レインボークラウン
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第二百八十話
第二百八十話 氷も
春奈は水の温度を下げて使う魔法も勉強し練習してみた、そうしているうちにだった。水の温度を冷やしていって。
相当冷たくなったところでだ、傍らにいるイーとリャンに尋ねた。
「氷になれるかしら」
「もう少しですね」
「ほんの少し混ざっています」
「混ざってる?」
「はい、ご主人様が今出されているお水の中にです」
「氷が混ざってきています」
二匹で春奈に話す。
「欠片程ですが」
「それでもです」
「確かに混ざっています」
「あと少しだと思います」
「混ざってるかしら」
そう言われてもだ、春奈は自分の出している水を見つつ首を傾げさせた。
「氷が」
「ご主人様は人の目なので」
「少し見えにくいかも知れないですね」
「ですが私達は水棲動物なので」
「お水の中のものも見えます」
人間の目以上にというのだ。
「それで見えます」
「お水の中の氷が」
「そうなのね、じゃあ少しずつね」
二匹の話を聞いてだ、春奈は笑みになってこうも言った。
「温度をさらに下げていくわね」
「はい、そうしていけば」
「完全に氷になります」
「それを使われれば」
「いいと思います」
「お水もいいけれど」
それと共にというのだ。
「氷もいいですね」
「そうですね、何かとです」
「便利だと思います」
「氷を出せる様になるわね、ただ貴方達のことを考えてね」
寒さに弱い彼等のだ。
「ここぞっていう時しか使わないわ」
「そこまでのお気遣いは無用です」
「ご主人様のよい様にされて下さい」
「そういうことはしないから」
にこりと笑ってだ、自分の使い魔達に言うのだった。
「貴方達と私はいつも一緒よね」
「ですか。有り難うございます」
「お心遣い感謝します」
「いいの、じゃあこれからも一緒にね」
「魔法の勉強をですね」
「それを」
「していきましょう」
こう言うのだった、氷が出ようとしている自分の水を見ながら。そして最後の時に彼女も水の中に氷を完全に見た。
第二百八十話 完
2015・10・10
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