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オズのポリクローム

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第十幕その二

「雷玉を探しにね」
「結構飛んでますね」
「そうだね、けれどね」
「絶対に見付かりますね」
「このお空にあるからね」
 オズの国のお空にです。
「見付かるよ」
「その時を待っていればいいんですね」
「そうだよ、じゃあお茶を飲もう」
 魔法使いはその時間になったのを見て皆に言いました。
「これからね」
「ええ、じゃあお茶を出すわね」 
 ドロシーが早速魔法使いに応えてでした、テーブル掛けを出しました。
「今日は中国茶がいいかしら」
「中国茶ですか」
 神宝は自分のお国のお茶と聞いてお顔をぱっと明るくさせました。
「いいですね、じゃあ一緒に食べるものは」
「飲茶はどうかしら」
「余計にいいですね」
「ただ、飲茶だと」
 それならとです、ドロシーは少し考えてから言いました。
「お昼の方がいいかしら」
「蒸し餃子や焼売とかですか」
「麺や小龍包もあるわね」
「はい、飲茶ですと」
「それならね」
 そうしたものを食べるとなると、というのです。
「お昼御飯の方がいいかしら」
「じゃあ今はお茶だけにしたらどうかしら」
 ポリクロームはこう提案しました。
「私はお露しか飲まないけれど」
「そうね、今はお茶だけにして」
 ドロシーもポリクロームのその言葉に頷きました。
「それでね」
「ええ、お昼はね」
「飲茶ね」
「そうしましょう」
「わかったわ、それじゃあね」
 是非にというのです。
「お昼は飲茶、あと恵梨香のリクエストがあったから」
「たこ焼きですね」
 恵梨香はたこ焼きと聞いてすぐに反応しました。
「楽しみです」
「それも出しましょう」
「わかりました」
「恵梨香は本当にたこ焼きが好きだね」
 カルロスも唸る位です、少なくとも。
「他の食べものも好きだけれど」
「他には焼きそばとかお好み焼きも好きだけれど」
「たこ焼きが一番なんだね」
「そうしたものの中ではね」
「クレープよりも?」
「ううん、そうね」
 少し考えてからです、恵梨香はカルロスに答えました。
「多分ね」
「そうなんだ、僕はクレープが大好きだけれど」
「私日本のクレープ大好きよ」
 ここでこう言ったのはナターシャでした。
「あの一杯入っていてとても甘い感じがね」
「他の国のクレープは違うのね」
「ロシアのクレープはもっとシンプルよ」
 こう恵梨香にお話します、お国のクレープについて。
「それにバリエーションも少ないわ」
「そうなのね」
「けれどね」
「けれど?」
「本当にたこ焼きはないから」
 この食べものはというのです。
「恵梨香みたいに食べる人もいないから」
「美味しいのに」
「というか日本でも関西だけじゃないかな」 
 ジョージはこう言って首を傾げさせます。 
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