歌集「春雪花」
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枯れ芒
時雨に朽ちて
頽れて
想い夜にふる
時ぞ儚き
冬の寒い時節に入り、道端のすすきも枯れていた…。
外灯の下、枯れたすすきが時雨た空に…まるで気力を失って項垂れているように見えた…。
そんな夜…心には彼への想いがそぼ降り、時間は瞬く間に過ぎて…彼との距離も遠く隔ててしまうものだと思った…。
枯れたすすきは…まるで私そのもの…。
雨音を
聞くや侘しき
雪待ちの
雲隠れにし
月ぞ恋しき
初冬の雨は、その音を聞くだけで物悲しさを誘うものだ…。
雪を待つ十一月の夜更け…ただでさえ寂しいと言うのに、空は時雨て月もない…。
彼に会いたい…なんて思ってはいけないのに、会いたくて仕方無いのだ…。
彼が…恋しい…。
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