歌集｢春雪花｣

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　雨落つる

　　強く叩くは

　　　わが心

　想うは辛き

　　　　片割れの恋

　朝は薄曇りで晴れてはいたが…昼を過ぎて雨が降ってきた｡

　雨は強く大地を叩いているが､その雨音は…私の心を強く叩いているように感じた…｡

　会いたいのだろう?

　諦められぬのだろう?

　抱きしめたいのだろう?

　伝えたいのだろう…?

　降り続く雨は…私の心をそう見透かしているようで…｡

　片想いとは…斯くも辛いものと思う…｡

　君想い

　　涙流せば

　　　川となり

　涸れぬ水底

　　　　石は乾かじ

　彼を強く想うと…切なくて涙を流すこともある…｡
　その涙が川となるなら…きっと､滔々と流れて干上がることもないだろう…｡

　そんな川底に沈んだ石は…乾くこともなくいつまでも濡れたまま､水底へあり続ける…｡

　私の彼への想いは､その乾かぬ石のように…ずっと同じ…｡

　心とは…本当に儘ならぬものだ…｡

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