その手で引き金を引け!!
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第五章 黒トリガー
第二話 変化
ぼくは少し機嫌がいい。
理由?呆れるぐらい単純だと思う。
最近、風間さんが褒めてくれるし、歌川には勝てるし、何より強くなった気がする。
可憐が調子に乗るなと言うが。
風間さんや太刀川さんに勝てる訳がない。あれは別次元。
「歌川より身体能力ねぇな。
カゲッチと戦ったら瞬殺されるぞ。
つか、村上でアウトか。あれ、まだ弱いのに。
菊地原!!よそ見すんな」
うん、いつもこんな調子。
仕方ない。慣れたからいいや。
「もー、口が悪くなっちゃったじゃない。
あはは、嫌だな、女の子なのに。」
やだな、怖い。
あの女、怖い。
「きくち・・・あれ、迅さん」
迅?
あ、あの人か。
~~~~
迅さん、迅さん?
あの、今、訓練中ですが。
・・・あれは、命令書!?
まさか、ラッド!?
「はいはい、如月ちゃん、お察しの通りの物だよ」
「・・・私、警戒区域出ていいの?」
「うん、問題ないよ。」
「よし、OK。
機嫌いいから誰かとバトるから。」
菊地原、歌川がポカン顔だ。
まあいいや。私、気分屋だから。
「カゲッチ~バトろ~
30本勝負だよ~」
「あ?・・・!?
なんで蹴りいれてくんだよ!!」
「え、逃げないように。
岩石落とし・・・岩石脅し!?」
「やべー、マジやべー
つか、任務前だろ」
だからやるんだよ、私、機嫌いいから。
やりたい時に殺るの。あ、やるの。
村上とは戦ったらヤバいよ。
強くなりすぎたら困るし、カゲッチなの。
「10本」
「・・・まあ許そう」
ちっ・・・三輪みたいに舌打ちしてしまった。
はぁ、恥ずかしい。
~~~~
歌川、菊地原が取り残されている。
俺は話しかけるべきか、見なかったことにするか。
「如月はどうした。」
「機嫌よくランク戦へ。
警戒区域外に行けるのが楽しみのようです。」
「なるほど。あいつらしいな。
菊地原と付き合いはじめてから好き放題な・・・
いや、加減しなくなったような」
俺としては元気になって良かったような、悪いような。
戦術、戦略を学べる点はかなりいい。
「やり過ぎなければいいですよね、風間さん」
「え~?あれでいいの?
よくないですよ、絶対」
「ほっとけ・・・あれはあのままであるから、いきる駒だ」
とは言うが、あれでしかいきられない駒と言い換えたら、ただのバカか。
あれは確かに強い。ボーダーの中でもかなり強い。
だが、部隊に慣れないせいか脆い。
いつかは慣らさないといけない。
「影浦と如月とか言う隊員がランク戦してて・・・」
・・・あのバカ。
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