ソードアート・オンライン~隻腕の大剣使い~
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第3話罪と汚名を被った少年
前書き
前回の続き「ビーター」の後半からスタートです。
2022年12月3日第1層・森のフィールド、オレたちはオレたちはボスを討伐するため迷宮区に向かって道を進んでいた。
「確認しておくぞ。あぶれ組のオレたちの担当は《ルイン・コボルト・センチネル》っていうボスの取り巻きだ」
「わかってる」
「ああ、まずはボスのガーディアンを蹴散らさなきゃ邪魔だからな」
キリトがオレとアスナにボス戦でオレたちが担当する相手を改めて確認する。まずはボスの取り巻きを倒し、本命のボス担当の手助けにまわる。
「オレがやつらのフォールアックスをソードスキルで跳ね上げされるからすかさずスイッチして飛び込んでくれ」
「OK。上手くやるよ」
「スイッチって?」
「え?もしかしてパーティ組むのこれが初めてなのか?」
「うん」
「・・・!?」
スイッチとは1人が敵の攻撃を弾き、もう1人が攻撃を弾いた仲間と前衛を入れ替わり空いた敵の懐に潜り込み一撃を与えるという、パーティを組んだからこそできる戦法だ。オレとキリトは元ベータテスターだしテスト時代に数回やったことがあるが、もう1人のパーティメンバーのアスナはスイッチの経験はおろかパーティすら組むのが今回が初めてのようだ。彼女には悪いがーーー少し不安になってきた。
******
迷宮区最上階、ボス部屋前
「聞いてくれみんな。オレから言うことはたった1つだ。勝とうぜ!」
ディアベルさんがボス部屋の扉の前に立ち床に剣を突き刺し、みんなにそう伝えた。全員に緊張感が走る。
これを言っちゃおしまいだけどーーーディアベルさん、あんた死亡フラグ立てたぞ。
「いくぞ!」
そしてついにボス部屋の扉は開かれた。その部屋の奥の王の玉座に大きな人影ーーーいや、巨大なモンスターの影が見えた。
ディアベルさんを先頭に少しずつ歩み寄った瞬間、急に部屋中が明るくなりボスがオレたちの前に飛び出し、それとほぼ同時に取り巻きモンスターが3体ポップし襲い掛かってきた。
「攻撃開始ィ!」
『うおおおおお!!』
先陣切りセンチネルに斬りかかるキバオウ。それに続き他のメンバーもセンチネルに攻め込んだ。
「A隊G隊、スイッチ!」
ディアベルさんはA隊とG隊のレイドパーティに指示を出す。この戦況でここまでリーダーシップを取れるとはさすがと言えるレベルだ。
レベルというと今さらだが、フロアボスと戦う時の適性レベルは階層+10レベル。つまり今オレたちのレベルは11前後。ちなみにオレのレベルは13、今回のメンバーでは結構上かもしれない。
「くるぞ!B隊ブロック!」
その指示の直後《イルファング・ザ・コボルト・ロード》が斧を大きく降り下ろす。その攻撃を昨日オレを弁護してくれたエギルが自身の斧で弾きキバオウが一撃を入れる。
「C隊ガードしつつスイッチの準備。今だ!後退をしつつ側面を突く用意!D、E、F隊、センチネルを近づけるな!」
「了解!」
「わかった!」
オレたちの出番が回ってきた。オレとキリトがディアベルさんの指示にそう返しセンチネルに斬りかかる。
「スイッチ!」
「わかっt・・・!?」
キリトがスイッチを要求し、オレがオレが攻め込もうとするとアスナが走り出した。
「3匹目!」
(初心者だと思っていたが・・・、凄まじい手練れだ。 速すぎて剣先が見えない!)
(速い!アスナのあの武器・・・細剣はたしかに《斬る》んじゃなくて《突く》タイプの剣で、軽くてスピーディーに敵を貫けるけど、あんなスピード見たことないぞ!?どんだけ敏捷値上げたらあんなスピード出るんだよ!?)
オレとキリトはアスナの速い剣さばきに度肝を抜いていた。それは仕方ないと思う。なぜなら、少なくともオレはベータテスト時代でもあそこまで速い細剣を見たことがなかったのだから。オレたちがアスナの剣撃に唖然としていたらセンチネルがポリゴンとなって消えた。
「フッ・・・グッジョブ」
「すげぇ・・・。・・・ッ!?キリト!」
オレたちがアスナに言えたのは絞り出してもたったそれだけだった。あっけにとられてるうちに背後からセンチネルがキリトに襲い掛かってきた。
「でやぁ!」
オレがキリトに襲い掛かってきたセンチネルを両手剣でブロックし、追撃しようとするとボスが雄叫びをあげ、オレたちはその方向を向いた。そのボスの残りHPは4段あるHPバーの最後の1段が半分を切り赤くなっていた。たしか今の状態なったら武器を《曲刀》の《タルワール》に持ち変えて戦術パターンが変わるはずだ。ボスは持っていた斧と盾を投げ捨てた。ベータテストとアルゴの作ったガイドブックと同じだ!
「情報通りみたいやな。」
「下がれ!オレが出る!」
(!?ここはパーティ全員で包囲するのがセオリーのはず!?)
(ディアベルさん?何を考えて・・・まさか!)
ディアベルさんが自分1人で前に出たことにオレとキリトは疑問を感じた。その瞬間オレの中に危険信号が走り彼が出た行動にある可能性を感じた。最悪な可能性を。ディアベルさんはボスの前に立ちソードスキル発動の構えに入った。ボスがその時持ち変えた武器はーーー刀。
(!?《タルワール》じゃなくて《野太刀》!ベータテストと違う!)
(やっぱり!彼はボスの装備の変更の可能性に気づいていたんだ!)
たしかにベータテスト時はタルワールを使ってた。テスト時は。オレたちがやっていたベータテストは、いわば《試作品段階》。試作品段階のデータがそのまま完成品で使われるとは限らない。学校の期末試験の予習で出た問題がすべて本番で出るとは限らないのと同じだ。彼はその可能性を確かめに出たんだ!
「ダメだ!」
「あ?」
「全力で後ろに跳べ!」
「武器が野太刀に変わってる!」
キリトがディアベルさんを止めるために放った言葉にキバオウは疑問のこもった反応をし、オレはテスト時と武器が変更されたことに忠告する。ディアベルさんはその言葉に反応して立ち止まった。ボスは壁や天井を跳び回り持っていた野太刀をディアベルさんに振りかざした。
「ぐっ・・・!うわああああ!」
ディアベルさんはまともにその一撃を喰らい、無慈悲にも新たな追撃を浴びた。
「ディアベルはん!・・・!?」
キバオウは彼の名を叫び、いきなり背後に現れたボスの咆哮を浴び顔をしかめた。
「ディアベル!なぜ1人で・・・」
その時キリトはディアベルさんのもとに駆け寄り、HP回復アイテムの《ポーション》を飲ませようとすると、そのディアベルさんに止められる。
「お前も・・・ベータテスターだったら・・・わかるだろ?」
「!?・・・・・・LAによるレアアイテム狙い。お前も、ベータ上がりだったのか」
ーーー彼は、テスト時代のボスの武器の変更の可能性に気づいていたんじゃなくて、LAボーナス狙いだったのか。LAボーナスとはボスに止めをさしたプレイヤーだけがゲットできるレアドロップ。ボスモンスターはフィールドにポップする普通のモンスターとは違い倒されればリポップすることはない。実質最高のレアモンスター。ドロップアイテムもそれに見合ったレアアイテムになる。それが狙いだったのは同じ元ベータテスターのオレでも少しショックを受けた。
「・・・頼む。ボスを・・・ボスを倒してくれ。みんなのために」
それだけ言い残しディアベルさんはポリゴンとなり、この世界からも現実の世界からも消え去った。
このデスゲームが始まった時自分が生き残ることしか考えていなかった。だがディアベルさん、あんたもベータテスターなのに他のプレイヤーたちを見捨てなかった。みんなを率いて見事に戦った。ーーーそれに比べてオレはどうだ。自分のことしか考えていなかった。オレは左腕を現実で失い、この世界でも奇妙な物を見られるような視線を浴びないためにこんなマントを羽織り、左腕だけじゃなくて自己中心的な考えも隠していたんだ。
「・・・キリト、お前がボスに止めをさせ。オレがサポートする。もう・・・何も隠さない!」
「!?お前、その腕!・・・わかった、サポートよろしく!」
オレはマントをアイテムストレージにしまい、キリトにそう言った。キリトはオレに左腕がないことに驚くが、アバターが現実の姿だということを理解しそれ以上は聞かずに応えてくれた。
その時アスナがオレたちのとなりに並んだ。
「わたしも」
「・・・頼む」
「オレと一緒にサポートにまわってくれ」
「!?・・・了解。」
キリトと同じ反応をしたアスナは黙ってそう返してくれた。そしてオレたちは走り出した。
「手順はセンチネルと同じだ!」
「わかった」
「全力でいくぞ!」
オレたちはセンチネルと同じ作戦でいくことに了解し、ボスのもとに駆ける。
ボスはオレたちの接近に気付きソードスキル発動の構えに入る。
「うおおおおおお!」
まずはキリトがボスの野太刀を弾き金属音を鳴らす。
「スイッチ!」
スイッチの指示に反応してアスナがボスの懐に潜り込む、だがボスはそれに気付く。
「アスナ!」
「避けろ!」
オレたちは言葉はアスナに届き、間一髪のところで野太刀をかわした。だがマントがボスの攻撃を受けて耐久値を0にし、破壊された。それにより彼女の顔を隠せる障壁がなくなりーーー彼女の美少女と言われても納得できる素顔が露になった。
「せぇやぁぁぁぁ!」
彼女の鋭い眼光と閃光の如く速く鋭いレイピアがソードスキルを発動し牙を剥く。
その光景にここにいる多くのプレイヤーが目を奪われただろう。だがその時ボスのうめき声聞いて意識を覚醒させた。
「次来るぞ!」
キリトがそう叫びボスに斬りかかった。オレもそれに続き両手剣降り下ろしアスナが再びレイピアによる剣撃の雨を浴びせる。そこで反撃に出たボスの攻撃をキリトが防ぐ。
「でやぁ!」
4連続目の野太刀をソードスキルで弾くが5連続目が防げずにいたアスナのもとに斬り飛ばされた。またソードスキルで防げば良いと思うかも知れないがそれは無理だ。ソードスキルは一度発動すると当たっても外れても発動後に数秒間身体が硬直して動けなくなる。
「キリト!?」
ボスの攻撃を受けたキリトを心配してHPを見てみる。良かった、まだギリギリグリーンで止まってる。少し安心して息を吐いたが、ボスはキリトとキリトを受け止めたアスナに野太刀を降り下ろすーーーがそれをオレとここに駆けつけたエギルが受け止めた。その直後に他のプレイヤーたちがボスに向かって走る。
「サンキュー、エギル!」
「回復するまでオレたちが支えるぜ!」
「あんた・・・」
エギルの中心にボスに剣撃を浴びせるプレイヤーたち。だがそれをボスは野太刀で振り払い跳び上がる。上空から攻撃を仕掛ける。
「あぶない!」
ここで回復が済んだのかキリトが戦闘に復帰しソードスキルを動けないエギルたちを斬り捨てようとしたボスに仕掛ける。
「いけ!キリト!」
「届けぇぇぇぇぇ!」
オレがエールを送り、キリトがボスにソードスキルを決めた。ボスはそれをまともに受けたために地面に落ちた。
「アスナ!ライリュウ!最後の攻撃、一緒に頼む!」
「了解!」
「ああ!ケリ着けてやろうぜ!」
キリトの呼び掛けにアスナとオレがそう返す。キリトに落とされて体勢を崩したボスにオレたち3人が斬りかかる。
「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」
オレたちは雄叫びを上げて振り上げられた野太刀をかわしながら懐に潜り込む。
「はぁぁ!」
「えぇい!」
「せいやぁぁ!」
キリト、アスナ、オレの順番で剣撃を浴びせ、最後はキリトが連続で斬撃を決める。
「うぉぉぉぉぉぉあぁぁぁぁぁぁ!!」
最後のキリトの大きな斬り込みにボスは断末魔を上げポリゴンとなり消え去った。第1層の王が消滅し、この先へ続く道筋が現れた。
『やったぁぁぁぁぁぁ!』
プレイヤーたちが歓喜の声を上げ大いに喜んでいる。あそこまで苦しめられたボスを倒したんだ。当然だろう。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「おつかれさん」
「あ、ああ、ありがとう」
オレは息が上がってるキリトを労いの言葉を掛けた。その瞬間ボス部屋の中が暗くなった。
「!」
キリトの目の前にLAボーナスの通知ウィンドウが開いた。最後に攻撃を決めたのはキリトだったから当然といえば当然だな。
「お疲れ様」
「見事な剣技だった。コングラッチュレーション。この勝利はあんたのものだ!」
「いや・・・」
アスナが労いの言葉を掛け、エギルがキリトの勝利を称える。それに当人は謙遜するが周りのプレイヤーたちはキリトに声援を送っている。
「なんでや!」
そこでこの良い空気をぶち壊す者が1人、キバオウ。やつの発言に全員がその場所に目を向ける。
「なんで・・・なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!」
「見殺し?」
そう、この戦いでディアベルさんが死んだ。それに対する怒りの矛先は・・・キリト。
「そうやろが!自分はボスの使う技知っとったやないか!最初からあの情報伝えとったら、ディアベルはんは死なずにすんだんや!そこのライリュウっちゅうガキはベータ上がりや名乗ってたからまだわかるけど、なんでお前が知っとんや!」
その言葉にキリトを絶賛していた連中は突然疑い始めた。オレは昨日のボス攻略会議でキバオウと揉めた時に自分から名乗ったらからそこまで疑いの目は向けられなかったけど、何も言ってなかったキリトは完全に怪しまれた。
「きっとあいつ、元ベータテスターだ!だからボスの攻撃パターンも全部知ってたんだ。知ってて隠してたんだ!他にもいるんだろ!ベータテスターども、出てこいよ!」
「おまえ・・・、急に手のひら返しやがって!ここにはオレ以外にh「よせよ」!?」
急に手のひら返してキリトを攻め始め、他にもいるはずだ。出てこいなどと犯人探しのように元ベータテスター探しを始めた男にオレは怒りを露にし、突っかかろうとしたら疑いの渦中にいるキリトに止められた。
「ふっははははは!ははははははは!元ベータテスターだって?オレをあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな。」
「な、なんやと!?」
「キリト・・・?」
いきなり野蛮な笑い声を上げてベータテスターたちを素人連中などと言い出した。あまりの変わりように、オレは唖然としてしまった。
「SAOのベータテストを当選した1000人の内のほとんどは、レベリングのやり方も知らない初心者だったよ。今のあんたらの方がまだましさ。」
続けてベータテスターたちのほとんどが今ここにいるメンバー以下と言っているような物言いをしだした。本当にどうしたんだ?
「でもオレはあんなやつらとは違う。オレはベータテスト中に他の誰も到達できなかった層まで登った!ボスの《刀》スキルを知っていたのは、ずっと上の層で刀を使うモンスターとさんざん戦ったからだ!他にもいろいろ知ってるぜ。情報屋なんか、問題にならないくらいな!」
「な、なんやそれ・・・。そんなのベータテスターどころやないなんか!もうチートやチーターやそんなん!」
キバオウのその言葉をきっかけに全員が一斉にキリトを罵倒した。皮肉にもそれによりオレに対する怒りのこもった視線は消えてーーー!?あいつ、まさかこのために!?
キリトに向けられた罵声罵倒のオンパレードの中で「ベータのチーター、ビーターだ!」など言い始めた。
「ビーター・・・、良い呼び名だな。そうだ、オレはビーターだ。これからは元テスターごときと一緒にしないでくれよ?」
嘘だ。この状況でそんな汚名被って気持ちいい訳ないだろ?
ここでキリトはさっきのLAボーナスでドロップした《コート・オブ・ミッドナイト》を装備した。その名の通り真っ黒な、真夜中の暗闇に溶け込んでしまいそうなコートだ。
そしてキリトは次の第2層への階段に向かって歩き出した。
「待って。」
アスナに呼び止められてキリトはそこで止まった。
「あなた、戦闘中にあたしの名前読んだでしょ。」
「ごめん、呼び捨てにして。それとも読み方違った?」
「どこで知ったのよ?」
「この辺に自分の以外に、追加でHPゲージが見えるだろ?その下になにか書いてあるか?」
「・・・キリ・・・ト。キリト?これがあなたの名前?」
「ああ。」
「もう1つが・・・ライリュウ?あなた、ライリュウっていうの?」
「・・・そうだけど、今知ったの?」
アスナがなぜ自分の名前を知っているのかを聞いて、パーティメンバーのHPと名前が追加されることを今知ったようだった。ーーーこの人ログインする前にマニュアル読んでないよな絶対。
「キリト・・・ライリュウ・・・ぷふ!なんだ!こんなとこにずっと書いてあったのね!」
アスナはオレたちの名前がずっと書いてあったのに今気づいて思わず吹いてしまった。
ーーーなんだよ。口数少ないから無口で無愛想なやつかと思ってたけど、可愛い顔すんじゃん。
「・・・キミは強くなれる。だから、もしいつか、誰か信頼できる人にギルドに誘われたら、断るなよ。ソロプレイには、絶対的な限界があるから。」
「なら、あなたは?」
キリトはアスナに信頼できる人にギルドに誘われたら断るなと伝え、アスナはキリトに今後どうするのかと聞いていた。それに対して何も答えずにパーティを解散した。
とりあえず、あいつに言っておかなくちゃ。
「おまえ・・・、なんのつもりだよ」
「・・・ごめん、酷いこと言って」
「そうじゃねえよ!なんでお前1人でビーターなんて汚名被ったんだよ!他の元ベータテスターが酷いことされないためか!?ヘタな猿芝居しやがって!」
そう、こいつがあんな人が変わったような態度になったのはすべて演技。自分が元ベータテスターの中でもチートクラスのプレイヤーなどと大嘘をつき、ビギナーたちがオレたちベータテスターに向ける敵意をすべて自分1人が受け、オレを含めた他のテスターたちを周りの敵意から開放しようとあんな芝居をした。
「おまえ・・・、ずっとソロでこの先を攻略する気か?無理に決まってんだろ!オレたちを庇ったつもりかよ!あの場で元ベータテスターならオレだっていたぞ!汚名被るのはオレでもよかったはずだ!」
「・・・おまえはオレなんかより、ずっと人のために動ける。オレみたいな自己中とは全然違う。そのおまえが汚名を被ってどうする?」
「・・・変わらねえよ。おまえと。」
こいつはオレを高く評価しすぎだ。オレは自己中なおまえと大差ないくらいの自己中だ。オレは精々、これくらいしかできない。
「1人にはなっても、独りにはなるなよ。」
「!」
オレはキリトにフレンド登録の申請を出した。フレンド登録とは別のプレイヤーとメッセージを送りあったり、相手が今ゲームにログインしているかどうかわかるシステム。ーーーまぁ、デスゲームになったSAOではフレンドの生死を確かめる役割になるが。
「たまにでいいから・・・、相談しろよ。」
「・・・ありがとう。」
オレたちはフレンド登録をして、キリトは1人、第2層に上がっていった。
後書き
すいません。長くしすぎました。ライリュウがいるので所々無理矢理感ありますがあまり気にしないでいただけると嬉しいです。
次回もお楽しみに!
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