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戦姫絶唱シンフォギアM~ほぼ無敵が転生したそうです

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35話 アイシャ

 
前書き
もう、突っ走る 

 
 伊吹Side

アイシャ「あ、もうエルフナインちゃんくんの傷は傷を負う前の体の時間に戻したからな」
「え?マジっすか」
アイシャ「マジだ」

 とんでもない発言を聞いた伊吹はもう一度聞いてみたが、肯定の言葉が返ってきただけ
 目の前に伊吹と同じように浮いている灰色のジャージと青色の長ズボンを着た容姿と体型が完全にロリの

アイシャ「作者、ここにショットガンあるのだが?」

 彼女がいつの間にか両手に金色のショットガンを握っており、両腕を上に伸ばし、銃口を空に向けている

 とても美しいスタイルを持ち、凛々しいその声は誰をも魅了する声のアイシャちゃんさん
 少し不器用な部分があるが、そが彼女の魅力を引き立てている

 彼女が持っていた金色のショットガン二丁が両手からなんの前触れもなく消え、彼女は両手を下に下げた

「・・・」

 絶句
 今の伊吹の心情を言葉に変えるなら、この二言が一番正解に近いだろう
 並みの人間なら立ってられないかもしれない殺気だ
 俺自身あまり殺気を感じたことはないが、一つだけ分かる
 圧倒的な力を持った俺と同じ人間という名の化け物だということに

アイシャ「さて、次はキャロルちゃんだな」
「あ、はい。そうですね」

 アイシャちゃんさんから殺気を感じなくなった。内心ホッとした
 少しエルフナインの様子が気になり、伊吹は窓越しにエルフナインを見た
 ベッドの上で横になり、白い布団を体の上にかけて寝ている
 
 エルフナインは助かった。というかこんなにあっさり助かるのか
 アイシャが隣の部屋の窓に近づくために、ゆっくり体を空中に浮かせながら前に進んでいる
 伊吹は後を追いながら一定の距離を保ちつつ、キャロルの部屋の窓に近づいていった

 二日経ったが、一向にキャロルの体調が良くなったとは言えない
 起きない。生きているが、意識を取り戻す事はなかった。意識を取り戻さないのは
 記憶をほとんど焼却して力に変えて碧の獅子を創った副作用で起きないのかもしれない

 本来の歴史ならキャロルは俺達に保護されて行方不明になるが
 転生者や異端者(イレギュラー)が物語に加わったせいで歴史が変わった
 キャロルの保護は出来たものの、植物人間のように意識を取り戻せていない
 このままキャロルが意識を取り戻さないという可能性は否定出来ない
 
アイシャ「後で君にとって重要な話を話そう」
「重要な話?(拒否権ないんですね分かります)」

 そして、キャロルのが寝ている部屋に着いた

アイシャ「さあ、治すぞ」

 伊吹は無言でキャロルを窓越しに見つめながら眉間にシワを寄せて解決策を考えている
 エルフナインの傷が治った時とキャロルが目覚めた事に対しての俺自身のアリバイをどうするか
 急にエルフナインの容態が治り、キャロルの記憶が元通りになるなんて.....一夜ではあり得ない
 こんな事出来るのは伊吹だけだ。なんて思われないと思うけど、念には念をってね

アイシャ「よし、記憶が元通りになったな」

 何もしていない筈なのにキャロルの記憶が元通りになったと言っている
 ややこしい記憶を修復するなんて、この人は何者だ?

「その能力に目覚めたのはいつですか?」
アイシャ「・・・ああ、話していなかったな」

 彼女の能力は自分や指定した者の願いを制限無しで無限に叶える事が出来る能力
 しかし、これは決して便利ではない。過去の伊吹の情報不足でもある

アイシャ「私の能力は決して便利とは言い難い」
アイシャ「どうしても、人間の精神力では願いを叶えるのに時間が少し掛かってしまう」
アイシャ「12年だ。12年掛けてやっと数秒で願いを叶える事が出来た」

 精神力を使う彼女の能力。10歳の頃に突然この能力に覚醒した
 最初はバターたっぷりのクッキーを食べたいと思うと、とてつもない疲労感と汗が滝のように溢れ出てきた
 そして、右手には大人の手のひらサイズの一つのクッキーがあった

アイシャ「奇跡.....そう思った...いや、確信したよ」
アイシャ「だが、この能力は私の運命の歯車を狂わせた」


 能力に覚醒した次の日に黒いスーツを着た五人のボディーガードに連れていかれた
 親は何も知らされてはいなかった。連れていかれる事に

アイシャ「見知らぬ男共に私は連れていかれた。後に分かった事だが、男共は政府の使者だった」
アイシャ「親には会わされず、軟禁か監禁か分からないような処遇を受けた」

 水増しされた塩味のニンジンと玉ねぎのスープと小さなコッペパン
 24時間外に出る事も出来ない。親にも会わされない。何故親に会えないのかも説明されない
 遊ぶ道具すらもない。普通の女の子がするような当たり前の事を出来ない

アイシャ「それからだろうか.....私の心が歪み始めたのは」
アイシャ「そして、私を監禁した張本人と対面した。私が帰れる方法は、このクソ野郎の願いを叶える事だった」
アイシャ「笑ったよ、それはもう胸が張り裂けそうになる程に.........ああ、コイツを殺したらどんなに楽しいか」

 断るとまた監禁された。だが、これで良かった
 今生きている時間を全てを費やして糧にする。願いを叶える為の力を蓄えれる
 願いを叶える方法は簡単だ。それはアイツをどんな方法で殺すかを願うだけだ

アイシャ「断ると監禁されたが、その男はもう死んでいる」
「え?」
アイシャ「あ、すまない。言葉が足りなかったな」
アイシャ「心が折れて死んでいるようなものだ。死んでも死にきれないように.....な」

 考えていく内に殺人という罪では生ぬるいと感じた
 自分の六年を奪った張本人だ。こんな殺し方では生ぬるい
 なら、楽には死なさず、心を折る....いや、粉々にして何も出来ないようにしてやると歯ぎしりをしながら笑った
 寿命で死のうがゾンビにして一生苦痛を味わってもらうしか彼女の復讐心が消えることは無かった

アイシャ「.....すまないが気分が悪い。これ以上この件は話したくない」

 重苦しい空気になってしまった、と思い、アイシャは溜め息をついた
 昔はこの地獄のような日々を誰かに話すだけで吐きそうになったが、今は話すと気分が悪くなるだけになった
 やはり、奴を殺す為に創ったあの化け物を殺しておいて正解だった。アレは人が見てはいけない怪物だ

「俺は何ですか?」

 アイシャは目を見開き、伊吹の目を凝視した
 あまりにも凄い気迫に俺は怯みそうになったが、ぐっと堪えて話を続けた

「すみません。少し時間を置いてかr「いや、話そう」」
アイシャ「必殺☆笑顔」

 無理矢理作ったような笑顔で俺を見てきた。無理をしているようにしか見えない笑顔にクスッと俺は笑った
 空気が読めないKY野郎の発言を言ってしまったのに、どうしてこうなった

アイシャ「ははははは!ようやく堅苦しい顔からリラックスした顔に戻ったな!」 
「その容姿での豪快な笑い方は...ぶはあっ!?」

 超☆作り笑顔になんとか耐えたが、アイシャの豪快な笑い方に伊吹は遂に吹き出してしまった
 そ、そうか、あえて作り笑顔からの豪快な笑い方.....この人...できるッ!!

「フフフ、俺とお笑い勝負しようってんでィすか。いいだろう...その勝負受けてたつ!」
アイシャ「手加減は無しだ。さあ、お笑い勝...ま、それは反.....あはははははははは!」

 トッ○ィならぬイブティの顔芸に盛大に吹き出したアイシャは腹を両手で抱えて笑い始めた
 クソコラグランプリを超余裕で開催出来る究極の顔芸だと確信したからこの顔芸を使った

「しかも増えるッ!!」
アイシャ「何ッ!?」

 突如伊吹にとても似ている三人の分身が伊吹の隣に立った
 しかも、顔がオリジナルと同じだ

「ん?ん?どうした?堪えてんの?堪えてんの?」
アイシャ「わ......私はこのていッ!.....どッ!!.....では負けnぶはぁ!?」

 アイシャは顔に力を込めて吹き出すのを我慢していたが
 伊吹と分身が稲妻の如く顔に更にシワを寄せたらアイシャが耳まで真っ赤にして吹き出した

アイシャ「調子に.....」

 アイシャが右手に握り拳を作った瞬間に黄金色のオーラが纏われた
 周囲の空気を右手に吸い込まれるかのような、吸引力が変わらないダ○ソンもびっくりの吸引力だ

「あ、あの...アイシャちゃんさん?」
アイシャ「調子に乗りすぎたな小僧.....気絶する覚悟は出来ているか?...そうかYESか」
「この人怖いよ!?というか、ゴ○さんのジャジャン拳のグーをしようとしているんじゃないんですか!?」

 ピキピキとアイシャの額に血管が浮かび上がり、死亡フラグを建築してしまった、と後悔した伊吹
 その右拳から放たれる一撃の威力は計り知れない。フォニックゲインではないから威力が分からない
 つまり、受け止めたらいいだけだ.....いや、気絶するわ。絶対に気絶するわ。アレの威力凄いし

アイシャ「楽」

 人間の領域を超越した速度で伊吹の懐に潜り込んで一言口にして右拳を脇腹に寄せた
 体を360度回転させて右拳を伊吹の腹部にぶちかました

 骨を砕く音や内臓が潰れる音はしない。ただ、痛みを感じることもなく力が抜けていく
 浮く事に疲れてきた伊吹は体から力を抜いて地面に落ちていった

 #####

「.................ん、む?......え?」


 伊吹は自宅の寝室にあるベッドに寝ていたが、目を覚ましてもの凄くダルい体を無理矢理起こした。
 どうやら俺は寝ていたようだ。昨日何をしたんだっけ?

「あ、昨日は肉屋のおっちゃんのアイシャちゃんさんに会ったんだった」

 俺のリミッターの問題を聞いたら半分ぐらい直してくれたんだよな!嗚呼、ありがたい。ありがたやー
 どうしてあんなに見た目が幼j...幼いんだろうな?人間の神秘を例えるならアイシャちゃんさんが良い例だ。
 あれ?俺っていつ寝たんだ?.....肉屋のおっちゃんの家でリミッターの問題を解決してもらってーーー

 伊吹は違和感に気づいた。あの後伊吹は家に帰っていない
 どうして俺が家に帰っていないのに自宅の寝室のベッドで寝ているのかがとてつもなく気持ち悪い

 え?俺ってリミッターの問題を解決してもらってから何をしたんだ?特に何もしていなかった?
 こう、なんか思い出せそうで思い出せないって凄く気持ち悪いしモヤモヤする

 とりあえずこんな時はスマホを起動してメールとか着信履歴を確認してみよう!、とアイデアが浮かんだ
 解決策とはとても言えないが、やってみないと分からない。何もしないよりはマシだ

「..........スマホどこだ?」

 やはり、もしかしなくても、伊吹は少し天然だ

 ~数分後~

「あったぞソリ○ァース!!」

 スマホがやっと見つかった事に思わず叫んでしまった。隣人から壁ドン(物理)されないか少し不安だ
 まさか、タンスの中にあるズボンのポケットにスマホがあるとは思わなかった 

 メールや着信履歴を確認する為にスマホを起動させてメールが届いているのが分かった
 メールの内容を確認する為に画面をタップした

 未来からか........エルフナインの傷が治った?キャロルが意識を取り戻した?


 ............................マジっすか?
 え?え?治ったの?本当に?果物山盛りのバスケット50個を瞬きしている間に30セット買ってきちゃうよ?
 

 弦十郎さんに会い行って面会出来るかどうか聞いてみようと思い
 空間移動で瞬時に本部に移動した。ステキイベントがあるかを期待しながら

 #####

 色々と本部の人が忙しそうだったからそのままエルフナインとキャロルがいる病院に足を運ぶことにした
 弦十郎さんから許可は貰ってるから面会おk・・・だよな?

 目の前にそびえ立つ白一色の病院・・・だった病院
 緑色のいばらとツルが病院に絡み付いているのがおかしい。空にはコウモリインベス何十体も飛び回っている
 病院に入る為の大きな白い扉の前にはライオンインベスとヤギインベス合わせて二体

「イ、インベス?」

 彼は重い足取りで大きな白い扉に歩いていった
 

 
 

 
後書き
作者は主人公の心を折って闇落ちさせようとする予定の作品があったりする(書き貯め中) 
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