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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。

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もう一度追いかける

 実は手に入れた魔道書“ニートナ備忘録”は思いの外危険な魔道書であったらしい。
 異世界に来ていきなりそんな凄い魔導書を手に取ることになろうとは。
 確か、500年位持ち主を決めていないので、普通に一般の人が手に取れるような場所に……。

「普通の人が手に取れる魔導書が、まさかこんな危険なものだったとは……」

 つい呟いてしまった僕だけれどレイアは少し黙って表情を変えず、

「素晴らしい魔道書とはいえその作った人物が、優れた魔法使いであったのと彼自身がすごいものと言っていただけで……本当にそうなのか誰も確認していませんから」
「……確かに持ち主をずっと決めていなかったんだっけ」

 以前魔法図書館でそういった話を聞いたのは覚えている。
 そして誰も持ち主が現れないというのは見る人がいないということで、だから誰も確認していない。
 それでも凄い魔法使いっぽいのだけれど、そうなると危険を考えれば封印したりした方がいいんじゃないのだろうかと僕は思う。なので、

「でも危険な可能性があるなら封じたほうがいいのでは?」
「……実は少し前にこの本を作った魔法使いの魔導書を開ける人が現れまして」
「! その人はどうなったのかな?」
「……その本の中身は、料理の作り方でした」
「……」
「しかもその本を手にとったのは料理人だったので、現在、その伝説のレシピを使いお店が大繁盛しているとか」
「う、うん。良かったね……」
「ちなみに、その魔道書もまた、大いなる力が手に入ると言われていましたし本人も言っていたそうです」
「……」
「そのような前科もあったので、一般の人でも見られるような場所においておいても問題無いだろうと判断されたらしいです」
「そうですか……」

 うん、そうだねと僕は頷きつつこの魔導書を見る。
 でもこれだけ強いものを書いているのは、

「一体何のために作ったんだろうね。そんな強敵と接することになるのかな?」
「古い遺跡には危険な敵も多いらしいのでその敵と戦えるようにというのがあるのかもしれません。そもそもこの魔導書を作った魔法使いは、古い遺跡関連が得意な魔法使いであったようですから」
「古い遺跡か……」
「はい、現在には伝わっていない、もしくは使えなくなってしまった魔法技術は多々ありますから」

 その辺りを詳しく消えたらと思ったけれど、そこでエイダがかけ出した。

「そもそもここでゆっくり話している必要なんて無いのよ! 毛虫もあの“白毛玉”ももういないわ。これで私が勝利なんだからぁ!」

 と言って走りだしたエイダを見つつ僕達といえば、

「そういえばさっき倒した魔物って何か落としたりするかな?」
「私が使っている杖に使えるようなものが手に入るかもしれません。強い魔物ほど特殊な材料がてにはいりますから」
「それでエイダとの勝負のそれを手に入れるのにはもう少し奥まで行かないと駄目かな?」

 今すぐ追いかけたほうがいいのかどうかについてレイアに聞くとレイアは少し黙ってしまう。
 目的のものが近いのかもと思っているとそこでリリアが、

「じゃあ私が回収しておいてあげるから、二人で追いかければいいんじゃない?」
「ではお願いします。リリア」
「ええ。エイダのことよろしくね。あのこ結構、巻き込まれ体質だから」

 リリアがそう言って固めをつむり、僕達はエイダを追いかけ始めたのだった。




 
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