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オズのポリクローム

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第九幕その十

「敵を倒したり崩れる様にはなっていないの」
「消えるんですね」
「そうよ」
 まさにとです、ポリクロームはジョージに答えました。
「すうっとね」
「崩れずに」
「次第に見えなくなってね」 
 それで、というのです。
「消えるの」
「そうなるんですね」
「だからね」
「そうしたことはですね」
「ないわよ」
 まさにというのです。
「私達の虹は武器じゃないの」
「奇麗なものですね」
「渡れはするけれど」
 それでもというのです。
「虹じゃないから」
「そのことはわかりました」
「そういうことでね」
「けれど。虹を渡れるのなら」
 ジョージはそのお話にです、目をきらきらとさせて言うのでした。
「是非にです」
「虹を渡りたいのね」
「ずっと虹を見て思っていました」
 それこそというのです。
「虹の上を歩きたいって」
「だからなのね」
「はい、渡れるのなら」
「ええ、じゃあその時になったらね」
「お願いします」
「雲の上は歩けるからね」
 魔法使いも言います。
「虹も歩けたらね」
「じゃあどっちも」
「そう、いけるよ」
「凄いですね、虹も雲も」
 どちらもと言うジョージでした、とても嬉しそうに。
「歩けたらって思ってました」
「そう、誰でもね」
「何度もそう思うよね」
「雲や虹の上を歩けたら」
「そうしたことを夢見るわ」
 四人も言います、そして。
 臆病ライオンと腹ペコタイガーもトトに言いました。
「僕達もね」
「そう思う時あるよね」
「雲の上を歩けて」
「虹を渡れたらって」
「うん、それが出来たらってね」
 実際にとです、トトも二匹に答えます。
「僕もよく思うよ」
「私もよ。私もオズの国に来て長いけれど」
 ドロシーも言うのでした。
「雲の上は歩いたけれど」
「私のお家や雷の精霊さんのお家に来た時に」
「虹はまだだから」
 それでというのです。
「是非ね」
「それじゃあその機会が来たら」
「その時はね」
 まさにというのです。
「渡りたいわ」
「それじゃあそうした虹をね」
 その時にとです、ポリクロームも答えます。
「作るわね」
「是非ね」
「そういうことでね」
「じゃあね」
 こうしたことをお話するのでした、その虹のリングを見ながら。 
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