ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
修学旅行はパンデモニウム
九重との観光×英雄派襲撃
次の日は主に嵐山方面に行く事にした。メンバーは変わらずだったが、コーティから華琳に変更となった。俺の勘でもあるが、英雄派トップに会うかもしれないからだ。今は車で、二尊院に向かっている。ナビは最新だから問題ない。到着してから車を停めて向かうが、オーフィスは相変わらず俺の肩車に乗っていたが片方の腕には華琳がくっついていた。
「イリナから聞いたが、松田と元浜は見事に顔が腫れ上がっていたと聞いたが?」
「それについては本当の話だ。絆創膏が大量に貼られていて、昨夜女風呂を覗けるスポットに行くと俺らからのタレコミにより生徒会とアザゼルとロスヴァイセがいたそうだ。アザゼルは何もしなかったそうだが、吶喊した結果シトリー眷属の女子にボコボコにされた模様でな」
「当たり前よ。女風呂を覗くはずが、ボコボコにされる理由は聞かなくとも分かるわよ。でも一誠は特別よ、堂々と入ってくる所がいいのだから。元魏の覇王の言葉とも思えないでしょうけど、今の私達があるのは全て一誠のお陰何だからね」
「ありがとよ華琳。シトリー眷属の女子には勝てる訳ないのに、あの後俺の代わりにハリセンを叩いたそうだぞ?アザゼルが」
「それは珍しい光景だな。いつもは叩かれる側なのに、その時だけは叩く側とはどういう心境だったんだ?」
そこからはイリナが録画していたのを見ていたが、コント以上に笑えた光景だった。ボコボコにされた後、いつもはふざけているアザゼルが真剣な表情をしてからハリセン一発してたからな。俺らは釈迦如来像と阿弥陀如来像を祀っている場所を見たら思わず心が和んだ。次に向かおうとしたら二尊院の入り口で九重に会ったが、何でも俺達を探していた。
「おおっ、お主達を探しておったわ」
「やあ九重。約束通り、嵐山方面の観光案内を頼むぞ」
「任せろ。余は京都は詳しいのでな」
との事だったが、今回は狐耳と尻尾を隠しているがちょうどいい。俺達はいいが他の観光客から見たらマズイからな。車に乗り込むと次は竹林の道へ向かうが、竹林の道は見事としか言えなかった。ちなみに九重は俺の肩車にいる。
肩車はオーフィスだったが、空けてくれたので九重を肩車として乗せてオーフィスは背中でおんぶ状態となった。そろそろ皆は、小腹が空いてきたから九重に聞いたら湯豆腐が絶品と言う場所に行った。華琳も湯豆腐は食べたいと言っていたし、するとエロバカ二人組ら桐生の班ら教会トリオと祐斗がいた。俺の首上に九重がいた所は少々驚いていたが一緒に食べた。
「うむ、ここの湯豆腐はいいな。華琳、再現可能か?」
「うーん、難しいわね。京都の材料を使ってなら再現可能だけど、家で食べるよりここで食べた方が絶品だと思うわ」
「そうか。まあ、再現可能な食があったら言ってくれ。材料は何とかなるだろう、それより祐斗達はこの後どこ行くんだ?」
「これを食べたら渡月橋に行く予定だよ、その後天龍寺に行く予定さ」
そしたら聞き覚えがある声が聞こえたらアザゼルが入ってきた。しかも昼から酒を飲みながら。
「おうお前らも来てたのか。嵐山堪能しているか?」
「まあな、アザゼルは昼から酒か。周辺に学生がいるんだから、飲まない方がいいぞ?」
「その通りです・・・・って兵藤君も飲んでいるんですか?あなた学生のはずでしょう!」
「残念だったな。駒王学園の制服姿だったら飲まないが、俺の年齢はアザゼルより年長者だから気にするな」
俺は酒を飲みながら話していると、ロスヴァイセが酒を飲もうとしてたので止めた。ロスヴァイセは酒癖が悪いと聞いたので、アザゼルから奪ったロスヴァイセの杯を俺が取り返してアザゼルに渡した。俺達が店へ出ると、アザゼルとロスヴァイセも付いて来たので渡月橋を一緒に渡るが渡月橋について語るアザゼル。
「渡月橋で思い出したが、渡り切るまで後ろを振り返ると授かった知恵が全て返ってしまうらしいな。俺ら研究者にとっては、嫌なジンクスでもあるが振り返ると男女が別れると言うジンクスがあったな」
「それもジンクスだろうに、まあ男女の噂に近いからな。余り気にしない方がいいぞアザゼル」
そういや一緒に来た松田と元浜も渡月橋について、桐生から告げると異口同音に返ってきたそうだが、エロバカ二人組が振り返ると真の救いようのないバカになるからな。帰りも渡るが、これもジンクスだろうと思っていたら生暖かい感覚がした。周辺を見ると俺達と教会トリオと祐斗しかいない。他の観光客もいないが、この霧は見覚えがあるな。
「一誠。この辺り一帯にいた人間はいなくなっているから、どうやら俺達だけ別空間に強制的に転移させられたようだ。それにこの霧は神滅具の『絶霧』だ」
「俺達以外の存在はこの周辺から綺麗サッパリ消えているが、ヴァーリの言う通り強制的に転移させられて閉じ込められた様子だな。この様子だと、渡月橋周辺と全く同じ風景をトレースして作り出した別空間に転移させたのだろう」
「一ちゃんとヴァーリの言う通りで、三大勢力の技術が流れているからか。ゲームフィールドの作り方を応用した奴で、霧の力でトレースフィールドに転移させた訳だな。『絶霧』の霧は包み込んだ物を他の場所に転移可能で、アクション無しで俺達全員転移させるとは・・・・。神滅具はこれだから怖いもん何だぜ」
アザゼルの言う通りだ、亡くなった八坂の護衛が死ぬ間際に言ったそうだ。気付いたら霧の中にいたと。渡月橋の方から、複数の気配を感じて見ると俺は一度会った事がある人物だった。
「初めまして、アザゼル総督。そして久しぶりとでも言っておこうか。創造神黒鐵兼赤龍帝」
やはりアイツか、英雄派のトップで名は曹操。この世界の曹操の子孫、黒髪で学生服の上から漢服を羽織っていた。曹操の周囲には、似たような学生服を着ていた男女がいた。アイツらも神器持ちか?見た目の歳は学生として過ごしている年齢と同じに思えるが、今の俺は大人としているので年下だと思うな。
「一ちゃん、コイツが英雄派を仕切っている曹操か?」
「ああそうだ。だったよな曹操!」
「赤龍帝の言う通り、三国志で有名な曹操の子孫だ。一応ね」
「そんで奴が持ってるのは、最強の神滅具『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』と言う。神をも貫く絶対の神器とされているが、神滅具の代名詞にされた物だ。俺やアザゼルに言わせると、現在の使い手がテロリストとはな」
「あれが天界のセラフの方々が恐れている聖槍か、初めて見たけどこれは私達教会関係者には教え込まれたものね」
全員に言うと俺達以外のグレモリー眷属は驚いたが、特に教会トリオはな。神滅具=ロンギヌスと呼ばれた原物だが、イエスを貫いた槍・イエスの血で濡れた槍で神をも貫く絶対の槍ともされている。アーシアが槍を見つめていたので、俺は素早くアーシアの両目を隠した。
「アーシア。信仰のある者があの槍を強く見つめるな、心を持ってかれる。聖十字架・聖杯・聖骸布・聖釘と並ぶ聖遺物の一つだ」
九重が憤怒の形相で曹操に叫ぶ。
「貴様!もしや母上を攫った者か!」
「左様で、我々の実験にお付き合いして頂くのですよ。と、そこにいるのはオーフィスではないか。探していましたよ」
「我は抜けた、今は一誠の元にいる」
「と言う事何でな、オーフィスはもう『禍の団』から抜けている。オーフィスは九重を守ってくれ、皆戦闘態勢を取れ!」
オーフィスは強く握ったので握り返した。曹操は、実験前に挨拶と共に少し手合わせをするとか言い出しやがったので俺達は戦闘態勢に入った。俺とヴァーリは禁手化して、美猴とアーサーは擬態化で隠してたエクスカリバーを出して、ルフェイは魔法の杖を取り出した。華琳は擬態化で鎌ではなく、雪蓮が持っている南海覇王みたいな剣を出して言った。
「あなた、本当に曹操の子孫なのか確かめたいわ」
「そういう君は誰かな?」
「我が名は曹孟徳、別世界では魏の覇王だった者よ。いざ勝負を申し入れる」
「別世界、本当にあったとはね。それも君が曹操だって?」
発言してる間、祐斗やゼノヴィアも戦闘態勢に入った。ゼノヴィアは、デュランダルを持ってないので短剣を持っていたが祐斗から長剣を借り受けていた。イリナはアーシアの前にいたし、アザゼルは光の槍を取り出した。
「実験というのが気になるが、挨拶と共に軽く手合せだから本気を出すなよ?ヴァーリ達」
「それはどういう事だ?一ちゃん」
「俺らが本気出してしまうとこの空間事滅んでしまうからだ。なので五分五分でな」
「なるほど、それに妖怪との協力提携を成功させたいがまだその時ではなさそうだ」
本来いないはずのロスヴァイセも攻撃態勢をしていたので、あの時酒飲まさなくてよかった。グレモリー眷属は構えているが、俺達と曹操達は余裕振りを見せていたから構える様子はない。曹操の横にいた少年に話しかけたらモンスターが生まれた。
「レオナルド、悪魔用のアンチモンスターを頼む」
それだけ頼むと男の子は表情も無く、こくりと小さく頷くと足元に不気味な影が出現した事で背筋を凍ったグレモリー眷属である悪魔。渡月橋全域を包む程だった影から生まれてきたのが、対悪魔用アンチモンスターで、それも一体ではなく百体はいる。
「アザゼル、あれは『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』だよな?」
「その通りだ。あの子が持つ神器は神滅具の一つとされている。使用者のイメージした生き物を作り出す事が可能とされている。一ちゃんも知っていると思うが、神滅具は現在確認されている個数は十三。グリゴリにも神滅具の協力者がいるし、黒神眷属にも二人いるが赤龍帝と白龍皇よりもあの神器は性質が凶悪とされている」
「では一誠君やヴァーリが持つのよりも強力何ですか?」
「直接的な威力なら一ちゃんとヴァーリの方が遥かに上だが、能力が問題視されている。木場が使う『魔剣創造』は、様々な魔剣を創り出せる能力だが『魔獣創造』がそれと同様な能力とされている。様々な魔獣を創り出す事が出来るから、全長百メートルあり口から火炎放射を出す怪物を自分の意志で生み出す事が出来る」
「使い手次第だと一気に化け物クラスを数百から数万の規模で創り出せるブツだ。神滅具である『絶霧』と並ぶ神器システムのバグが生んだ最悪の結果とも言われている。『絶霧』は能力者次第で危険極まりない事が出来る、霧で国家規模を発生させて国民全て別空間=次元の狭間に送り込めば無になる。そうなると一つや二つ国を滅ぼす事も可能だからな」
ここには神滅具が五つも揃っているが、赤龍帝の籠手・白龍皇の光翼・黄昏の聖槍・絶霧・魔獣創造があれば世界相手に勝てるからな。今までの前例は無かったが、危ない時代があったと聞く。神滅具の上位クラスの四つの内三つがテロリストが保有しているのか。
所有者は生まれた瞬間、天使・悪魔・堕天使の監視態勢となる。二十年弱、アザゼル達が気付かずにいたからな。故意に隠したかは知らんが、過去と現代だと発見に難航しているからな。
「現代に限って因果関係があるかは知らんが、元々神滅具自体が神器システムのバグやエラーの類とも言われている。所有者達は独自にうねりを見せているし、アザゼル達の予想外に行ったとしか考えられないな。現世の神滅具全体に変調が起き始めているし、バグやエラーの変化ではなく神滅具自体が進化しているかもしれん。神器研究者や神器システムを司っている割にアザゼルも含めて、互いが甘かったとしか言えねえな。ミカエルにサーゼクスもそうだが、俺が持つ赤龍帝も本来ない事が起きているんだからな」
「なるほど、一ちゃんからそう聞かされると確かにそうかもしれんな。元々監視してきた俺らでも所有者によって、神滅具や神器の亜種も確認されている。それに本人が強ければ強い程、所有者が持つ力により左右される。だがその子から見れば、まだ成長段階としか言い様がないな。やれるならとっくに各勢力の拠点に怪獣クラスを送り込んでいるだろうな」
レオナルドと言った男の子はそこまで生産力と想像力が無いが、アンチモンスターを生み出す力に特化されている。今召喚されたモンスターは対悪魔用アンチモンスターだから、当然攻撃に光が含まれるが威力的には中級クラスだろうな。ま、俺達には関係ないが。
「華琳、君は曹操をやれ。華琳の力を見せるんだ」
「いいわよ。曹操、行くわよ!」
俺とヴァーリは、素早くアンチモンスターを倒すがまた出てきた。先程試射として撃ってきた光を放つ一体が祐斗達に向かって来たので、ヴァーリの半減の力で消滅した。華琳は素早く曹操の所に行き、戦いを開始していた。
「一ちゃん、各陣営の主要機関に刺客を送ってきたのは俺達のアンチモンスターを創り出すデータを揃える気なのか」
「恐らくそうだろうが、送り込んで来た時にいた黒い兵隊がいただろう?あれは『魔獣創造』により創られた魔物を通じて各陣営にいる、天使・悪魔・堕天使・ドラゴンと各神話の神々の攻撃を敢えて受け続けた事を。アレはそういう意味だったが、そのお陰で有益な情報を送ってしまったのさ」
「あの黒い怪人でデータ収集をしていたのか。今なら納得出来るが、禁手使いを増やしつつアンチモンスターの構築を行ったお陰で悪魔・天使・ドラゴン等のメジャーな存在に対するアンチモンスターが創れた。先程の光は中級天使の光力に匹敵するだろうが、神殺しの魔物だけは創れなさそうだな」
「その通りだ。だが神はこの槍で屠るのさ、と危ぶね!まさかこの実力は本物か?別世界の曹操よ」
それはそうだろう、華琳の実力は本物さ。ただ武器は鎌の絶ではないが、アンチモンスターはヴァーリと美猴とアーサーに任せて俺は構成員と戦った。ちなみに九重とはルフェイとオーフィスが守護している。たまに攻撃が来るが、オーフィスは片手で防いで攻撃している。流石は無限の龍神様だ、ルフェイもゴグマゴグを召喚してはガード役として守護している。
ページ上へ戻る