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オズのポリクローム

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第十二幕その六

「沢山採れるし。カンサスでも作っていたわよ」
「ヘンリーおじさんとエマおばさんが」
「そうだったのよ」
「そうですか、ドロシーさんのお家はカンサスで農家をやっていて」
「ええ、お父さんとお母さんはいなかったけれど」
 それでもというのです。
「おじさんとおばさんに育ててもらっていたの」
「そしてその中で」
「ジャガイモも沢山作っていたわ」
「それで食べていたんですね」
「あの頃のジャガイモも美味しくて」
 そして、というのです。
「今もとても美味しいわ」
「そうですね、オズの国はジャガイモも美味しいです」
「幾らでも食べられるでしょ」
「はい」
「じゃあこのジャガイモとシェラスコを食べて」
「それからですね」
「雷の精霊さんのところに戻りましょう」
 是非にというのです。
「そうしましょう」
「ええ、是非ね」
 お露を飲んでいるポリクロームにも応えました。
「そしてその後は」
「王宮に戻って」
「私も暫くぶりに王宮を楽しみたいわ」
 こう考えているのです。
「是非ね」
「そうしたいのね」
「ええ、オズマにも会いたいわ」
 このこともです、ポリクロームは思うのでした。
「あの娘にも」
「そういえば貴女オズマに最近会っていなかったわね」
「だからね」 
「会いたいのね」
「そうなの、では行きましょう」 
 ポリクロームもドロシーに言いました。
「まずは雷の精霊さんのところに」
「そして王宮にも」
 こうお話してです、そしてです。
 皆はまずはです、お昼御飯を食べ終えてから飛行船に乗ってそうして雷の精霊さんのお家に向かいました。
 お家にはすぐに着いてです、そしてまた長さんのところに案内してもらってでした。長さんに玉を差し出しますと。
 長さんは目を細めさせてこう言いました。
「見付けてくれたんだ」
「ええ、この通りね」
 ドロシーが長さんに笑顔で答えました。
「見付かったわ」
「悪いね、わざわざ」
「いいのよ、こうした時はお互い様でしょ」
「だからだね」
「そう、気にしないでね」
「しかしお礼はしないとね」
 ドロシーにこう言ってもらってもです、こう返した魔法使いでした。
「いいことをしてもらったからには」
「それじゃあ」
「そう、だからね」
 それでというのです。
 長さんは皆にあるものを差し出しました、それはといいますと。
 服でした、それも精霊さん達の着ている服です。その一着の服を皆に拡げて見せてみせてから言うのでした。
「これを皆に一着ずつあげるよ」
「精霊さん達の服を」
「僕達にくれるんですか」
「玉を見付けてくれたお礼に」
「そうだよ」
 ジョージ達男の子三人にも答えるのでした。
「私からのお礼だよ」
「何か悪いです」
「そんな奇麗な服を頂くなんて」
「幾ら何でも」
「だから遠慮することはないよ」
 またこう言った長さんでした。 
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