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歌集「春雪花」

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 色褪せし

  もみじ葉踏みし

   渡り道

 幽かな日溜まり

    落つる侘しさ



 色褪せた紅葉の枯れ葉を踏み締め、一人歩く道…快晴の青空より晩秋の柔らかな陽射しが注いでいる。

 しかし…柔らかな陽射しが落としたものは、彼を想う淋しい私の影一つ…。

 踏み締めた紅葉の枯れ葉のように私の想いも色褪せれば…きっと心も軽くなるだろうに…。



 期待せず

  過ごせど君を

   忘れえず

 我が身虚しく

    眺む秋暮れ



 彼は私と共に生きてはくれない…。
 それは…至極当然のことで、期待なぞする方が痴がましいのだ…。

 だが…期待をしないと決めていても、彼が恋しい気持ちは捨てられず…彼のことを考え続けてしまうのだ…。

 そんな自分が虚しくなり…ふと秋暮れの枯れた景色を眺めると、より彼のことを想い…会いたくて仕方無くなってしまう…。

 そして…そんな自分をまた、虚しく感じてしまうのだ…。



 
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