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オズのポリクローム

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第十幕その六

「今はこれで充分です」
「そのウォッカで」
「はい、これで」
「わかったわ。それじゃあね」
「このお酒を飲んで」
 そしてというのです。
「満足です」
「それじゃあね、けれど」
「けれど?」
「夜にワインを飲もうかしら」
 そのアルコールが入っていなくても酔えるワインをです。
「そうしようかしら」
「それもいいかも知れませんね」
「ワインは神様の飲みものっていうから」
「うん、カンサスでもよく言ってたよね」 
 トトがドロシーに応えます。
「牧師さんがね」
「ええ、私も覚えてるわ」 
 その言葉をです。
「だからね」
「夜に飲みたいんだね」
「そう思ったのよ」
 実際にというのです。
「だってお酒はね」
「魔法使いさんもグリンダさんもね」
「夜に飲んでるでしょ」
「うん、確かにね」 
 トトはドロシーのその言葉に頷きました。
「そうしてるよね」
「だからね」
 飲むのならというのです。
「夜よ」
「今じゃなくて」
「その時に飲むわ」 
 こうトトにお話するのでした、そして。
 お昼は皆で飲茶とたこ焼きを楽しみました、たこ焼きも相当な数があって皆はつま楊枝に刺して食べました。
 そのお昼の後で、でした。
 ジョージはお腹一杯になって満足して皆に言いました。
「お腹一杯になったら」
「どうかしたの?」
「はい、気持ちよくなってきましたね」 
 ポリクロームに笑顔でお話しました。
「眠くなってきました」
「そうね、私もお露を一杯飲んだから」
 ポリクロームもというのです。
「眠くなってきたわ」
「それじゃあお昼寝をしますか?」
「いえ、私はいいわ」
「お昼寝しませんか」
「お空を見ているわ」
「そうですか」
「そちらの方が楽しそうだから」
 ジョージに言うのでした。
「だからね」
「そうですか、わかりました」
「ジョージはお昼寝するの?」
「いえ、言われてみれば」
 少し考えるお顔になってです、ジョージはポリクロームに答えました。
「夜に寝ればいいですし」
「お昼は、よね」
「はい、お空を見る方がいいですよね」
「そうよね」
「それじゃあ今は」
「ジョージもなのね」
「お空の景色を見ることにします」
 こうすると決めたのでした。 
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