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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第三十四話 秋山大尉!井伊直弼も陶芸をしていた!!その十五

「そうなりたいか!」
「俺達は泣き寝入りなんてしないからな!」
「やられたらやり返せ!」
「例え自分が先に仕掛けたとしてもな!」
「これまで絶対にやり返してきたんだ!」
「そうしなかったことは一回もなかったぜ!」
 二人共だ、その人生において。
「持ち物検査の日にそいつの机や鞄に四畳半襖の何とか潜ませてやったこともあったぜ!」
「永井荷風が書いたって噂もある地下世界の伝説の名作だ!」
「女の子にも家畜人ヤプー忍ばせてやってこともあるんだ!」
「俺達は本当にやり返すからな!」 
 実に下劣で卑劣なやり方で、である。
「それわかって来やがれ!」
「やられたら一億倍返しだ!」
「おう、やったるわ!」
「今度はこれや!」
 ある人がバズーカを持ち出して来た。
「死ね、ほんまに!」
「藤原頼通さんもそう願っとるわ!」
 鳳凰堂を建立した藤原道長の嫡子である。
「さっさと死ね!」
「地獄に落ちろ!」
「へっ、道長さんでも頼道さんでも連れて来い!」
「連れて来れるのならな!」
「どっちの人も何百年も前に死んでるだろ」
「千年位前だな」
 平安は昔である、つまり鳳凰堂の歴史もそれだけ長いのだ。
「何なら幽霊連れて来るか?」
「幽霊がいるのなら呼んで来いってんだ」
「来たぞ」
「呼んだか?」
 その道長さんと頼道さんの幽霊が来た、しっかりと礼服を着ている。
「黙って聞いてたら好き勝手言いおって」
「これが我等の子孫か」
「全く、腐れ者共が」
「風雅も気品もまるでない」
「おいおい、歴史上の人物まで出て来たぞ」
「幽霊でな」
 この作品では普通のことだ。
「こんな登場の仕方いいのかよ」
「二人共摂関政治の黄金時代築いた歴史上の有名人だろ」
「それが幽霊でいきなり出て来るとかな」
「しかも昼に堂々とな」
「幽霊は昼でも出て来る」
「しかも足もあるぞ」
 見れば二人共身体は透けていて影はないが足はしっかりとある。
「御主達のあまりもの腐りっぷりに我慢出来なくなった」
「悪事も大概にせよ」
「そういうあんた達だって大概なことしてないか?」
「政治の世界で結構なことしてただろ」
「それで俺達に言うか」
「幾ら何でもそれはないだろ」
 ああ言えば上祐の要領で返す二人だった。
「政治の世界は色々あるけれどな」
「あんた達なんか国政壟断してただろうが」
「確かに我等も策は使った」
「しかし誰も殺めてはおらぬ」 
 二人はこのことは断言した。
「死の穢れは忌むべきことだ」
「殺生はよくない」
「ましてや御主達の様な腐り果てた所業はしなかった」
「平安の頃御主達程汚い者達はいなかったぞ」
「へっ、そうかよ」
「じゃあ俺達は政治家さん達より汚いことしてるんだな」
 まさに生き馬の目を抜くそうした世界に生きている人達よりもというのだ。
「あの大阪の女性議員みたいにか」
「腐ってるっていんだな」
「よくもまあ言ってくれるな」
「歴史上の人物にまで言われるなんてな」
「わかったらいい加減行いをあらためろ」
「我等からも言う」
 道長さんと頼道さんは強く語る。
「この鳳凰堂でも卑劣の限りを尽くしおって」
「何ということをする」
「さもないと無間地獄に落ちるぞ」
「死んだその時にな」
「へっ、地獄が何だってんだ」
「地獄なんて怖くとも何ともないぜ」
 藤原父子にも居直る二人だった。
「歴史上の人物に言われても反省するかよ」
「幽霊として出て来てもな」
「結局勝負は勝利が全てだろ」
「どんな手を使ってもな」
「駄目だ、この者達は」
「全くです、父上」
 道長さんも頼道さんも遂に匙を投げた。 
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