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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1136話

「うん、満足だ。さすがに遠坂の作る料理は美味い。ただ、中華に偏りすぎてるのはちょっと気になるけど……」
「確かにそれは否定出来ない事実だな」

 昼食を食べ終え、綾子の言葉に頷く。
 家は洋風の屋敷で、家具とかも洋風。なのに、何故か凛の得意料理は中華……少しアンバランスだとは思う。
 普通、こういう時は洋食とかじゃないのか?

「あのね、あれだけ綺麗に全部食べておいて、それはないんじゃない?」
「そうは言っても、たまには洋食とか和食も食べたいんだけど」
「……朝はパンじゃない」
「うっ、まぁ、確かにあれも洋食と言えば洋食だけど……あたしが言ってるのはそういうのじゃなくて、ハンバーグとか、カレーとか、エビフライとか、そういうのだよ」
「ハンバーグやエビフライはともかく、カレーって洋食かしら? にしても、綾子って随分味覚がお子様なのね」
「ぐっ、じゃ、じゃあ……ビーフストロガノフとか」
「ビーフストロガノフはロシア料理よ?」
「ぐっ!」

 そんな風に会話をしながら話していると、不思議と既視感のようなものがある。
 恐らく、俺が記憶を失う前にはこれと似たような光景を見た事があるんだろう。

「さて、食休みも兼ねて午後からの行動を考えましょうか。私としては、学校が暫く休みの今のうちに聖杯戦争を終わらせる……とまではいかなくても、ある程度進めたいとは思ってるのよ」
「……慎二の馬鹿みたいに、一般人を巻き込むような奴がいるかもしれないしな」

 溜息を吐く綾子だったが、凛は即座に首を横に振る。

「いるかもしれないじゃなくて、いるのよ。今話題になってるガス漏れ事故。あれは多分サーヴァント……それも、全部のサーヴァントに遭遇した経験から言うと、多分キャスターの仕業よ」
「……キャスターか、厄介だな」

 柳洞寺で行われた戦いを思い出す。
 結界のせいでこっちは一ヶ所からしか入っていく事が出来ず、その途中にはアサシンが待ち構えている。
 ステータス的にはかなり低いが、そのステータスに現れない技量という点ではかなり高い能力を持っていた。
 更には空を飛べるキャスターが空中から援護射撃をしてくる。
 そして、まだ出てきていないけどマスターが2人存在しており、いざとなればそいつらも手を出してくるだろう。
 そうなると……うん?
 そこまで考え、ふと気が付く。
 以前俺達が撤退したのは、初めてキャスターとアサシンに遭遇したというのもあるが、こっちから有効な攻撃が出来ない空中からの援護が厄介だったからだ。
 だが、今なら?
 綾子を戦場に引っ張り込むというのは論外だが、今であれば俺の宝具が1つ使用可能になっている。
 あのスライムであれば、上空に向かっても……それこそ高度1km程度の距離まで上がったとしても、十分に攻撃可能だ。
 スライムと凛の攻撃で牽制している間に、俺がアサシンを倒してしまえば……
 ただ、アサシンもアサシンで厄介なんだよな。
 ぶっちゃけ、あの狭い踊り場でば俺の最大の特徴でもある素早さを発揮出来ない。
 となると、苦戦することは十分考えられる。

「けど、アサシンとキャスターを倒してしまえば、バーサーカーと戦う時に横入りされなくてすむ」
「……それは事実だけど、いけるの?」

 思わず最後の言葉を口にしてしまっていたらしく、凛が首を傾げて尋ねてくる。
 俺の考えている事が大体分かっているんだろう。

「いけるかどうかで言えば、多分何とかなる……と思う。ただ、相手のマスターが不確定要素だな。キャスターとアサシン、つまり2人のマスターがいる訳で、そうなると最終的には2対4……無理してスライムを数に入れるとしても、3対4。そして……」

 チラリ、と綾子の方へと視線を向ける。
 綾子を数に入れてもいいのであれば、4対4。
 ただし、あの狭い戦場でこれだけの人数が戦うだけの広さがあるかと言われれば……答えは否だろう。
 結局は俺とスライムが戦うのがベストなんだよな。

「……なるほど。確かにスライムの性能を考えれば十分に可能性はあるわね。それに、一般人に被害を出しまくっているキャスターは、冬木のセカンドオーナーとしては色々と思うところもあるし……」
「言っておくけど、あたしは一緒に行かないからな。聖杯戦争ってのに関わり合いたくないってのもあるけど、何よりあたしの場合、もし一緒に行けば足を引っ張るだけになりそうだ」

 そう告げる綾子に、凛も頷く。

「分かったわ。けど、綾子も否応なくこっちの世界に入り込む事になったんだから、嫌でもこの手の出来事には慣れておく必要があるわよ?」
「それは分かってるけど……ライダーだったか? ああいう奴等との戦いについていけるかと言われれば……正直自信がないな」

 幾ら魔術の世界に関わる事になったとしても、英霊であるサーヴァント同士の戦いが行われている聖杯戦争ってのは色々と別格だろうけど。

「そうでしょうね。そっちは後で考えましょ。それより次。衛宮君とセイバー。この2人は本拠地も分かっているし、戦おうと思えばいつでも戦えるんでしょうけど……出来れば最後にしたいわね」
「……なんでだ? いや、別に最後にするのは構わない。実際、能力的に見ればセイバーは衛宮の影響でかなりステータスが下がってるんだし」
「ごめん、その辺はちょっと色々とあるのよ。それに、少なくても衛宮君はキャスターと違って放って置いたら一般人に被害が出るような事はしないでしょうし」
「それはまぁ、確かに」

 理性的というか、人道的というか、モラルが高いというか。
 そういう意味では、衛宮とセイバー組は非常に信頼出来る。
 ……まぁ、その代わり色々と面倒なのが多いのも事実だけど。
 凛の口癖から考えると、他にもまだ何かありそうだが。

「セイバーとなら正面から戦えば勝てるだろうしな。そういう意味では、最後にセイバーを持ってくるってのは構わない。寧ろ戦略的に考えればベストだと思う。それに、セイバーを倒せばその時点で聖杯戦争の最後になる。そうなれば、衛宮を殺さなくても済むだろうしな」

 個人的には衛宮は気にくわない。これ以上ないって程俺と性格的な相性の合わない奴だが、そういうのを抜きにして、純粋に人間性としてだけ考えれば、人格者であるのも事実なんだよな。
 そういう奴を殺すってのは、個人的にもちょっと遠慮したいし。
 それを衛宮に言えば、ワカメを殺した俺が何を言うってなりそうだけど。

「そうなると、残るのはバーサーカー、ライダー、ランサーの3人か。で、こっちはどうする?」
「難しいわね。うーん……その中で居場所が分かっているのはバーサーカーだけど、こっちはキャスターとアサシンを倒したら挑んでもいいと思うわ。ライダーは……出来ればこの前の戦いで脱落してて欲しいんだけど、まだ生き残ってるんでしょう?」
「まぁな。脇腹は貫通してやったが、サーヴァントがその程度で死ぬ訳もないだろうし。ただ、マスターのワカメが死んだ以上は他のマスターを探していると思う。それにライダーってくらいだから、多分何か乗り物の類はあると思うんだが、それを使って動き回られると面倒だ」

 一番面倒なのは、新たに契約したマスターが奥に引っ込んでる状態で、ライダーが乗り物を使ってその機動力で動き回られる事か。
 そうなると、下手に機動力が高い分だけ戦闘に持ち込むのが難しくなる。
 寧ろ、ワカメも最初からそうやっていればよかったものを。
 ライダー最大の特徴でもある機動力を一切使わなかったってのは、何を考えてたんだろうな?
 あるいは、そうせざるを得ない理由があった?

「そして、残るのはランサーね。……正直、ランサーが一番手に負えない状態よ。あれ以降全く姿を見せないし、どこを本拠地にしているのかも分からないし」
「あー……確かに。しかも前回の戦いも結局戦いって戦いにはならなかったからな。一番謎が多いってのは確かだ」

 恐らく情報を集める為に戦いを挑んできたんだろうが、結局それ以後は一切の消息がない。
 まぁ、消息がないのはこっちだけで、もしかしたら他のサーヴァントに戦いを挑んで既に負けているって可能性はあるんだが。
 特にバーサーカー辺りだと、能力知的な面から考えても、宝具的な面から考えても、ランサーに勝ち目はない。

「結局この聖杯戦争では、大きく分けて俺達、バーサーカー、キャスター&アサシン組の3つが優勝候補な訳か」
「でしょうね。なら……何をすればいいのか。分かってるよね?」
「ああ。まずその優勝候補の一画でもあるキャスター&アサシン組を倒す。正直、戦う相手としてはバーサーカーの方が正面から戦う分だけ戦いやすいんだけど……キャスター&アサシンが手を出す可能性がな」
「そうね。キャスターにしろアサシンにしろ、裏から手を回すのが得意だものね」

 そして、それとは逆にバーサーカーはその強さから、他人の戦いに手を出すような事はない。
 まぁ、正面から戦うって意味では、バーサーカーよりも能力が低いのに性質的には同じセイバーの方が戦いやすいんだけど……凛の言葉を聞く限り、それは無理っぽいし。

「遠坂とアークがどんな相手と戦うのか、正直あたしには分からないけど……ただ、これだけは言える。必ず生きて帰ってきてくれよ。私としては、お前達2人に死んで欲しくなんかないんだからな。それに、あたしをこんな身体にした責任も取って貰わないといけないし」

 どこか冗談っぽく笑う綾子に、俺と凛も思わず笑みを漏らす。

「……って、アークエネミーは笑っていられるの? 綾子に対してやった行為の責任を取らないといけないのよ? 古今東西、男が女に取る責任ってのは決まってるでしょ? ……ああ、そう言えば私もアークエネミーに傷物にされたわね。しかも2回も。こっちもきちんと責任を取って貰う必要があるかしら?」

 勿論本気で言ってる訳じゃないんだろう。笑みを含んだ声でそう呟く凛だが……ちょっと冗談になっていないような気がするのは俺だけか?
 視線を綾子の方に向けると、凛の言葉の意味を理解したのか、顔を真っ赤にしてこっちを見てたりするし。
 取りあえず……

「残念ながら、俺は戸籍も何もないサーヴァントだしな。その辺がどうなるかは微妙だろうな」
「うわ、最低。女の敵。ヤり逃げよ、ヤり逃げ」

 ここそとばかりに囃し立ててくる凛。
 綾子もまだ頬は薄らと赤いままだが、それでも凛の言葉は聞いていたんだろう。小さく笑みを浮かべていた。

「それはともかくとしてだ」
「あ、誤魔化した」
「と・も・か・くとしてだ」

 まだ茶化してこようとする凛の言葉を強制的に断ち切って、話題を元に戻す。

「結局今日の午後はどうするんだ? 柳洞寺に向かうのは夜だろ? さすがに日が昇っている間には行かないよな」
「……本当はランサー辺りの本拠地を探しに行こうと思ってたんだけど、それはやめた方がいいかもね。私達がキャスターとアサシンを倒せば、間違いなく聖杯戦争は動く。そうなれば、こうして3人でゆっくりしている時間なんて殆どなくなるもの」

 確かに今の聖杯戦争は、多少小さい小競り合い程度はあるものの、半ば膠着状態に近くなっている。
 その辺を考えれば、俺達が動くのは現在の聖杯戦争を動かす大きな一手になるのは間違いないだろう。

「そう、ね。あたしとしても出来ればそうしてくれると嬉しいかな」
「一気に事態が動くとなると、俺達も忙しくなるのは間違いないだろうな。その動きを起こすからにはってのもあるし、何より俺達が聖杯戦争で勝ち抜く最有力候補である以上、他のサーヴァントが手を組む可能性は十分にある」

 特に怪しいのは、やっぱりキャスター&アサシンだろう。
 どちらも正面切っての戦いを得意としている訳じゃないクラスだけに、他のサーヴァントやマスターは手を組んでもいいと考えるかもしれない。
 ……アサシンの戦闘力は色々と特別だし。
 だからこそ、出来れば今夜でキャスターとアサシンを倒してしまいたい。
 どちらかが無理でも、片方を倒してしまえば楽が出来る。
 現状で最も厄介なのは、やっぱり手を組んでるキャスターとアサシンだ。
 その片方を倒してしまえば、後はどうとでもなるだろう。
 まぁ、片方を倒して時間を与えれば、後日他のサーヴァントやマスターと組む可能性は十分にあるんだが。
 そう考えると、やっぱり今夜で片付けてしまうのが最善の行動なんだけど……さて、どうなる事やら。

「……アークエネミー、他の宝具やスキルの方はどうなってるの? 使えるようになったりはしてない?」
「いや、残念ながら未だに念動力とスライム以外は使えないな。……まぁ、使えるようになる方法が思いつかないでもないけど……」

 その言葉に、勢い込んでこっちに視線を向ける凛。
 綾子の方も興味深そうにこっちを見ている。
 言ったら怒りそうなんだけどな。
 そんな風に考えつつ、口を開く。

「宝具の方は、凛がピンチになった時に目覚めたのを考えると、ちょっと危なくて出来たもんじゃない。けど、スキルの……念動力の方は、綾子が半サーヴァントになった時の儀式で目覚めた。つまり……ぶっちゃけ、俺が凛と綾子を抱けばもう1つのスキルも……うおっ!」

 咄嗟に飛んできたガンドを回避する。
 それがどこから飛んできたのかは、言うまでもないだろう。
 頬を真っ赤に染めた凛が、いつでもガンドを撃てるように俺の方へと左手を向けていたのだから。

「2回目の時には目覚めなかったじゃないの!」

 その言葉と共に飛んでくる無数のガンドを、俺は回避しまくるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:375
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1184 
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