ドリトル先生の水族館
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第十幕その七
「先生が知っていること以上のことは知らないよ」
「そうなんだね」
「僕も彼等がどうしてあそこまで食べないのかは」
そのことはとです、ツノモチダコさんは先生にお話しました。
「僕も知らないよ」
「何年も食べていられない理由は」
「うん、知らないよ」
実際にというのです。
「グソクムシ君達に聞いてもね」
「返事はどうだったのかな」
「食欲がないからって言われたよ」
「だから食べないんだ」
「それだけだってね」
「彼等は答えたんだね」
「そうなんだ」
こう先生にもお話するのでした。
「彼等はね」
「成程、そうなんだね」
「あまり動かないし食べないし」
「動かないと」
ここでこう言った先生でした。
「その分エネルギーを消費しないね」
「あっ、そうだね」
ツノモチダコさんもこのおkとに気付きました。
「僕も動かないとお腹減らないよ」
「そうだよね」
「そう、それはね」
「そのことはね」
それはというのです、またお話したのでした。
「誰でもだよ」
「動かないとお腹空かないね」
「それで彼等もかな」
「その分お腹空かないのかもな」
「そう考えていいかもね」
先生とツノモチダコさんはこうお話していきました、そしてでした。先生は腕を組んで考えるお顔になって言いました。
「ひょっとしたらそこに秘密があるのかな」
「グソクムシさんのだね」
「そう、食い溜めもあるし」
「食べておいてそれでそれを保存しておく」
「お腹の中でね」
「それが出来る生きものもいるから
「グソクムシ君もかな」
先生は腕を組んだまま言いました。
「食い溜めしてるのかな」
「あまり動かないうえに」
「だからかな」
「何年も食べなくても平気」
「そうなのかな」
先生はこう言うのでした。
「だからね」
「そうなんだ」
「じゃあグソクムシさん達はなんだ」
皆は先生とツノモチダコさんのお話を聞いて言いました。
「食い溜め出来て動かない」
「だから何年も食べなくても平気」
「そういうこと?」
「つまりは」
「そうかも知れないね」
先生も皆に応えて彼等にもお話しました。
「彼等は」
「そうした体質なのかな」
「元々ね」
「だからだったのかな」
「食べなくても平気なのかな」
「流石に生まれてから何も食べなくて済むとかはね」
「ないからね」
「仙人じゃないからね」
またこう言った先生でした。
「植物でもね」
「だから食べないといけない」
「どうしても」
「それが生物だから」
「グソクムシ君も生物だから食べないといけない」
「このことは絶対よね」
「そう、何年食べなくても平気でも」
それでもというのです。
「生まれてから死ぬまでは有り得ないからね」
「それは絶対にない」
「どんな生きものでも」
「それだけはだね」
「食べものと水は必要だよ」
この二つはというのです。
「海の中だからお水はあるけれどね」
「ええと、海の中には」
考えるお顔で最初に言ったのはチーチーでした。
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