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ドリトル先生の水族館

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第十二幕その二

「何でもお話させてもらいます」
「そうしてくれますか」
「はい、それに」
「それに、ですね」
「飼育日記だけでなくです」
「他にもですか」
「資料は全て御覧になって下さい」
 ダイオウグソクムシさんに関するものをというのです。
「それを」
「そうしてくれますか」
「それが先生の学問のお役に立てるのなら」
 笑顔のままお話する係員さんでした。
「どうぞ」
「有り難うございます」
「いえいえ、先生にはいつもよくしてもらってますから」
「そうでしたか?」
「親切にお話して下さいますよね」 
 まずはこのことからお話する係員さんでした。
「それに何かと助言をして下さいますし」
「水族館のことについても」
「この水族館、いえ学園で先生にお世話になっていない人はいませんよ」 
 それこそというのです。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい、先生のお願いなら」
 それこそというのです。
「何でもです」
「有り難うございます、それでは」
「はい、今より」
 こうお話してでした、そのうえで。
 先生は係員さんから飼育日記だけでなくダイオウグソクムシさんに関する様々なデータや資料をお借りしました。
 そうしてじっくりと調べているとです、先生のところに皆が来て言ってきました。
「先生、三時だよ」
「お茶の時間だよ」
「あっ、もうなんだね」
 水族館の係員さん達の研究室の席に座って調べていた先生は皆の言葉にふとお顔を上げて応えました。
「時間が経つのは早いね」
「好きなことをしているとね」
「どうしてもそうだよね」
「あっという間に時間が過ぎるね」
「そういえば小腹が空いて」
 そして、という先生でした。
「喉が渇いてきたよ」
「お茶の時間だからね」
「だからだね」
「お茶の時間になったから」
「身体が教えてくれたんだね」
「もう完全に身に着いてるね」
 笑って答えた先生でした。
「お茶の時間がね」
「三時になるとね」
「お茶が欲しくなる」
「そしてティータイムを楽しみたくなる」
「そういうことだね」
「そうだね、じゃあ今日のティータイムは」
「麦茶だよ」
 皆笑顔で先生に言ってきました。
「それだよ」
「暑いからね」
「そしてティーセットもね」
「日本の涼しいお菓子」
「それに果物よ」
 そうしたものだというのです。
「日本の夏のティーセット」
「どうかしら」
「いいね」
 先生は麦茶とそうしたものと聞いてです、笑顔で応えました。 
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