転生とらぶる
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Fate/stay night
1146話
アインツベルンの城があるという森の前で、俺達は向かい合う。
正確には俺と凛の2人と、セイバー、バーサーカー、衛宮、イリヤの4人という形。
「お兄ちゃんとセイバー、私の仲間になりたいの? それならお兄ちゃんを私のサーヴァントにしてあげるけど?」
いや、どうやら違ったらしい。まぁ、衛宮はイリヤに何らかの用事があるみたいだったけど、イリヤ自身に連絡を取る手段があったとは思えないからしょうがないか。
そもそも、アインツベルンの城ってくらいだから、多分電話とかそういうのはないんだろうし
あったとしても、敵対している相手に電話番号を教えるかと言えば、答えは否だろう。
……いや、世間知らずっぽいイリヤの性格を考えると、有り得るのか?
「サーヴァント? いや、違う。俺はちょっとイリヤに頼みたい事があって」
「だから、私にお願いがあるんでしょう? なら、そのお願いを聞いてあげるから、私のサーヴァントになってよ。ね? それならお兄ちゃんのお願いを聞いてあげるから」
「イリヤスフィール。申し訳ないが、シロウはサーヴァントにはならないと言っています。別の事でお願い出来ませんか?」
「……何よ。嘘つきセイバーの言う事は聞かないんだから」
「待って下さい! 私は……」
「何か言う事あるの? あるなら聞いてあげるけど」
「それは……」
何だか、俺達を放っておいて話が進んでるんだが、これはどうしたらいいんだ?
いや、それよりもイリヤとセイバーはやっぱり何か関係があるのか? 最初に会った時もそれっぽい事を匂わせてたけど。
『なぁ、凛。どうする?』
迂闊に声を発すれば悪目立ちすると判断し、念話で尋ねる。
だが凛から戻ってきたのも、どこか戸惑ったような声だった。
『どうするって言われても……私達、完全に蚊帳の外に置かれてるじゃない』
『いっそこっちからバーサーカーとセイバーに攻撃でも仕掛けるか?』
『さすがにそれはどうかと思うわ。いざとなったら考えるけど、今は取りあえず様子を見ましょう。攻撃するだけならいつでも出来るんだし』
そんな風に念話で話している俺達の視線の先では、イリヤとセイバー、衛宮の話し合い……というか、自分の意見の押し付け合いのようなものがまだ続いていた。
衛宮は、自分の用件を聞いて欲しい。けどサーヴァントになるのは嫌。
イリヤは、衛宮が自分のサーヴァントになるのなら言う事を聞いてあげる。ただし、セイバーは嘘つきだから信用出来ない。
セイバーは、何か言い返したいけど言い返せない。ただしエミヤをサーヴァントにするのは駄目。
そんな風に平行線を辿っている。
……まぁ、イリヤが言っているサーヴァントってのは、俺達のような英霊の事じゃなくて本当の意味でのサーヴァント。つまり執事とかそっち系の事なんだろう。
まさか、バーサーカーとの契約を切って衛宮と契約を結ぶなんて事は考えられないだろうし、そもそも聖杯が衛宮を聖杯戦争的な意味でのサーヴァントと認める筈がない。
……まぁ、実は衛宮が英霊でした。何て事になってたら話は別だろうけど。
あの衛宮が英霊に、ねぇ。ないない。
「もうっ! だから最大限に譲歩しているでしょ! なのに、何で私の言う事を聞いてくれないのよ!」
「だから、サーヴァントってのはさすがにちょっと頷けないって」
「そうです、イリヤスフィール。シロウの言う事も……」
こんな言い争いが続く事、数分。
最初に我慢出来なくなったのは、当然の如くイリヤだった。
「もういい! こうなったら、力尽くでシロウを手に入れるんだから。やっちゃえバーサーカー!」
「■■■■■■■■■■■ーー!」
イリヤの命令に、大きく叫ぶバーサーカー。
その手には、いつの間にか巨大な岩で出来た斧とも剣ともとれる武器が握られていた。
轟っ! と。そんな音を立てながら振るわれる武器。
「っ!? シロウ、もうこれ以上は無理です! 戦闘許可を!」
「駄目だ、イリヤを殺す訳には!」
「イリヤスフィールには手を出しません! 私が戦うのはバーサーカーだけです! このバーサーカーがいれば、イリヤスフィールもシロウの頼みを聞くような事はないで……ええいっ!」
敵の言葉を最後まで聞いてやる必要はないとバーサーカーはセイバーへと襲い掛かる。
その膨大な筋力を利用した一撃は、セイバーが回避しなければその身体を肉片へと変えていたのではないかとすら思われる威力で地面へと叩きつけられる。
勿論セイバーとてただやられている訳ではない。
岩の武器が地面に叩きつけられたのを見て、一気に見えない剣でバーサーカーを叩き斬ろうとして距離を詰める。
それをさせじと、バーサーカーも岩の武器を振るう。
ギギギギンッ、といった音が周囲に響き渡る。
確かにその戦いは見ていて面白いものがあるが、唯一にして最大の問題は俺達が置いてきぼりにされているという事か。
「くっ、何だ、以前よりも強い!?」
お互いに武器を打ち合っている状況で、セイバーが驚きと共に呟く。
うん、それはあれだ。前回バーサーカーと戦っていた時は、俺が持っている対英雄のスキルが発動していたからだな。
というか、セイバーも俺と敵対した時に対英雄のスキルでステータスがダウンするという状況には陥っている筈なんだが。
自分で食らうのとは違う感覚なのか?
それはともかく……
『なぁ、凛。俺達が心配してたような、セイバーとバーサーカーの両方を相手にする必要ってのはなくなったようだな。で、どうする? ここに乱入して一気に戦いを決めるか?』
『……いえ、向こうがこっちに関係なく争ってくれるというのなら、こちらとしてもそれを邪魔する事はないわ。寧ろ好都合だから、暫くこのまま様子を見ましょう』
確かにそれはいい考えだ。
実際、セイバーとバーサーカーにしてみれば、俺達の事なんか完全に忘れきっている状態だし。
いや、理性のないバーサーカーはイリヤの命令に従ってセイバーだけを相手にしているけど、セイバーは時々こっちの様子を窺っているのが分かる。
そして、衛宮はと言えば何だか思い詰めたような表情でその戦いを見守っていた。
まるで、すぐにでも戦いに乱入するかのような、そんな思い詰めた表情。
いや、幾らなんでも戦闘に関しては素人の衛宮がサーヴァント同士の戦いに介入する筈がないか、
『いっそ、今のうちにイリヤを狙うか? あの様子を見る限りだと、どう考えても衛宮達の方に意識を集中しているから、どうとでもなりそうだぞ?』
そんな俺の言葉に、凛は一瞬迷いながらも首を横に振る。
『いえ、止めておいた方がいいわ。もしイリヤに手を出そうとすれば、間違いなくバーサーカーが気が付くでしょう。それにイリヤに何か用事があったらしい衛宮君達も合わせて、揃ってこっちの敵になるのは間違いない。それに何より、イリヤはアインツベルンのマスターよ。確かに外見は幼いけど、その外見通りだと思うのは危険だわ』
『……了解。けど、じゃあずっとこうして黙って見ているのか? それは馬鹿らしくないか?』
『馬鹿らしいもなにも、こっちが手を出さずにサーヴァントが脱落してくれるのなら、私達としてはベストの結果でしょう?』
確かに凛の言う事も確かだ。それに直接戦うって意味だと、俺は昨日アサシンとキャスターを相手に戦って勝っている。
きちんと実力は発揮したのだから、わざわざここで戦う意味もないだろう。
……ただ、妙に釈然としないものがあるのも事実。
多分、俺の失われた記憶に影響しているんだろう。
このままここで戦いを見ていて、そして勝った方を仕留める。
傍から見れば、理想的な漁夫の利。
しかし、そんな漁夫の利というのは自らの力に自信のない者……つまり弱者が取るべき戦術だ。
俺の中にある何かが、そんな姑息な手段は俺に相応しくないと告げていた。
『凛、悪いが俺もあの戦いに参加させて貰う』
『は? 何を言ってるの? 言ったでしょ、このまま漁夫の利を……』
『この聖杯戦争で最強なのは誰だ? 俺だろう? そして、俺のマスターである凛もまた魔術師としては一流だ。なのに、そんな真似をする必要はないだろ? 聖杯戦争が終わった後で、誰にも文句を言われないように正面から堂々と勝ち抜けばいい』
『……楽して勝てるのに、それを無視するの?』
『ああ。俺の中の何かがそう言ってるんだよ。多分失われた記憶が何か関係しているんだと思うが』
そんな俺の言葉に、少し考える様子を見せる凛。
その間にも、視線の先ではセイバーとバーサーカーがそれぞれの武器を打ち合って激しい戦闘を繰り広げている。
それこそ、普通の人間では見る事すらも出来ないような、そんな戦い。
セイバーが自らの小ささを活かして、見えない剣を振るう、振るう、振るう。
バーサーカーはその攻撃のことごとくを防ぎ、逆に岩の斧剣を振るってセイバーを叩き潰さんとしている。
体躯の差で言えば圧倒的。
だが、セイバーは身体から魔力を噴射してバーサーカーよりも低い身体能力を補い、互角以上に戦いを繰り広げている。
……そう、今は。
セイバーが身体中から噴射している魔力は、当然セイバー自身のものもあるが、それだって無限ではない。
そうなれば当然マスターである衛宮から補充して貰う必要があり、こうして見る限りでは衛宮にそれ程高い魔力はない。
これが凛なら、俺の魔力生成EXのおかげでどうとでもなるんだろうけど。
つまり、セイバーに長期戦という選択肢は有り得ず、短期決戦で勝負を付けるしかない。
だが、バーサーカーは理性の類がなくてもさすがヘラクレスと言うべきか、非常に高い技量を持つ。
セイバーにしても、短期決戦でどうにか出来ない程には。
『……分かったわ。アークエネミーの性格を考えれば、ここで私が止めても一人で突っ走るだろうし。こんなところで令呪を使うのは勿体ないしね。どうせなら私も一緒に戦闘に参加して、一気に勝負を決めてしまいましょう』
凛がそう決断して頷く。
『悪いな、俺の我が儘に付き合わせて』
『いいわよ、それに、アークエネミーは最強のサーヴァントなんでしょ? なら、油断して馬鹿なミスでもしない限り、負ける心配はいらないでしょうし』
『そうだな。今日も頑張って戦わせて貰おうか。ここで頑張らないと、今夜の凛と綾子のお礼を十分に堪能出来なくなる』
『っ!? ア、アークエネミー! いいから、令呪で縛られたくなかったら、さっさとバーサーカーとセイバーを倒してきなさい!』
薄らと頬を赤くして念話で叫んでくる凛に笑みを浮かべ、そのまま地を蹴る。
一瞬にしてセイバーとバーサーカーが正面から戦っている場所へと突っ込み、拳を……ちっ、その前にこっちに気が付いたか。
意表を突いた行動だと思ったんだけどな。
俺の方へと向けて見えない剣と岩の斧剣をそれぞれ構えたセイバーとバーサーカー。
恐らく、最初から戦いながら俺が参戦してくるのを警戒していたんだろう。
まぁ、気持ちは分からないでもない。
何しろ、バーサーカーは以前心臓を俺に抉り取られているし、セイバーは既に何度か戦闘直前になり、あるいは戦闘そのものをも行っているのだから。
その辺の事情を考えれば、2人のサーヴァントが俺を警戒しているのは当然だろう。
だが……
「それが、どうしたっ!」
例え武器で防ごうとしたところで、そんなのは俺にとってはちょっとした障害でしかない。
勇猛の格闘に対する補正と、筋力A++。この2つの効果を発揮し、更には俺と敵対した時点で対英雄のスキルが発揮している。
だからこそ、俺の放った拳はバーサーカーの持つ岩の斧剣へとぶつかった状態で大きく吹き飛ばし……違う!?
それに気が付き、小さく舌打ちをする。
今のは俺の拳で吹き飛ばしたのではなく、勢いを殺す為に自分から跳んだのだ。
バーサーカー程の巨体でああも軽く動けるというのは、やはりヘラクレスだからこそなのだろう。
「アークエネミーッ!」
目の前にいたバーサーカーがいなくなったのを見たセイバーが、俺へと向かって見えない剣を振るう。
その一撃はセイバーらしく鋭いものだったが、それでも衛宮という中途半端な魔術師と契約をしており、更には俺の対英雄でステータスが下がっている以上、驚異的ではあってもどうしようもないという程ではない。
既にセイバーとは幾度も戦っている為、その手に持っている剣の長さは大体把握している。
横薙ぎにされた一撃を、見極めた刀身の長さの分だけ後方へと跳躍する。
そのまま俺の前を通り過ぎた後、一気に拳を構えたまま、前へと進む。
セイバーにしても、当然そんな俺の動きは予想していたのだろう。素早い動きで再びこちらに切り返してくるが……その動きは既に遅い。
セイバーの腹部を狙って放たれたのは、俺の貫手。
バーサーカーの防御すら貫き、心臓を抉り出した一撃だ。
当然その攻撃をセイバーが食らえばただで済む筈もなく……それでもセイバーは身体を捻って、少しでも致命傷を避けようとする。
だが、その動きは既に遅きに失しており、致命傷は免れない。
そんなタイミングで、アインツベルンの森の中からジャラララ、という音を聞く。
どこか聞き覚えのあるその音が向かっているのは……俺か!?
念動力の効果で、このままだと俺自身も大きなダメージを受けると判断し、身体を斜めにずらす。
同時に、見覚えのある短剣が一瞬前まで俺の頭部があった空間を通り過ぎ、体勢を崩しながら放った右の貫手はセイバーの左脇腹の鎧を破壊し、胴体を抉り、その肉を抉る。
「ライダーッ!?」
周囲に響く凛の声。
その言葉にやはり、と思いつつバーサーカーも体勢を立て直したのを見て一旦後方へと跳躍する。
そうして目に入ってきたのは、イリヤの側で怒りに燃えた目で俺を睨むバーサーカーと、セイバーに肩を貸して衛宮の横へと着地するライダーの姿だった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:380
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1185
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