ドリトル先生の水族館
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第八幕その十一
「皆健康だよ」
「それは何よりだよ」
「いや、それじゃあね」
「僕達楽しく過ごさせてもらうよ」
「これからもね」
「是非そうして欲しいよ、僕もね」
先生は微笑んで、です。サンショウウオさん達に答えました。
「君達に楽しく過ごしてもらいたいよ」
「明るく楽しく」
「生きているならね」
「そうしないとね」
「そうだよ、是非そうしてね」
先生はにこやかに笑ってサンショウウオさんに言ってでした、そのコーナーも後にしました。そうして他の生きものの診察もしてでした。
この日もお家に帰りました、そしてです。
晩御飯を食べましたがこの日は王子もお邪魔していました。それで晩御飯を一緒に食べているのですが。
王子は先生にです、このお魚のことを尋ねました。
「肺魚は診察したの?」
「うん、もうね」
先生は王子にすぐに答えました。
「彼等の診察は終わらせたよ」
「そうなんだね」
「肺魚は王子の国にもいるね」
「いるよ、けれどね」
ここで王子はお顔を顰めさせました、そのうえでおかずの鮭のお刺身をお箸に取ってわさび醤油に漬けました。
「人気はね」
「あまりないんだね」
「お魚の中でもね」
そうだというのです。
「あのお魚はね」
「そうだね、あと食べないしね」
「食べて美味しくないって有名なんだ」
王子のお国では、というのです。
「しかもそれで虫がいて」
「そのこともあってだね」
「皆食べないしね」
「何かややこしいお魚なんだね」
「肺魚さんってね」
「そうみたいだね」
先生達が座っているちゃぶ台の周りで食べている動物の皆も言います、見れば老馬とオシツオサレツはお庭にいてそこから先生達を見ています。
「食べるにしては」
「あまりなんだ」
「そうだよ、というか水族館でも人気ある?」
「ないみたいだね」
先生は王子にすぐに答えました、お味噌汁を飲みながら。
「実際のところ」
「そうだろうね」
「子供はラッコやスナメリ、アザラシとかシャチやイルカとか」
「そうした生きもののところに行くから」
「人気ないんだ」
肺魚はというのです。
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