｢遅刻の理由｡｣

今朝、、、、、

…寝坊した。

起きた瞬間に寝坊を
確信するレベル。
時計なんか、、、
見なくても分かるさ。

しかし、男子足る者、
慌ててはいけない、
取り敢えず、おもむろに
煙草に火を付ける。

ケータイがチカチカと、
着信を知らせてくるが、

…放置しよう…。

しかし、
それなりに急がねば。

うんちも食べず、
朝飯も出さずに
出発だわー。


…外へ出ると、
隣の家の小さな少女が、
手を振りながら…、
近付いてくる。


「おいちゃんおちごと?」

｢お兄ちゃんだわ｡
あっ、そうだ、
パパにお話が有るんだ
ちーちゃん、パパいる?」

「ちーちゃん３さい!!」

「は?あ、そーか、
３才か、てか、
ちーちゃん、指が足りん
それはね、２才。
えと､､３才はね､､､
もうひとつ、こーして…
お、上手上手!!
あ…ちなう、
ね、ちーちゃん、
パパいる?」

「…いらなーい!!!」


…走り去ってしまった。

ちーちゃん、君は…､
パパ要らねーのか…??
…あ、戻って来た。

「おいちゃん、
きょうあそべる?」

「無理。仕事。」

「おちごとおわったら?」

「ま、まあ…」

「おいちゃん、
なにやってんの?」

「今日お仕事の、
あ、それ危な、触るな!」

「これは?」

「だめです。」

「ね、ちーちゃんがー、
ママねー?」

「え?」

「イオンにねー、
いってきましゅからね、
おするばん、ちててね?
わかりまちたか?」

「あ、はい。」

…なんか…、
始まってるみたい。


「おかえりー、
すごくこんでたわー。」

ただいま、だろ?
なんかネギ持ってるし…
…ばあちゃん所の、、、
ちぎって来たな?

「ごはんつくるー。」

「ちーちゃん、」

「ママだよ?」

「ママ、
俺仕事行くわ。」

「え?じゃあ、おいちゃん
パパね、きょうは。」

「うん。」



…なんか騙すみたいで
気が引けるが…。

トラックに乗り込んだ。

彼女なりに
…悟った様だ。
少し泣きそうな顔。


「危ないから
離れろよ。」


エンジン掛けると、、、

「むぎゅー、ちないの?」

「え?」

「パパとママは
いっつも、やるよー!」


…再び走り去った。

あら、そうですか、、、

独りでに笑いが…、
ふふふ、込み上げた。


…はっ!!!!!
って云うか、仕事ー!!!!!
笑