異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。
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次の日に再遭遇しました
次の日、何か妙な視線を感じて僕は、まだ眠いのになと思いながら瞼を上げる。
目の前には、レイアとリリアがいて僕の顔を覗きこんでいる。
何でと僕が思っているとリリアが、
「あら、レイア、起きちゃったじゃない。もうちょっとみていたいと言っていたのに、残念だったわね」
「……リリア」
「あ、これは秘密だったわね。にまにまにま」
「リリアはここに置いていく」
「や~ん、そんなつれない事を言わないでようっ」
リリアが楽しそうにレイアに嘘泣きをしつつ言っている。
でも僕の顔をレイアは何でそんなに見ていたかったのだろう。
しかも目を開いてからも僕をじっと見ている。
観察されているのだろうか。
やっぱり異世界人だからか?
でもこうやってまじまじとみられてしまうと僕はこれからどうしたらいいのか分からない。
そうやってしばし僕は人形のように動けずにいりとそこでリリアが、
「そろそろ朝食の時間よ? ご飯を食べてすぐに移動した方が良いんじゃないかしら、レイア?」
「……そうですね、起きて下さい、颯太」
それにハイと答えてから僕は二人に、このまま起き上がると頭をぶつけてしまう旨を伝えたのだった。
朝食はパンにベーコンと卵とレタスを挟んだような物と、甘いミルクティだった。
但しそれらの材料を聞くと、五つ子の卵だから目玉焼きが一度に五個できるといった話を聞いた時点で、僕はそれ以上話を聞くのを止めた。
そしてお昼になりそうな食べ物、今回はサンドイッチと瓶づめの飲み物、そしてもしもの時のために缶詰などを少し購入した。
まだ店が開いていないので、この宿屋購入する事になってしまったため少し値段が高いらしいが、今回は仕方がないとレイアは言っていた。
購入した物は、サンドイッチいと飲み物以外は、魚のオイル漬けやシロップにつけられた果物、普通の日持ちするリンゴの様な果実、日持ちのするパンであり、それらを鞄に入れる。
このかばんものを小さくして収納できる優れものらしい。
「特注品ですので」
とはレイアの言葉である。
しかも持ってみるととても軽い。
これならば幾らでも持ち歩きできそうだなと僕が思う。
それからリリアにいわれて、この町から朝一番の馬車に乗る。
その馬車に揺られて町を二つ移動すると、そこで下車する。
すぐ傍の売店に向かい、地図を購入して、
「よし、ここの山に入ればいいね」
指差す先には確かに山があるのだけれど、
「リリア、あのへんの山だけ何だか黒くないですか?」
僕の問いかけにリリアが頷き、
「魔力が濃いとああなるのよね。強力な魔物もいるけれど、いい物も一杯あるわよ」
と言われてしまう。
僕は初心者でも大丈夫かなと思いながらも魔道書を取り出し、
「今回解放された魔法を読みながら移動します」
そう伝える。
足手まといにだけはなりたくないのだから。
そうしている内に三つほど魔法を手に入れてから、そこで、
「ようやく見つけたわ! 良くも私を吹き飛ばしたわね!」
そんな少女の声が聞こえたのだった。
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