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タパ

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第四章

「あの娘可愛いな」
「そうだよな」
「あの服よくないか?」
「あれタパっていうらしいな」
「ここの民族衣装らしいぜ」
 こうしたことが話される、そしてだった。
 何人かは店に来てだ、マケとキラに尋ねた。
「この服あるかい?」
「よかったら他のものも買いたいけれどな」
「いいな、この服」
「あったら買うよ」
「はい、ありますよ」
 キラは店に入った客達に笑顔で答えた、そしてだった。
 そのタパも他の商品も売ってだ、そのうえで。
 店が閉まった時にその売り上げを見てだ、しみじみとして言った。
「タパ着てるとね」
「そうだろ、お店の売上がな」
「違うわね」
「そうなんだよ」
 まさにというのだ。
「母さんがいてもそうだけれどな」
「私だとなのね」
「余計になんだよ」 
 タパを着たキラがお店にいると、というのだ。
「だから御前が学校のない日にずっとお店にいるとな」
「もうお店の売上が違うのね」
「だからな」
 それで、というのだ。
「御前はタパを着てだよ」
「お店にいるべきなのね」
「高校を卒業したらな」
 その時はというのだ。
「頼んだぞ、そしてな」
「やがてはなのね」
「この家にお婿さんを迎えてだ」
「そのお婿さんと二人で」
「ああ、店頼むな」
「わかったわ、ただね」
「ただ。何だ?」
「この格好をしてお店にいたら」
 着ているタパの端と端を見ながらだ、キラは父に言った。
「声をかけてくるお客さんがいるけれど」
「そういえばそうだな」
「そうした人お母さんにもいるでしょ」
「そんなのずっとだよ」
 それこそというのだ。 
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