転生とらぶる
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Fate/stay night
1182話
言峰教会の前へと戻ると、そこは少し前までと比べるとかなり違う光景になっていた。
石畳はめくれ上がってる場所が多数あり、同時に土が剥き出しになってクレーター状になっている場所も多い。
他にも周辺に生えている木が切断されていたり、教会の屋根が破壊されていたりもする。
それでいながら、教会の地下から助け出した者達は特に怪我もないまま、きちんと集められていた。
「早かったわね。それで、向こうの方はどうだったの?」
「念話でも言ったけど、城に被害はない。それにしても、随分と派手にやったな」
俺に話し掛けてきた凜が、微かに嫌そうに眉を顰める。
「そうね。強いとは思ってたけど、まさかあそこまでとは思わなかったわ」
「……ここで逃がしたのは痛いけどな」
現在残っている敵対勢力……いや、敵対人物は既に言峰のみ。
出来ればここで倒しておきたかったというのが正直なところだ。
まさかサーヴァントが2人、綾子も入れれば3人もいて逃がすとは思わなかった。
寧ろその状態でもやられる事はないと思ったからこそ、仕掛けてきたんだろうが。
まぁ、言峰は汚染された聖杯の泥を浴びている。
心臓が既に動いていない以上、仕留めるには物理的に身体を破壊して動けなくするしかない。
一種のアンデッドに近い存在と認識した方がいいんだろう。
……人間の知能を持ったアンデッドとか、ちょっと洒落にならないけど。
しかも、あーうー言いながらヨロヨロと歩いているゾンビじゃなくて、聖堂教会の元代行者。色んな意味で洒落にならない。
一番確実に仕留める方法は、やっぱりスライムでの吸収だろう。
ただ、スライムで吸収した場合、何か悪影響が起こりそうで嫌だ。
「アーチャーを倒したのはいいけど、あいつに自由に動き回られると困るな」
「……アーチャーを倒したのですか!?」
俺と凜の話を聞いていたセイバーが、驚愕の表情で俺の方へと視線を向けてくる。
前回の聖杯戦争の件を考えれば、その辺は当然だろうけど。
「ああ。ちなみにアーチャーの真名も判明したぞ」
「その割りには、アーチャーの魂が私の小聖杯には入って来てないんだけど。桜の方は?」
「……私もです」
イリヤと桜の言葉に、俺は当然だと頷く。
「そりゃそうだろ。普通にサーヴァントを倒したんじゃなくて、魂諸共に消滅させたからな。魂がないんだから、小聖杯に入るどころじゃない。あの金ぴかの真名を考えれば、下手をすればサーヴァントとしての魂の量は普通よりも大分多かった筈だからな」
実際、原作ではサーヴァント3人分の魂とされてたんだから、イリヤにしろ、桜にしろ、金ぴかの魂が入れば人間としての機能に影響が出てくる可能性が高い。
「何よ。そんなに有名なサーヴァントだったの?」
凜の言葉に頷き、その名前を口にする。
「ギルガメッシュだ」
「っ!? 半神半人じゃない! 世界最古の王! アークエネミーもよくそんな相手に対して傷1つ負わずに倒せたわね」
「遠坂、遠坂。その答えは1つだけだ。アークだから。それで納得出来る」
「……確かに」
綾子の言葉に、凜だけじゃなくて他のメンバーまでもが同意するように頷いていた。
普段無表情のリズまでもが頷いている辺り、俺をどういう存在だと思っているのやら。
……まぁ、それを聞けば藪蛇になるのは間違いないから聞かないけど。
このままだとちょっと俺に都合が悪いので、話を逸らそう。
「それで……ここの光景に関しては、まぁ、どうでもいいけど」
「いいのか?」
反射的に突っ込んできたのは、衛宮。
ブラウニーとか呼ばれているだけあって、この辺が荒れているのが我慢出来ないのか?
「いいんだよ。もし何かあったとしても、聖堂教会とやらがどうにかしてくれるだろ。それよりも、今現在の俺達の問題は2つ……いや、3つだ」
「1つは、言峰を逃がした事でしょうか」
ライダーの言葉に頷く。
ただ、これに関しては言峰がどこに姿を現すのかというのは、大体予想が出来ている。
「多分大聖杯の所にいるか、今はいなくても姿を現すだろうな」
「確かに聖杯戦争に参加していた以上は当然かもしれないけど……逆にそんなに分かりやすい行動を取ると思う? あの綺礼よ?」
「凜の言いたい事も分かるけど、多分向こうは大聖杯の異常を俺達が既に知っていることに気が付いている……と思った方がいい。証拠の類がある訳じゃないから、単純に予想でしかないがな」
まさか原作知識ですとは言えずにそう誤魔化す。
「まぁ、聖杯戦争の監督役としてここにいた以上は、その辺の知識を持っててもおかしくはないけど……じゃあ、どうするの? 今夜にでも行く?」
「その辺は迷っている。他の問題も関わってくるし。まぁ、簡単な方から行こうか。まず、教会の地下から助けたそいつ等をどうするか、だ」
イリヤに命令されたのか、自分では殆ど身動きも出来ない者達の世話をしているセラを眺めつつ告げる。
「っ!? 確かにそれは問題ね」
俺の言いたい事に気が付いたのか、凜が苦虫を噛み潰したような表情で呟く。
人数としては10人以上いるのだから、この人数を一斉に病院に連れて行けば間違いなく騒ぎになる。
ただでさえここ最近は聖杯戦争の影響でガス漏れという扱いによって病院に運ばれる者が多くなっている。他にもライダーの結界の学校の件とか、それとついでに間桐邸の件もあって、警察とか病院が神経質になっていてもおかしくはない。
今までなら監督役の言峰が手を回していたんだろうが、その張本人が聖杯戦争に参加しており、しかも攻撃を仕掛けて撤退しているというおまけ付きだ。
この状況で、衰弱しきった奴等をどうするのかというのは非常に難しい。
「まさか、凜とか衛宮の家、アインツベルンの城に連れて行く訳にもいかないだろ?」
その3つはどれもが聖杯戦争の関係者の家だ。殆ど決着が付きかけている聖杯戦争であっても……いや、だからこそ言峰が妙な事を考えて手を出してきたりしかねない。
「そして3つめ。これは2つめに関わってくるけど、言峰が逃亡した以上、聖堂教会と魔術協会に連絡を取る必要があるんじゃないか? その衰弱した奴等をどうするかも含めて」
この聖杯戦争は、世界的に見れば片田舎だとはしても、魔術協会の名の下に行われている代物であり、同時に聖杯という代物を争う為に聖堂教会も手を出している。
冬木の聖杯が本物の聖杯じゃないというのは原作でも言峰がそう断言していたので、こっちでも間違いないと思う。
ただし、同時に聖杯の効果を持っているとも言ってたけど。
「何をするにしても、全てをこっちで勝手にやる訳にもいかないだろうし……何より聖杯戦争の後始末をやって貰う為には、奴等の手が必要だろう?」
「……確かにそれは事実ね。この人達をどうにかするにしても、向こうの手が必要なのは事実だし。ただ、呼んだからってすぐにこっちに来るとは限らないわよ? 魔術協会と聖堂教会の間で折衝をして、それからって可能性もあるし」
「その辺はこの地のセカンドオーナーである凜に期待だな。ただ、聖堂教会から派遣されている形の言峰がしでかした事を思えば、聖堂教会辺りは面子を保つ為にもなるべく早く代理を送ってくると思うけど」
原作では、hollowで言峰の娘? とかいうカレンが送られてきた。
この世界ではどうなるかは分からないが、それでも向こうに連絡をしておくのに越した事はないだろう。
「分かったわ。じゃあ、これが終わったら一旦私は自分の家に戻るわね。向こうに連絡をするにしても、衛宮君の家からするよりは私の家からした方がいいだろうし」
「しょうがないわね、凜。なら私も……」
そう言い掛けたイリヤだったが、凜はそれに対して首を横に振る。
「止めておいた方がいいわ。この聖杯はアインツベルンにとっては悲願よ。当然アインツベルンが連絡を貰えば、聖杯戦争がどんな風に進んでいるのかを確認してくるでしょう。なのに、その大聖杯をこれから破壊するというのを伝えてしまったら……ちょっと面白くない出来事になるのは間違いないわ」
そんな凜の言葉は図星だったのだろう。イリヤが言葉に詰まり、衛宮がそれに待ったを掛ける。
「イリヤ、連絡するにしても聖杯戦争が終わった後での方が良くないか? それならアインツベルンが何をしてこようとしても対応は出来るだろうし。聖杯戦争真っ只中の今の状況で手を出されるよりは、対処もしやすくなる」
へぇ。衛宮の言葉はちょっと意外だった。
てっきり衛宮の事だから、杓子定規にすぐに連絡をした方がいいとか言うのかと思ってたんだが。
何だかんだで、成長してるのかね。
「うーん……分かった。シロウの言う通りにするね。でも、じゃあこの人達はどうするの?」
自分で起き上がれないくらいに弱っている者達の方へと視線を向け、そう告げてくるイリヤ。
そうなんだよな、折角助けたんだし……ああ、そうか。ならこの手が使えるな。まぁ、言峰が言ってなければだけど。ただ、衛宮の様子を見る限りでは話は聞いてないと思われる。
なら、さり気なく……
「凜、10年前の大火災の生き残りが引き取られた場所ってのはここ以外にないのか? もしあるなら、そっちで……」
「待て」
俺が最後まで言葉を発する前に、衛宮がそう告げてくる。
俺の方へと向けられている視線は鋭く、どちらかと言えば衛宮じゃなくてアーチャーの方のエミヤの方を連想させる。
よし、俺の予想通り言峰からは聞いてなかったか。
内心でそんな風に思いながらも、何で話し掛けられたのか分からないといった風な表情で口を開く。
「どうしたんだ?」
「何でそこで10年前の大火災が出てくるんだ?」
「何でって言われてもな。そこで倒れている奴らが、その大火災の生き残りだからだが?」
「っ!? それは本当か!?」
「俺が戦った金ぴかが自慢そうに言ってたぞ。魔力を大火災の生き残りから搾り取ってるって」
その一言が表した効果は絶大だった。
衛宮の視線がセラや桜、ライダーといった者達に看病されている連中へと向けられる。
「そんな……それじゃあ……」
衛宮なら、こうなるだろうな。
ある種、自分の生き別れの兄弟姉妹的な者達と言ってもいいのだから。
「で、凜。他の生き残りの……」
「待て」
再び挟まれる衛宮の声。
ただし、今度の声はさっきとは違って決意に溢れているものだった。
「この人達の面倒は俺が見る。……いや、俺だけだとどうにも出来ないから、藤村の爺さんに連絡して収容出来る場所を用意して貰う。構わないな?」
ここもまた、普段とは違う。
いつもなら、構わないか? と聞いてくるのだが、今の構わないな? というのは、既に決めた事に対して事後承諾を求めてくる言葉。
「どこに運ぶかは迷ってたから、俺は構わないけど。……凜?」
「そうね。後で魔術協会か聖堂教会の方から人か連絡が行くと思うけど、その時は話を合わせてくれる?」
何かを考えるように尋ねる凜の言葉に、衛宮は頷きを返す。
「分かった。じゃあすぐに藤村の家に連絡を入れ……悪い、アーク。俺達を一旦家まで送ってってくれるか?」
「ああ、分かった。なら、早速移動するか、全員向こうに集まってくれ」
その言葉に従い、全員が倒れている連中の近くへと集まる。
一応この倒れている者達は扱い的には一般人なの……か? だとすれば魔法を見せるのは色々と……いや、この状況で何かちょっとした事とかを覚えているとは思えないか。
中には、明らかに精神的に錯乱しているような奴もいるし。
魔力を搾り取られる事から逃れる為の手段なのかもしれないが。
ともあれ、まさか素手でこいつらを街中まで運ぶ訳にもいかないし、藤村の家……いわゆる、ヤクザや任侠とよばれている家だったと思うけど、そこの若い衆をここに呼び寄せるのも色々と不味い。
この周辺の荒れた状況を説明出来ない的な意味で。
ただ、それを言うのならこのまま衛宮の家にこいつ等を連れて行っても、何でいきなり衛宮の家にこいつ等がいるんだって話になりそうだけど……まぁ、その辺は多分衛宮がどうにかして説明するんだろう。
とにかく、こいつ等をどうするかをこっちで説明しなくてもいいってのはありがたい。
「よし、全員近くにいるな?」
それを確認し、影のゲートを展開する。
ズブリ、と影に沈む感覚。
何人かはやっぱりあまり愉快じゃない表情を浮かべていたが、別に口に出して文句を言う程じゃない。
そして次の瞬間には、俺達の姿は衛宮家の庭へと姿を現していた。
玄関の前でも良かったんだけど、道路を歩いている通行人にこの状況を見られるのはちょっと不味いしな。
「じゃ、衛宮。俺達は一旦凜の家に帰るぞ」
「ああ」
俺の言葉に衛宮が頷くとそこに凜が言葉を挟んでくる。
「夕方くらいにはこっちに戻ってくるから、その人達の件はお願いするわね」
「勿論だ」
こうして衛宮達をその場に残し、俺と凜、綾子の3人は再び影のゲートを使って凜の家へと転移する。
「あー……疲れたな。今日は本当に色々とあったし」
「まだ、午後なんだけどね」
俺の言葉に綾子が苦笑を浮かべながらそう告げてくる。
凜はといえば、早速魔術協会や聖堂教会に連絡を取る為なのだろう。一足早く靴を脱いで電話の方へと向かって行った。
「じゃあ、取りあえず俺達はどうする?」
「どうするって言ってもな。遠坂はやる事があるけど、あたし達は何もやる事はないだろ?」
それは事実だ。
実際やるべき事があるのは凜のみで、俺達は付き添いという感じでやって来たに過ぎない。
いや、付き添いというよりは凜のサーヴァントって立場か。
「そうだな……なら取りあえず、凜の用事が終わるまではゆっくりしてるか」
「そうだな。じゃあ、あたしが紅茶を淹れるよ。遠坂だけじゃなくて、あたしの紅茶も飲んでみたいだろ?」
「……飲んでみたいけど、凜の方が美味いんだろうな」
「そう言うなよ。あたしだって頑張ってるんだから」
そう告げ、俺達も凜の後を追うようにして家の中へと向かう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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