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オズのポリクローム

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第九幕その五

「安心していいよ」
「そうなの」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「雷玉は別の場所にあるよ」
「安心していいよ、ただね」
「ただ?」
「雷玉は見付かっていないよ」 
 このことについても言うのでした。
「残念だけれどね」
「そのことについては」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「探し続けるよ」
「わかったよ、そのことも」
「まあこうして探していけばね」
「見付かるんだね」
「こうしたことは焦らないことだよ」
 魔法使いは落ち着いています、それも至って。
「落ち着いて探していけばね」
「見付かるわね」
「うん、その間はお空の旅を楽しんでいればいいよ」
 魔法使いはポリクロームにも微笑んで答えます。
「このままね」
「わかったわ、じゃあこのまま楽しい旅を続けましょう」
「私達は見付かるのを待つだけだよ」
「それだけのね」
「そうだよ、じゃあ高度を下げようかな」
「待って」 
 魔法使いが飛行船の高度を下げようとしたところで、でした。ここでポリクロームは魔法使いに言いました。
「鵬さんとお話がしたいわ」
「今から」
「いいかしら」
「そうだね、それもいいね」
 魔法使いはポリクロームのその言葉に頷きました、そしてです。 
 飛行船を鵬さんの方に近付けました、そうしてです。
 飛行船が鵬さんのすぐ傍に来るとその姿がよく見えました、外見は鷲や鷹に似ていて色は真っ黒です。
 その黒い羽毛を見てです、神宝は言いました。
「あの羽根が地上に落ちたことがあるらしいよ」
「そうなんだ」
「うん、それでね」 
 ジョージ達に対してお話するのでした。
「その下にあったお家が壊れて羽根の中心の中の空洞は」
「ああ、あの小さい」
「そこを馬に乗った人が走れたらしいいお」
「そんなに大きかったんだ」
「そうした伝説があるんだけれどね」
「この鵬さんはそこまで大きくないね」
「うん、このお話は僕の国が清っていった頃のお話で」
 時代はその時だというのです。
「康熙帝っていう皇帝の頃のお話だよ」
「それ本当かな」
「どうかな、本当にそんな大きな鵬さんがいたとはね」 
 今自分達の傍にいる鵬さんを見ての言葉です。
「ちょっとね」
「想像出来ないよね」
「そんなに大きいと」
 それこそというのです。
「地球より大きいからね」
「だからだよね」
「そう、とてもね」
 それこそというのです。
「信じられないよ」
「そこまで大きいと」
 ここでジョージも言うのでした。
「リバイアサンより大きいよね」
「あっ、聖書に出て来る」
「ゲームでもよく出て来るよね」
「海にいる大きな竜だね」
「あの竜より大きいんじゃ」
 それこそというのです。 
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