混沌の魔術師と天空の巫女
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第7章 大魔闘演武編
伏魔殿
大魔闘演武3日目、クロッカスのある店で・・・
「お、いいモノあった。」
俺は朝早く起きたので、せっかくだから元気になったウェンディに
プレゼントを探していた。偶然、開いていた店で、リボンでもやろうと思っていた。
「(よし!)」
「「これにしよう(するか)!!!」」
「え?」
「あ?」
俺が選んだリボンに他の人もそれを選んでしまった。
その人は黒髪で白のシャツに上に黒い服を着て、ボタンを留めていない。
灰色の長いズボンをはいていた。
「・・・おいガキんちょ。こいつは俺が先に決めたんだぜ。」
「(ガキ・・・)それはこっちのセリフです。」
「んだと・・・!」
「やりますか!」
俺達は睨み合いをするのだった。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
これは譲る事は出来ない・・・!!!!
「あ・・・あの・・・」
「ああ!?」
「何ですか・・・!」
俺達に声をかけてきたのは少し小さな男の子だった。
「えっと・・・それ、僕にください・・・・・・。」
「「それはできない(ねえ)!」」
「お願いします・・・風邪をひいた・・・妹に、プレゼントしたいので・・・」
「「・・・・・・・・・。」」
「あの・・・」
「おい。」
「君。」
「「これどうぞ(やる)。」」
俺達は、このリボンのお代をこの子に差し上げよとする。
「えっと・・・。」
「・・・半分ずつでいい。」
「風邪ひいた妹にだろ?遠慮するな。」
「あ・・・ありがとうございます!」
男の子はお題を受け取り、リボンを買った。
「「・・・・・・。」」
俺達は顔を見る。
「・・・あんたも、妹さんを?」
「・・・ああ。テメエもか?」
「はい。」
「・・・・・・悪かったな。」
「こっちこそ・・・。」
「フ・・・。」
「ふふ。」
「おっと!時間がねえ!!急がねえと!!」
「俺もだ!!」
俺とその人は急いで、別のリボンを買った。
「じゃあな!!!」
「はい!!!」
俺とその人はここで別れ、俺は急いで会場へ行った。
「(名前、聞いておけばよかったな・・・・・・。)」
闘技場にて・・・
「大魔闘演武もいよいよ中盤戦、3日目に突入です。」
「今日はどんな熱いドラマを見せてくれるかね。」
「本日のゲストは魔法評議院より ラハールさんにお越しいただいております。」
「久スぶりだね。」
「よろしくお願いします。」
「ラハールさんは強行検束部隊大隊長ということですが。」
「ええ。大会中の不正は許しませんよ。」
その言葉と同時に、会場中の観客たちは大笑いする。
観客席にて・・・
「ラハールめ、俺まで付き合わせやがって。」
その中に、ドランバルトがいた。
「・・・頑張れよ・・・妖精の尻尾・・・コージ、ウェンディ。」
ドランバルトはそう言うのだった。
「3日目の競技は伏魔殿!
そして今日の3日目と明日の4日目から、参加人数は各チーム2人とします!!
うちの1人は、こちらがランダムで選びます!
そして選ばれたのは・・・彼らです!!!!」
その言葉と同時に、選ばれた人達が魔水晶ビジョンに映し出された。
「妖精の尻尾Aより、コージ・フォレトロス!!!」
「いきなり俺か・・・!」
「頑張ってお兄ちゃん!」
「ああ!!!」
「妖精の尻尾Bより、シャンディー!!!!」
「やったー!僕が出るぞ!!」
「大丈夫なのか?」
「バレなきゃいいがな・・・。」
「人魚の踵より、
週ソラで彼女にしたい魔導士2位のパープル・ユリアーヌ!!!!」
「あら、私?」
「頼んだよ、パープル!」
「任せて。」
「大鷲の尻尾より、ミーズ!!!!」
「・・・・・・。」
その男は、全身灰色の服を着て、顔は長い白髪で隠れて見えない。
「四つ首の仔犬より、ノバーリ!!」
「ワイルドー!!!」
「(あれ?あんなギルド名だったっけ・・・?)」
俺は心の中でそう思うのだった。
「青い天馬より、シン・レインハーン!!!!」
「先輩達の為に、頑張ります!!!」
「「「「「キャーーーッ♡」」」」」
「蛇姫の鱗より、ニスイ・ブレンディ!!!!」
「お、俺の出番か!!」
「頑張って、お兄ちゃん!」
「任せておけ、シェリア!!!!」
「あの人・・・!!!」
俺は驚いた。朝であった人、蛇姫の鱗の人だったんだ・・・!
「剣咬の虎より、ガルーザ・クルッカム!!!!
どうやら初参戦のようです!」
「お主の出番のようだな、ガルーザ。」
「・・・・・・はい、お嬢。」
剣咬の虎にいる女。
彼女がミエルバ。黒い目と髪で、青色の中国の服を着ている。
そして彼女の言葉で返事をした男がガルーザ。
黒いズボンを穿き、上半身裸でだが、白いフードを被っている。
「以上が選ばれた彼らです!!彼らは誰か1人をパートナーに指名してください!!」
「なら、私が出よう。」
「わかりました。」
「頑張ってエルザー!」
「2人共、ファイトです!!」
「俺を出せー!」
「落ち着けよ。」
こっちからはエルザさんが出る事となった。
「Bチームは私が出るよ。」
そう言ったのはカナであった。
「よろしくー!」
「ちょっと待て!!」
「あれ?何でカナが?」
「ミストガンはどうした?」
「いませんね。」
「ゲストに評議院がいるんじゃ、出場できないでしょ?」
「それもそうね。」
カナの言葉に納得するミラ。
「エルちゃんが出るなら、私に行かせてカグラちゃん!」
「許可しよう。」
「頼むわ、ミリアーナ。」
2人がこっちに視線を向ける。
「久しぶりね、坊や。」
「どうも・・・。」
坊やはやめてほしい・・・。
「負けないよエルちゃ~ん。」
「・・・・・・ああ。」
「(昨日の人か・・・。)」
「・・・・・・。」
「エルザさん?」
「ハッ!集中せねば!」
パァン、と頬を叩くエルザさん。
「評議院の前だ。余計な事はするなよオーブラ。」
「・・・・・・(コクン)。」
「あいつか・・・!」
ナツさん達から聞いた・・・・・・あいつがウェンディとシャルルを・・・
「(・・・ん?)」
何だ・・・何かおかしいぞ・・・あいつ・・・。
「(これは一体・・・。)」
「天馬からは僕が行こう。」
「ヒビキ先輩!!」
「「「「「「キャーーーー♡」」」」」」
「俺が行く。俺1人で、全員まとめて黒雷のチリにしてやる!」
そう言ったゲリラ風の格好をした筋肉質で大柄なこの男、名はオルガ。
「どのような競技がかもわからぬともいうのにか?」
「・・・・・・お嬢の、言う通り・・・・・・。」
「行くぜ!セムス!!」
「ワイルドー!!!」
「俺のパートナーはジュラさんか!」
「オババの命令じゃ仕方ない。」
「ウム・・・任せておけ。」
「・・・お。」
あの人が俺を見る。
「よお。」
「どうも。」
「ん?2人は知り合いか?」
「朝にな。」
「はい。」
ジュラさんの言葉にそう言うのだった。
「昨日は休暇のため失礼しました。」
俺達の前に、カボチャの着ぐるみを着た人が出てきた。
確かマスコットキャラのマトーくんだったはず。
「それではこれより、伏魔殿のルールを説明します、カボ。」
その言葉と同時に、フィールド上に不気味な城が現れた。
「これは・・・」
「すごい・・・。」
「・・・ちょっと不気味。」
出てきた城を見て、エルザさんとミリアーナさんは驚き、
パープルさんは、ちょっと苦手な表情をした。
「先輩。」
「大丈夫だよ。解析開始。」
ヒビキさんは、すぐに古文書を開いて情報を入力していった。
「邪悪なるモンスターが巣くう神殿伏魔殿!!」
「「でかっ!!」」
「「・・・・・・。」」
「モンスターが巣くうだと?」
「そういう設定ですのでカボ。ただの。」
ジュラさんの言葉ににマトー君は答える。
「この神殿の中には実質は100体モンスターがいます。」
「(実質・・・?)」
俺はその言葉に疑問を浮かべるのだった。
「・・・といっても我々の作り出した魔法具現体、
皆さんを襲うようなことはないのでご安心を。
モンスターはE、D、C、B、A、Sの6段階の強さが設定されています。
内訳はこのようになっています。」
その言葉と同時に、魔水晶ビジョンにそれぞれのレベルの数が表示される。
Dクラスが50体、Cクラスが30体、Bクラスが15体、
Aクラスが4体、Sクラスが1体となっている。
「ちなみに、Dクラスのモンスターがどのくらいの強さを持っているかといいますと。」
魔水晶ビジョンが切り替わり、神殿内と思われる場所が映し出された。
『グルルル・・・。』
そこに四つ足のモンスターがいた。
「「「「「ひえーーーっ!!」」」」」
そのモンスターの姿に観客は怯える。
そのモンスターは目の前にある石像に体当たりした。石像は一瞬で跡形もなく姿をなくした。
「こんなのやこんなのより強いのやらが100体うずまいているのが
伏魔殿ですカボ。」
マトー君の言葉に会場は静かになる。
「クラスが上がるごとに倍々に戦闘力ご上がると思ってください。
Sクラスのモンスターは聖十大魔導とはいえ、倒せる保証はない強さになっていますカボ。」
「ム。」
「おいおい、あんまりジュラさんを舐めねえほうがいいぜ!!」
マトー君にそう言われジュラさんが少し不機嫌そうな声を出し、
ニスイさんはそう言う。
「皆さんには順番に戦うモンスターの数を選択してもらいます。
これを挑戦権といいます。」
「挑戦権?」
「はいカボ。その後にぞれぞれ別々の入り口に入り、
Aの部屋とBの部屋にわけて入ります。
例えば、5体を選択すると先にAの部屋に入った人の方から
5体のモンスターが出現します。
Aの部屋に入った人がモンスターを5体中、2体倒したとしたら、
Bの方にその倒した数が出てきます。
選択したモンスターをお互いに全て撃破に成功した場合、
そのチームのポイントに撃破したモンスターの数の点が入り、
次の選手は残りの95体から挑戦権を選ぶことになります。
これを繰り返し、モンスターの数が0、
又は皆さんの魔力がなくなった時点で競技終了です。」
「実質100体っていうのは、そう言う事だったのか・・・。」
マトー君の説明に俺は納得した。
「数取りゲームみたいだね。」
「そうです。一巡した時の状況判断も大切になってきます。
しかし先ほど申し上げた通りモンスターにはランクがあります。
これは挑戦権で1体を選んでも5体を
選んでもランダムで出現する仕様になってます。」
「つまりSクラスのモンスターとぶつからない戦略が必要ということだね。」
「ランダムっていうなら、そんな戦略立てようもねえがな。」
「・・・・・・同意・・・。」
「いや、確率論と僕の古文書があればある程度の戦略が立つ。」
「さすがヒビキ先輩!!!」
「モンスターのランクに関係なく
撃破したモンスターの数でポイントが入ります。
一度神殿に入ると挑戦を終えるまで成功させるまで退出はできません。」
「神殿内でダウンしたらどうなるんだい?」
「どっちか1人倒れた場合もどうなるの?」
カナさんとシャンディーが質問をする。
「今までの自チームの番に獲得した得点はそのままに、
その順番での撃破数は0としてリタイアになります。
つまり2人が同じ数を倒さなければ、点数は入りません!」
「欲張りすぎても良くないって事ね。」
マトー君の言葉にパープルさんがそう言う。
1巡に1体じゃ遅れてしまうし、
次の順番の魔力の回復も計算しないと難しい・・・。
「(もっとも・・・Sクラスは1体とはいえ、特殊なルールになっております。)
それでは順番を決めます。誰か1人、クジを引いてください。
ちなみに、引いた人が挑戦権となります。」
マトー君の手に8本の棒の入った箱が現れた。
「私が行くが、いいか?」
「はい。」
エルザさんの言葉に俺は頷く。
「僕が行っていいー?」
「いいわよ。」
シャンディーが引くみたいだ。
「僕が引こう。」
「頼みます、先輩!!!」
青い天馬からはヒビキさんが。
「私が引くが、構わんか?」
「ああ。」
蛇姫の鱗からはジュラさんが。
「私が引いてもいい?」
「いいわ、ミリアーナ。」
人魚の踵からはミリアーナさんが。
「俺が行くぜ!」
「ワイルドー!」
四つ首の仔犬からはノバーリって人が。
「俺が引きに行くぜ。」
「・・・・・・ああ・・・。」
剣咬の虎からはオルガって人が。
「・・・・・・。」
「・・・。」
大鷲の尻尾からは・・・あの、オーブラが・・・。
「(倒したかったけど・・・この競技じゃ無理だな・・・。)」
俺は心の中でそう思うのだった。
結果は・・・
「1番か。」
エルザさんが1番を引いた。
「ラッキーだね。1番たくさん自分の順番が回ってくるよ。私達なんか8番だ。」
「ごめ~ん・・・。」
シャンディーは8番と、1番最後を引いてしまったらしい。
後は、2番が人魚の踵、3番が四つ首の仔犬、
4番が青い天馬、5番が大鷲の尻尾、
6番が剣咬の虎、7番が蛇姫の鱗となった。
「この競技、くじ運で全ての勝敗がつくと思っていたが・・・」
「くじ運で?い・・・いやどうでしょう?
戦う順番よりペース配分と状況判断の方が大切なゲームですよ。」
「・・・あ。」
俺はエルザさんが何体相手にするか、察してしまった・・・。
「いや・・・これはもはやゲームにならんな。いいな、コージ?」
「あぁ・・・はい。」
「!?」
「100体全て私達が相手する。挑戦権は、100だ。」
「「「「「「「「「「!!!??」」」」」」」」」」
エルザさんのとんでもない数の選択に会場にいる全ての人間が驚きを隠せない。
うん、わかっていたさ。
「む、無理ですよ!!2人で全滅できるようには設定されてません!!」
「構わん。コージ!!!」
「はい。」
「私はAの方へ入る。お前はBの方だ。いいな!」
「・・・はい!!!!」
エルザさんはAへ、俺はBの方へ行った。
さあ!!!100体全て倒しますよ!!!!
後書き
どうも、白鋼です!!今回新たなオリキャラを出し、設定も変えました!!
まずはオリキャラから、ニスイ!シェリアの兄という設定です。
彼の魔法などについては、いずれアレで出します!楽しみにしててください!
次にミーズですが・・・特にありません。ただの人数合わせです。
どうか、お許しを・・・・・・。
そしてガルーザ。前回で、ユキノが前に言っていたもう1人の新人です。
彼に関しても、いずれ出します。しばらくお待ちを。
次に大会の設定について、3日目から2人組にしました。
また、伏魔殿のルールも少し改良しました。いかがでしょうか?
次回は・・・ほとんどがエルザの活躍ばかりだと思います。
コージの活躍は、次の方で多く出します。
また、今月中にはできるだけ出させようと思いますが、
いつになるかはわかりません・・・。
こんな作者を、どうかお許しください。
そして次回をお楽しみください。
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