ドリトル先生の水族館
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第八幕その十
「それこそ一口でね」
「ぺろりよ」
「ここまで大きなサンショウウオさんだと」
「そうなるわね」
「日本にも変わった生きものが多いわね」
ポリネシアも驚いています。
「私達何度もこの水族館に来たけれど」
「僕と一緒にね」
「このサンショウウオさんを見たのははじめてよ」
「そうだね、君達は他の生きもののところには案内したけれど」
先生もお話します。
「それでもね」
「このサンショウウオさんのところははじめてだから」
老馬も言います。
「驚いたよ」
「僕も子供の頃図鑑で観てびっくりしたよ」
「あまりにも凄い姿だから」
「大きさもだよ、あまりにも凄いからね」
「あれっ、何かね」
「ここは他にもオオサンショウウオさんがいるよ」
見ればです、それぞれの水槽に同じ様にオオサンショウウオさんがいました。オシツオサレツはそのことにも言いました。
「アメリカオオサンショウウオにチュウゴクオオサンショウウオ」
「日本だけじゃないんだね」
「アメリカや中国にもいるんだ」
「そうなんだね」
「そうだよ、この種類のサンショウウオ君は日本にいるだけじゃないんだ」
先生はオシツオサレツにも答えました。
「他の国にもいるんだ」
「アメリカや中国にも」
「そうなんだね」
「そういえば」
ここで、でした。先生はふと気付いたお顔になって言いました。
「アルプスの方にタッツェブルムがいるけれど」
「あの未確認動物?」
「いるっていうけれど」
「目撃した人がいるのよね」
「けれど正体は不明」
「謎の生きものはね」
「そうだよ、タッツェブルムは爬虫類という説があるけれど」
それでもというのです。
「両生類って噂もあるから」
「じゃあタッツェブルムも?」
「オオサンショウウオさん?」
「そうなの?」
「ひょっとして」
「そうかも知れないね」
実際にです、先生は皆にお話しました。
「あの生きものも」
「実際にいるのかって話もあるけれど」
「昔から見たお話があるけれど」
「それでもね」
「若しかしてなんだ」
「タッツェブルムも両生類で」
「オオサンショウウオさんかも知れないんだ」
皆も言うのでした。
「ひょっとして」
「そうなんだ」
「その可能性はあるよ、とにかく今からこの子達の診察もするよ」
「うん、待ってたよ」
「先生やっと来てくれたね」
それぞれの水槽、岩場と奇麗なお水のレイアウトの独特のコーナーの中からです、サンショウウオさん達が先生に言ってきました。
「じゃあ僕達もね」
「診察してね」
「悪い場所がないかとうか」
「診てね」
「そうさせてもらうよ、ではね」
こうしてです、先生はサンショウウオさん達の診察もしました。そしてその後で、でした。先生はサンショウウオさん達に言いました。
「皆も年齢の問題がある子はいても」
「大丈夫なんだね」
「僕達も健康なんだね」
「充分に」
「うん、普段から係員の人達が気をつけてくれているから」
だからだというのです。
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