外れない占い
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第五章
「俺もな」
「何とかなって欲しいですね」
「幸せにな、こうした時に恋人の正が出てたら」
「よかったですよね」
「そうだったんだけれどな」
だが逆が出た、それでというのだ。
「心から外れて欲しいって思ってるよ」
「切実ですね」
「今度こそだよ」
自分の占いが外れることをだ、自由は心から願っていた。そのうえで今は閉店作業をしてだった。二人で店を後にした。
それから数日後だ、二人は仕事を続けていた。そして夕方にだった。
一人の客にコインでの占いの結果とこれからどうすべきかを話してお金を受け取った自由の前にだ、その女が来た。髪をツインテールにした小柄な娘だ。
その娘が来てだ、自由に言って来た。
「あの」
「この前のことですか」
「はい」
強張った顔での返事だった。
「そうです、実は」
「実は」
「あのまま告白したんです」
「勇気を出してですか」
「そうしました」
「それでどうなったんですか?」
自由は平静を装って客である彼女に尋ねた。
「結果は」
「はい、何とです」
客は笑顔でだ、自由に答えた。
「受けてもらいました」
「告白をですか」
「そうなんです、信じられないことに」
「それは何よりですね」
ここまで聞いてだ、自由は笑顔になった。そうしてこう言ったのだった。
「おめでとうございます」
「そうですね、占い師さんがアドバイスしてくれましたよね」
「どうするか」
「はい、カードの結果は悪かったですけれど」
「まあそれは」
そう言われるとだ、自由としては。占い師としてこう言った。
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