している程に。
本来であれば朝食を食べた後でぐっすり寝て、起きてからまた昼食を食べるとかいうのは決して健康には良くないんだけどな。
ただ、俺との行為で消耗した体力は、ここまでしないと回復出来ないという事なんだろう。
……うん、ちょっと頑張りすぎたな。
少し……ほんの少しだけ反省しながら、眠っている凛と綾子に近づいて行く。
2人共深い眠りについているのは明らかで、こうして俺が近くにいても起きる様子は全くない。
この2人の寝顔を見る事が出来るのは、純粋に俺だけの特権だよな。
そのまま数分凛と綾子の寝顔を眺めて満足すると、やがて2人へと手を伸ばす。
「ほら、起きろ2人共。そろそろ昼食の時間だぞ」
「ん……アクセル……?」
「うーん……」
それぞれが眠そうにしながらも、すぐに目を覚ます。
これは眠りが深かったからこそ、か?
そのまま上半身を起こした2人は、少し寝ぼけた様子で俺の方へと視線を向けてくる。
「そろそろ昼食だそうだぞ。桜が作ってる」
「……うん」
「分かった」
すぐに返事をした綾子とは裏腹に、凛は相変わらず寝起きに弱いな。
そんな風に思いながら、着替え始めた2人の様子を見ていると……
「アクセル、女の着替えをじっと見ているのはマナー違反だぞ」
綾子が下着姿のまま、ジト目でこっちを見てくる。
このままここにいると色々と不味い事態になりそうだし、俺はそっと部屋を出る。
ま、こういう2人を見る事が出来るのも、俺の特権だよな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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