戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第三十七話 河合中佐!ラジコンは芸術!!その九
「打ち切りもこの作品以降出番がなくてもね」
「無欲だな」
「打ち切られてもいいのかよ」
「それも天命か?」
「そうした考えか」
「そうよ、それに従うから」
だからだというのだ。
「それでいいのよ」
「そうか、まさに武士だな」
「運命を受け入れそれまでに全力を尽くす」
「日帝衆らしいな」
「本当にな」
「日帝衆は言い訳をせずそうしたことも受け入れるのよ」
打ち切りもというのだ。
「作者がそう決めたのなら仕方ないでしょ」
「その時はか」
「作者が決めたらか」
「それでいいか」
「そう、だからいいの」
瞬はまた言った。
「私としては」
「俺達は違うけれどな」
「最後の最後まであがくのが俺達なんだよ」
「どんなことでもな」
「俺達はあがくぜ」
「日帝衆も戦いは最後の最後の最後まで諦めないわよ」
さながら二次大戦中の帝国陸海軍の様にだ。アモウや硫黄島、沖縄での凄惨な死闘は戦記に残っている。
「それでもそうしたことにはあがかないの」
「作者脅してもしないのか?」
「読者に読まないと怖いぞって脅したりもか」
「そんなこともか」
「しないんだな」
「一切しないわ」
瞬は今度は二人を蔑んで見ていた。
「というかあんた達外道過ぎるでしょ」
「作者や読者脅かすのがかよ」
「そんなに悪いのかよ」
「確かにギャグ漫画ではあるわ」
読者に文句を言ったりすることもだ、ギャグ漫画ではお約束である。だが二人が次回予告で毎回言っている様なことはというのだ。
「けれど正統派ヒーローのすることじゃないわよ」
「何か嫌な話だな」
「それってな」
「俺達はこれでも必死なんだけれどな」
「自分自身のことにはな」
もっと言えば自分自身のこと『だけ』にだ。
「だから連載が最後まで全うされる為には何だってするぜ」
「書籍化、アニメ化するなら万々歳だぜ」
「この作品は最初からそれを狙ってるからな」
「そうした作品だからな」
「まあ私も打ち切りは受け入れても」
それでもとだ、瞬も本音を言った。
「嫌なのは確かだから」
「だろ?じゃあな」
「俺達は打ち切りにならない様に頑張るぜ」
「主役としてな」
「ずっと主役にいることにもな」
やはり自分自身のこと『だけ』を考えている。
「そういうことだからな」
「次回の戦いも頑張るぜ」
「で、次はな」
「青山町公園でラジコン勝負か」
「そう決まったから」
瞬は勝負のことには二人に答えた。
「勝負は三日後の日曜日だから」
「じゃあ先に伊勢で遊んで」
「それから行くか」
「今丁渡夏だしな」
「また伊勢で水着のお姉ちゃん達見るか」
もう夏になったのだ、この前は冬だったが。だが瞬は二人に冷静にこう返した。
「何言ってるの、昨日確かに海開いたけれど」
「じゃあ水着だろ」
「水着のお姉ちゃんだろ」
「今は秋よ」
季節が変わったというのだ。
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