オズのポリクローム
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第十幕その八
「だからね」
「わかりました、それじゃあ」
「一緒に入りましょう」
「ううん、私は眠くないしお風呂は今はいいし」
魔法使いはといいますと。
「ポリクロームと一緒にいるよ」
「じゃあ一緒にお空を見ましょう」
「そうしよう、ただ私はダンスは苦手だからね」
ポリクロームはいつも踊っていてもです。
「見ているだけでいいかな」
「ええ、一緒ならいいわ」
「それじゃあね」
こうお話してでした、皆はそれぞれでした。
お風呂に入ったり寝たり最初からお空を見てでした、お昼の時間を楽しみました。ジョージ達がお風呂から出てです。
そしてコーヒーを飲みながらお空の景色を楽しんでいるとです。
不意にです、飛行船の前にです。
とても大きな雲が出て来ました、ポリクロームはその雲、もくもくとした入道雲を見て皆に笑顔で言いました。
「あの雲の中にね」
「何かあるんですか?」
「お城があるの」
ジョージにも笑顔でお話します。
「とても大きなお城がね」
「雲の中にですか」
「そう、島があって」
そしてというのです。
「その上にお城があるの」
「天空の城ですか」
「そうよ」
まさにその通りという返事でした。
「それがあるの」
「うわ、凄いですね」
「それでね」
さらにお話するポリクロームでした。
「そこに天使の人達がいるの」
「その天空のお城に」
「オズの国の天使達がね」
「そうなんですか」
「行ってみる?」
「はい」
ジョージは目を輝かせてポリクロームに答えました。
「是非」
「そう、それじゃあね」
「うん、行こう」
魔法使いもポリクロームに答えました。
「今からね」
「それじゃあ」
こうしてです、飛行船はその雲の中に入りました。雲の中を飛んでいるとです。
すぐにでした、その雲を抜けてです。飛行船の前にとても大きな島が見えました。
お空に浮かぶその島の下は円錐形の白い岩になっていてです、上はお盆みたいで緑の草や木々が広がっています。
その中にとても大きなお城があります。白い岩のお城は幾つも塔があって中心には一際大きな天主があります。塔と塔はアーチでつながっていて。
建物が幾つも集められて築かれています、建物には沢山の窓が奇麗に並べられています。
そのお城を見てです、恵梨香はうっとりとして言いました。
「まるでね」
「まるで?」
「ええ、アニメのお城みたい」
こう皆に言うのでした。
「お空の中にこんなお城があるなんて」
「オズの国は不思議の国よ」
ドロシーはここでもこう言うのでした。
「だからね」
「こうしたお城もですか」
「あるのよ、ただ私もね」
ドロシーは恵梨香に首を傾げさせつつ言いました。
「このお城があったことは知らなかったわ」
「そうだったんですか」
「ええ、天空のお城ね」
「まさにそれですよね」
「このお城に天使さん達がいるのね」
「そうですよね」
「まずは島の傍に停めて」
飛行船をというのだ。
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