ドリトル先生の水族館
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第九幕その十二
「そうしたことはしないんだ」
「そういうことなんだね」
「まず受け入れる」
「そして学ぶ」
「それが先生なんだね」
「そうした人でありたいといつも思っているよ」
だからだというのです。
「そうしたことはしないんだ」
「成程ね」
「そこがやっぱり先生だね」
「先生らしいね」
「器っていうかな」
「それが凄いのかしら」
「そう言われると恥ずかしいよ」
それこそとです、先生は少し俯いて答えました。
「僕にしては」
「いやいや、それでもね」
「僕達はそう思ってるよ」
「だからいつも一緒にいるんじゃない」
「こうしてね」
「一緒にいてくれるのは嬉しいけれど僕はね」
先生は、というのです。ご自身で。
「器は大きくないよ」
「そんなになの」
「大きくないのね」
「別になのね」
「そう言うのね」
「そうだよ、別にね」
それこそというのです。
「そうした人じゃないよ」
「まあ戦士絵がそう言うのならね」
「それでいいよ」
「先生はそこでそうだって言う人じゃないし」
「謙虚さも先生」
「先生のいいところだから」
「そうありたいね」
先生もいつもの穏やかな笑顔で応えるのでした、そうしたお話をしつつ診察も進めていってです、そうして。
先生はこの日の診察を終えました、そのうえで一旦研究室に戻るとです。
そこで、でした。動物の皆が先生に言いました。
「これでかな」
「全部終わった?」
「普通の生きものの診察は」
「それじゃあね」
「うん、いよいよ明日からね」
まさにとです、先生も皆に応えます。
「深海生物への診察だよ」
「その凄い姿の」
「不思議な生きものへのだね」
「それがなんだね」
「明日からなんだね」
「本当にいよいよだね」
先生も言うのでした。
「彼等への診察だよ」
「特にダイオウグソクムシ」
「あの生きものだよね」
「今日も食べなかったそうだし」
「果たしてどうして食べないのか」
「そのことだね」
「彼自身とも話をしたいよ」
是非にと言った先生でした。
「どうしてなのかね、だからね」
「先生も楽しみにしていたんだね」
「それがなんだね」
「いよいよなんだね」
「本当にいよいよだよ」
先生も目を輝かせて言いました。
「彼とも会って話が出来るんだ」
「とにかく何年も食べないのはね」
「それがどうしてなのか」
「それが不思議だし」
「是非お話を聞きたいね」
「その他の皆ともお話がしたいしね」
是非にというのです。
「だからね」
「じゃあね」
「明日からいよいよ」
「深海生物の皆への診察だね」
動物の皆もお話してでした、そのうえで。
今日はお家に帰ってでした、そこでゆっくりと休んでです。先生達はいよいよその深海生物達のコーナーに行くのでした。
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