攻撃手 狙撃手 エンジニアのトリップ集団!!
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トリップ一年目
第一章 トリップは甘くない
第一話 滑って転んでさようなら
女子高の一角で、ドッチボールが行われていた。
なんというか、見るだけで決着が丸わかりな状態。
2組対3組のドッチボール争いだが、明らかに3組が勝ちそうだ。
2組は唯一の内野に、運動神経の悪そうな寝癖まみれの子が残っている。
桐条みかんだ。
運動神経が悪そうだが、ボールを器用に避けるみかんに、3組の生徒は不愉快らしい。
「はぁ、不愉快なのは私だよ。疲れたし」
当たりにいかないのは多分プライドが許さないから。
それを見ていた3組の桜木真木と鈴木すみれは、みかんを応援するものなので、3組はさらに不愉快になる。
「避け続けろ~!!」
「あんた、2組の味方なの?まあ、私もみかんを応援するけど」
前髪、後ろ髪もパッツン女子真木(ニックネームきっきー)は正々堂々応援した。
天然パーマで美人女子のすみれは呆れた顔をしながら応援する。
しかし、みかんは自分の足につまづき、転んだ。
そして、とうとう当たった。
~~~~
「いや、みかん良かったよ?すごいすごい。
通常弾(アステロイド)避けまくりで。」
きっきーに言われたみかんは笑って答える。
「誰も変化炸裂弾(トマホーク)撃たなかったね」
こんな会話をしながら、みかん、きっきー、すみれはいつも帰る。
駅に近づくと会話はヒートアップ。
「太刀川さんの目が好きです、結婚してください!!」
「きっきー、ドッチボールで顔面から緊急脱出(ベイルアウト)すれば良かったのに」
「みかん、それはかわいそう。」
すみれは相変わらずみかんの制止役にまわる。
みかんは口が悪く、暴力癖があるため、制止役が必要。単純に素直じゃないと言えるが。
すみれときっきーがそれを果たしている。
そのわりにはすみれもかなり言う。
「太刀川さんはあんたみたいなやつなんかごめんだろうね。」
「そうかな?太刀川さんならOKでそう。
まず単位とるべきだけど」
「だよね、単位とってから結婚してください!!」
ハイテンションなきっきーをみかん、すみれは冷たい目をした。
みかんもきっきーみたいにハイテンションになるが、そんな時はきっきーのテンションが低い。
「私、烏丸先輩だよ。玉狛行きたい」
「私、本部派だから。すみれとはさらばだ。」
「じゃあ私は太刀川さんのために・・・あ、でも玉狛ありかも」
三人は会話をしながらホームに出た。
ハイテンションなきっきーが周りの人の邪魔にならないか、気にしながらみかんは方向転換した。
その時、運悪く、きっきーがみかんの鞄にぶつかり、足を滑らせた。
「えっ」
線路に落ちるきっきー。
慌てて手を伸ばすみかん。
緊急停止ボタンを探すすみれ。
そんなすみれが見たのは、この駅を通過する快速電車だった。
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