ポケットモンスター 急がば回れ
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12 ロケットゲームコーナー
ブルー「もう! イエローはどこ行ったのよ!」
デパート中を捜し回ったが見つからない。
エリカ「もうどこかへ行ってしまったのではないでしょうか?」
ブルー「こんな広い街で迷子になったら捜しようがないじゃない!」
エリカ「ブルーさん、ポケモン図鑑は持っていらっしゃいますか?」
ブルー「あたしは持ってないけどイエローは持ってるわ」
エリカ「それなら居場所がわかるかもしれませんわ」
エリカは袂から小さな端末を取り出す。
ディスプレイにタマムシシティの地図が表示され、矢印がある場所を示す。
エリカ「わかりました。
イエローさんはロケットゲームコーナーにいますわ」
ブルー「ひとが必死に捜してるときに呑気にゲームなんかして!
見つけてとっちめてやりましょうエリカさん!」
エリカ「ごめんなさい、わたくしは行けません。
ジムリーダーという立場もありますし、そんな怪しげなお店に出入りしてると噂が立っては……」
ブルー「怪しげなお店……?」
ディスプレイにはタマムシの至る所に設置されたライブカメラの映像が出る。
少し高いアングルからロケットゲームコーナーが映っている。
エリカ「はい。
なんでもあの悪名高いロケット団が経営しているとの噂で、ゲームで資金を稼いでよからぬことを企んでいるとか……」
ブルー「大丈夫よ!
見た感じ普通のゲーセンと変わらないじゃない」
エリカ「そうでしょうか……」
ブルー「じゃああたし行ってくるわね!
今日は買い物付き合ってくれてありがとうエリカさん!
またジムに顔出すわね!」
エリカ「ブルーさん……どうかお気をつけて」
ブルーはポケモンセンターに寄り大量の買い物袋を預けてからイエローの伝言を受け取った。
「ブルーへ。
ゲームコーナーに行ってくる。ポケモンセンターで待ってて。
イエロー」
ブルー「やっぱり遊びに行ったのね、このあたしを置いて!
しかもポケモンセンターで待っててってどういうことよ!」
そしてブルーはロケットゲームコーナーへ向かった。
店に一歩踏み入れると耳に突き刺さるような喧騒に包まれる。
ブルー「わー面白そう!
イエローからコイン巻き上げてやってみよう!
あたしを置いてった罰よ!」
しかしさんざん捜しても見つからない。
もうポケモンセンターに戻っているかもしれないと思い引き上げようとする。
その前にトイレに行こうと裏口へ回る。
イエロー「あっブルー」
ブルー「あんたこんなとこで何やってんのよ!
さんざん捜したんだからね!」
イエロー「ごめんごめん」
ブルー「まあいいわ。
それよりコイン分けなさい。一人だけ楽しんでずるいわよ」
イエロー「違うよ。
僕はゲームしに来たんじゃないよ」
ブルー「じゃあ何しに来たのよ」
イエロー「レッド君を見つけたんだ!」
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